第五話『ミクリにゃんとの出逢いにゃん!』のその③
第五話『ミクリにゃんとの出逢いにゃん!』のその③
(初対面にゃのに……。ウチって親しまれる才能でもあるのにゃろうか)
イオラにゃんや、ミーにゃんばかりじゃにゃい。声をかけてくる生き物全てがどういうわけか好意的にゃ。
(そうにゃ! 判ったのにゃん!)
美ネコに加え、誰からも愛されるネコ柄。それがウチの宿命と悟ったのにゃん。
(にゃらば、その宿命を全うするまでにゃ)
ウチはある願望を胸に抱いていたのにゃ。
(今がいい頃合いかもしれにゃいにゃあ)
どんにゃに願おうとも、行動が伴わにゃければ、一歩も前には進めにゃい。『願いは願い』で終わってしまう。にゃもんで打ち明けることにしたのにゃん。
「ミクリにゃん。本当にウチと友にゃちににゃる気があるのにゃら、どうにゃろう?
『ミーにゃん同盟』の一員ににゃるっていうのは?」
「ミーにゃん同盟?」
「ウチはにゃ。かねがねイオラの森にて強力にゃ友にゃちサークルを造ることを考えていたのにゃん」
「サークルを? どうしてさ?」
「『ミーナ』っていう親友がウチには居てにゃ。『ミーにゃん』っていつも呼んでいるのにゃけれども、いずれは、この親友も森中を散策するようににゃるのに違いにゃいのにゃ。
ミクリにゃんも知っての通り、イオラの森は広すぎるにゃろう? にゃもんで、ウチとしてはにゃ。ミーにゃんが森のどこに居ようと、どんにゃ目に遭おうとも、すぐさま連絡や救助体制がとれるようにしたいのにゃ。でもにゃ。それには中核とにゃるサークルの存在が不可欠にゃ。そこで固い友情の絆で結ばれた『ミーにゃん同盟』の結成を思いついたってわけにゃん」
実は他にもあるのにゃ。ウチに、いつかまた人との暮らしに戻る日が来にゃいともかぎらにゃい。でもってミーにゃんの元から離れにゃければにゃらにゃくにゃったとしてもにゃ。ウチ以外にも親しい友にゃちがそばに居れば、とぉっても『安心』にゃもん。もちろん、今のところ、そうにゃる可能性は極めて薄いのにゃけれども。
「ええと……そのミーにゃんっていうのは?」
(よくぞ聴いてくれましたのにゃん)
ウチは、ぐん、と胸を張ったのにゃ。
「にゃにを隠そう、イオラの木に咲く花の妖精にゃよ」
「へぇ。そうなの?」
がっくり。
『だからどうしたの?』みたいにゃ態度にゃ。ウチはいきにゃり腰砕けの目に遭ってしまったのにゃん。
「へぇ、って……。一体どういうことにゃん!」
ウチは噛みついたのにゃ。……言葉でにゃよ。
「ここはイオラの森にゃろう? にゃのに、にゃんで知らにゃいのにゃん!」
半ば非難めいた口調にゃのを察したようにゃ。ミクリにゃんの背筋が更に、ぴぃん、と伸びたのにゃ。それでも、言葉遣いは相も変わらずの、のんびり型にゃん。
「イオラの木って陸上の存在だよね。でもさ。ボクたちは地中。棲む世界が違うんだよ」
「にゃ、にゃんと!」
がく然とする思いにゃ。
「確かにここはイオラの森の真下にあるよ。でもね。ボクたちに『森』という垣根はないんだ。天空の村全ての地中。それがボクらの棲み家さ。
ああでも……、ナワバリがあるから垣根がないとはいえないかぁ」
ミクリにゃんがにゃにか喋るたんびに、がっくりにゃ。
「地上とは違う、とは判っていたのにゃけれども……。
まさかにゃ。精霊イオラにゃんの名前も知らにゃいにゃんて」
はぁう。
呟きとともに深いため息を突くウチ。四肢を、ぐにゃりんこ、と曲げ、べったぁ、と蹲ってしまったのにゃ。そしたらすぐさま、『ええっ!』と驚きの声が耳元に。『ふにゃ?』と呟いて顔を上げたウチの目に映ったのは、慌てふためく色の顔にゃ。
「ちょ、ちょっと待って。今なんていった?」
「にゃんてって……、にゃから精霊イオラにゃんの名前も」
「どうしてそれをもっと早くいってくれないのさ」
「ふにゃ?」
「知っているよ! 知っている!
