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ドラゴンアヴェンジャー  作者: PIAS
第5章 スメリワ襲撃

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第225話 オークキング討伐隊


「おっしゃあ! オークキングの首はオレが取ってやるぜ!」


「はいはい。威勢がいいのは分かったから、前にいるオークファイターたちをサクッとやってちょうだい」


「わーってるよ! オークファイターごときがオレと止められると思うなよ!」


 ビッグシールドに加え、リュシェルとカディウスを加えたメンバーが、オークキング討伐を目指して行動を開始する。

 オーク集団は無秩序に横一列に並んでいる訳ではなく、どうやら役割によってちゃんと部隊を編成しているようであり、幾つかの小集団に分かれていた。


 その小集団のひとつにバキルの大剣が振り下され、零れ落としたオークにはサイラークが忍び寄りトドメを刺していく。

 ボミオスはこの乱戦状態において、魔術師を守るようにシリアやアトリエルの傍で、不意の攻撃などに備えていた。


 この世界の一般的な魔術師は、自身が使える中でも最大クラスの魔術となると、あまりたくさん使用することが出来ない。

 ゲーム的に言うと、最大MPが少ないという状況だ。


 そして魔力を回復するマジックポーションは、服用後すぐに回復する訳ではなく、5分くらいかけて効果を発揮する。

 この5分の間に追加で飲んでも効果はないし、5分後に次のマジックポーションを飲むと、同じ等級のものであっても回復量が減衰していってしまう。


 物理的にも、あまり何本も液体であるポーションを飲むのは厳しいということもあり、ポーションがぶ飲みで魔術を使いまくる訳にもいかない。

 その為この世界の魔術師は、魔力切れの時の為にそれなりに近接での物理戦闘も行う。 


「ほいっ! あ、それっ、ほいっ!」


「……無駄に年食ってるだけあって、相変わらず見事な弓の腕ですね」


「お主こそ、魔術だけでなく細剣(さいけん)の扱いはなかなかどうして見事なもんじゃ」


 リュシェルも後々のオークキング戦のことを踏まえて、普段から腰に帯びているレイピアを手にオークと戦っていた。

 カディウスは近接武器ではなく弓で戦っているが、この弓は風の魔弓と呼ばれる逸品で、少量の魔力を込めることで風の矢を放つことが出来る。

 そしてまたカディウスの弓の腕は名人級であり、FPSゲームで次々にヘッドショットを決めていくプロプレイヤーの如く、オークの急所をその風の矢で貫いていく。


 シリアも魔力を節約している時は杖や短剣などで戦い、アトリエルはカディウス同様に弓を使う。

 全員がそうという訳でもないが、エルフには弓の扱いに長けたものが多い。


「む、あやつらは少し危険そうじゃ。サイラークは後衛の補助に。バキルは儂と共に続けい!」


「おう!」


 初めの内は脅威度の低いオークが多かったが、敵陣を抜けていくにつれ徐々に敵のガタイが大きくなっていく。

 ゴブリンやオークなどは、基本的にはガタイがでかい奴ほど強い。

 ボミオスが危険を感じたのは、身長2メートルを優に超えるオークの小集団だ。


「気を付けて! そいつらはハイオークの役職付きの集団だと思う!」


 魔物と妖魔の違いはあれど、同じオークという種族であるせいか、サイラークは敵オークの見分けが一番ついていた。

 彼の言うハイオークの役職付きとは、ハイオークウォリアーやハイオークメイジなどといった種族のことだ。

 そのどれもが脅威度Ⅵの魔物であり、ダマスカス級冒険者パーティーであるビッグシールドをもってしても、侮れない相手と言える。


「かかって来んかああああい!」


 大盾を構え、気迫の声を上げるボミオス。

 その野太い声はオークたちの注目を大いに集めることに成功する。

 ハイオークウォリアーの手にする斧が、槍が、メイスがボミオスに向けて次々に遅いかかった。

 しかしそれら全ての攻撃をしっかりと受け止めたボミオスは、体勢を崩すことなく耐え抜く。


「っしゃ、オラアアアア!」


 その攻撃直後の隙を突き、バキルの大剣が無慈悲に振り下ろされる。

 重さ10キロ近いバキルの大剣は、切り裂くのではなくオークを次々と叩き斬っていく。


 だがオークも負けじとばかりに反撃を仕掛けて来る。

 ハイオークメイジは攻撃の間隙をついて、ボミオスに魔術を放つ。

 しかしボミオスの持つ魔導盾は魔術に対する防御力も高く、ダメージは余りない。

 そしてバキルに叩き斬られて致命傷だったハイオークウォリアーは、ハイオークプリーストから治癒魔術を受けて、再び戦線に復帰してくる。


