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ふしぎなダンボール箱  作者: アーエル


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3/7



置かれていた現金はすでに5億円に手が届く。

それでも、玄関を開けたら現金の詰まったダンボール箱がかわらずに届いている。

宅配を頼んで届いたから玄関を開けた場合は届いていない。

買い物でもゴミ捨てでも、どんな理由でも『外出した』場合にのみ置かれているようだ。




そんなある日、新聞受けに一通の封書が入っていた。

その内容を要約すると……



私が投稿した小説が異世界を生み出し、繁栄しているのだと。

これまでに届いた現金は、異世界から私に支払われた()()とのこと。

だから届いた現金はどう使ってもいいそうだ。


そしてこのお金は非課税対象……というより、不課税にあたるらしい。

『国内取引』ではないからねぇ~、異世界なんだから。

だいたい、この世界ですらないもん、取引相手って。

そもそも消費税は発生していない。

だから課税対象外になる。



  ✮ ✮ ✮ ✮



リストアップされた、国として誕生した小説は複数あり、これからも少しずつ国は(おこ)り発展していくようだ。

手紙に同封されていた異世界の地図によると、いくつかの大陸に分かれて国という形で点在していた。

【ほかの異世界のように、不幸になる人や理不尽な目に遭う人は生まれていません】とのことだった。


異世界そのものは作者による世界観で統一されているため、私の作品から生まれた異世界(というか国家)は(おおむ)()()()()()環境になっているらしい。

確かに『奴隷制度廃止』を掲げる作品(くに)は多く、奴隷は借金などの身売りや連座・縁座の犯罪奴隷なら、人権は残されているか釈放後に復権が可能。

犯罪奴隷にしても、日本でいうところの懲役だ。

犯罪者本人は無期、連座・縁座の場合は有期。

身売りの奴隷は、まあ『奉公』ってところかな。

借金完済というか年季が明ければ解放されるから。


修道院もねー。

雨露(あめつゆ)をしのげて、衣食は与えられて、ベッドで寝れる。

質素倹約(しっそけんやく)な生活は、貴族の生活に慣れた子息令嬢には辛いだろう。

まあ、『住めば(みやこ)』というくらいだ、慣れてもらうしかない。


平民でもなー。

現代の日本ほどの文化はないかもしれないけど、『昭和の良き時代』と言われた昭和50年代の水準かな。

だから、真面目に働けば生きていける。


(ちまた)では没落貴族が物乞いとかで飢えを(しの)いで()き倒れる、なんて作品があるけどね。

神殿や教会がある世界なら、神殿や聖女や貴族による売名行為(ほどこし)があるでしょ。

子どもなら、やはり偽善者(きぞく)偽善者(はばつ)による孤児院経営があるから、そこで貧しいながらも生きていける。

……死ぬよりかはマシでしょ。

正しい孤児院経営をしていなければ、その貴族は名声に泥水ぶっかけることになる。


よく勘違いされるけど、領民は国民。

貴族の所有物ではなく、国王の民。

つまり『国民をお預かりしている』ってわけ。

その領地も、国王から『預けられている』だけ。

貴族は、というか貴族当主は『国王から預けられた国民の生活が脅かされないよう守る』ための管理者。

そして領民は『日々の生活を守ってもらう対価に、働いて税を納める(生産者は物納)』。



まあ、日本で(たと)えると、国王=天皇陛下。

貴族(主家)=都道府県知事、貴族(寄家)=市長。

領民=国民、都道府県民、市民、区民、町民。


これで分かるかな?

世襲制なのは国王。

貴族以下は世襲制ではないの、本当は。

貴族制度でも、次期貴族当主は『国王に許可をいただいて(許されて)、ようやく他家へ認めてもらえる』ってわけ。


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