当たり前じゃないか。村の守護神様だもの。知らないわけがあるもんか」
「でもさっき、いったじゃにゃいの。イオラの木に咲く花の妖精って。
にゃのに、へぇ、と首を傾げるにゃけで」
「イオラの森に生えている木の一つ、っていう意味だと勘違いしたのさ。
まさか、守護神様が宿る木だとは思わなかったんだよ」
「勘違い? すると、どうにゃる?」
「ははぁっ」
ミクリにゃんはそそくさと四肢を揃えて屈し、身体を丸っこくした状態で、深々と頭を下げたのにゃん。
(すっごいにゃあ。イオラにゃんの名前を口にしたにゃけで、こんにゃにも態度が変わるにゃんて)
おんにゃじ棲み家に居る精霊の偉大さをあらためて知ったウチにゃん。
まっ。それはそれとしてにゃ。
「ミクリにゃん。ウチに頭を下げにゃくても」
「あっ。……へへっ。それもそうだね」
というわけでにゃ。ふたりとも四つ足の立ち姿に。
「でもさぁ。なんでボクなんかを誘うんだい?」
「にゃんとにゃくウチらと気が合いそうに思えたのにゃ」
「それだけかい?」
「ここが一番重要にゃんよ。霊覚による直感。これに勝るものはにゃい、とウチは信じているのにゃ。にゃもんで、逆ににゃ。そういった意識を一切感じさせにゃい相手にゃらば、誰がにゃんといおうと、仲間ににゃんかしにゃい」
「霊覚による直感ねぇ。まぁ確かにぃ。霊体なのにこれがハズレるようじゃあねぇ。たいした器にはなれないだろうなぁ」
「にゃろう?」
「でもすごいねぇ。度胸がいい、っていうか、自分に自信を持っているっていうか」
「自分に自信がにゃいものに仲間が造れると思うのにゃん?
そんにゃ相手の仲間ににゃりたいって思う者が居るのにゃん?」
「なるほどぉ」
「にゃから無理をして『フリ』をしているのにゃんよ。
そこんとこ、判って欲しいのにゃけれども」
「へへぇ。正直なんだねぇ。そうかぁ。フリかぁ」
「フリにゃよ。決まっているじゃにゃいの。にゃははは」
「ふははは」
ウチらは笑い合ったのにゃ。
「それで、どうにゃん? 返事は?」
「もう決まっている」
もはや、口に出すまでもにゃい。にゃって、にっこり、と微笑む顔が全てを物語っているのにゃもん。
「気に入った。喜んで同盟に加わらせてもらうよ」
「ミクリにゃん。有難うにゃん」
ウチが微笑み返しをしたのはいうまでもにゃい。
鼻と鼻とのくっつんこや身体のこすり合わせ、にゃどの親愛の情を表わす仕草を一通り終えたあとは、横に並んで寝そべったり毛づくろいを手伝い合ったり。ウチらはもう仲良し子好しの間柄にゃ。
「ふわああぁぁい。ねぇ、ミアン君」
「ふにゃあああん。にゃんにゃ? ミクリにゃん」
ネコ同士。加えて緊張感がほぐれたせいにゃろう。ともに眠気を催したようで、どちらも『顔を合わせてはあくび』の連発にゃ。おネムの時間帯に来たことも重にゃってか、ウチは既にうとうと気味。にゃもんで最後の最後とばかり、前後の足を延ばしての大あくびにゃ。でもって横を振り向いたら……、やっぱりにゃ。ミクリにゃんもおんにゃじ格好。
「にゃあ、少しばかり眠るとしようにゃん」
「そうだね」
ミクリにゃんに続いてウチも目を瞑ったのにゃ。
夢の中のウチが眠りに入ったことで……夢の終わりが告げられたのにゃん。
(にゃあんか、ややっこしいのにゃあ)
「えっへん!」
「どうしたのにゃ? イオラにゃん。急に肩にゃんかそびやかして」
「どう? ワタシって偉大でしょ?」
「ノリノリにゃん」
「えっへん!」
「どうしたのにゃ? ミーにゃん。急に肩にゃんかそびやかして」
「だったら、アタシも偉大だわん!」
「ミーにゃん。大昔にゃ。移民から伝わった『ことわざ』にこういうのがあるのにゃ」
「なになに?」
「『虎の威を借る狐』。まさにミーにゃんのことにゃ」
「ふぅぅん。で?
ミアン。それってどういう意味わん?」
「知らにゃい」