「先に魔術師から潰すぞい」


 カディウスが同じく弓を使うアトリエルを見ながらそう言うと、言葉どおり敵後衛であるハイオーク……特に治癒魔術を使うハイオークプリーストを集中的に攻撃し始める。


「GTYNK)”JDKLA!!」


 オークたちも雄叫びを上げてどうにか対処しようとするが、地力の違いによって徐々にオーク側の被害が重なっていく。

 そしてついにはハイオークの集団を殲滅することに成功した。


「ふぃ、やれやれじゃわい」


「なあ、ジジイ。こいつら妙に強くなかったか?」


「うむ……。オーク共とは獣の牙で散々やりあっておるが、明らかに強さが違っておったな」


「奴らも強化魔術とか使ってたみたいだし、そのせいじゃない?」


 やたらと人間への殺意が強い魔物は、基本的には強化魔術よりも攻撃魔術を使用してくることが多い。

 しかしオークキングに率いられているこの集団は、キングが直接指示出しをせずとも、強化魔術や治癒魔術などを積極的に用いる。


「まさか……な」


「カディウス爺、なにか心当たりでもあるのー?」


「ないこともないが、今回はその線ではなかろう。……多分な」


「気になる言い方ね」


「気にするでない。それより、先に進むぞい!」


 ハッキリと言い切らないカディウスに、もの言いたげな目線を送るシリア。

 それに対するカディウスは、迷いを断ち切るようにシリアの言葉を払い、別の話題に切り替える。


「……そうね。今はオークキング討伐を第一に考えましょ」


 カディウスの態度が気になりはしたが、戦場で迷っている余裕はない。

 オークキング討伐隊は、その後も戦場を前へ前へと突き進む。

 比較的弱いオークの集団から、ハイオークの集団まで、幾つかの小集団を突破していくと、遂に目的の相手が見えてくる。




「……あれがオークキングか。やべえ雰囲気がプンプンしやがるぜ」


 オークの種族の見極めには、体格の他に装備による見分け方も存在する。

 魔術師系であれな杖を持っているし、オークアーチャーなどは当然ながら弓を所持している。


 ではオークキングの装備はというと、部分的に金属を張り付けた、シドニア領の騎士が身に着けているような鎧を身に纏っていた。

 身長は3メートル近くと大きく、見上げるような巨躯をしており、筋肉質な肉体は体脂肪率一桁に達してそうに見える。


 豚顔という特徴はオークキングも勿論変わらないが、額の部分にはまるで入れ墨のような模様が浮かんでいる。

 その文字のような記号のような模様は、それが王種の魔物であるという証でもあった。

 この模様は人型の魔物以外にも見られ、昆虫系であったり動物系の王種にも同じ模様が見られる。


「お主ら、気を付けよ。オークキングも厄介じゃが、周りにいるのもハイオークの上位種じゃ」


 普段の少しお茶らけた口ぶりではなく、厄介な魔物の集団を見て額に汗が浮かべるカディウス。

 彼の言うように、オークキングの周囲にいたのはどれもガタイがよかったり装備がしっかりしてるオークばかりだった。


 オークキング以上にしっかりした金属鎧と、バキルの大剣と同じくらいの大きさのハルバードを持つのはオークジェネラルだ。

 魔術こそ使ってこないが、純粋な物理戦闘力でいえばかなり強力な魔物である。


 他にもハイオークリーダーや、ハイオークウィザードも傍に控えており、オーク集団のリーダーであるオークキングを守っている。

 それがオークキングの指示によるものなのか、或いは王を守るという本能によるものなのかは、見ただけでは分からない。

 なんにせよ、指揮官であるオークキングが今回の戦における大きなキーポイントだった。


「うひい……。やばそうなのがゴロゴロしてるねい……」


「結局全部倒すのは変わりないが、優先すべきはオークキングの首よ! 奴の首さえ取れば、あとは各個撃破していくのみ」


「そうじゃな。あの妙なオークどもの強さも、オークキングを討ち取ればなくなるかもしれぬ。ゆくぞ!」


 ボミオスとカディウスはそれぞれ言葉を発し終えると、すぐさま戦闘へと突入していく。

 まだ敵集団までの距離がある今のうちに、シリアなどの魔術師組によって強化魔術の掛け直しもバッチリ行っている。


 もっとも、それはオークキングたちも同じようで、近づいてくるボミオス達を前に打って出ることはせず、ハイオークウィザードによる強化魔術や防御魔術の掛け直しが行われていた。


 そうして両者ともに万全の状態となり、まず最初に行われたのは、突っ込んでいったボミオスら前衛による攻撃ではなく、後衛組による魔術の打ち合いであった。


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