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異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第6章:リスリーの気持ち

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第93話 シュラバ

「このところ、お昼になったらマサヤ様の姿が見えないのは、自主練に行ってらっしゃるせいですか?」


 ノーザリア語の単語テストをして。

 俺がその問題を全問正解してドヤ顔をしているときだった。


 突然そんな質問が飛んで来たんだ。


(えっ)


 一瞬言葉に詰まる。

 何でそこを訊くんだ?


 そこが分からなかった。

 俺の心臓の鼓動が速くなる。


 だけど


(いや、単なる疑問だろ。お昼になったら屋敷で食事を取らず、外に食べに行くわけだし)


 そんな自分の思考こそ意味不明であるとすぐに気づき。


「うんそう。あの日本料理屋だよ。あそこのウエイトレスさんが練習台にちょうどいいかなって」


 若干早口で彼女の問いに答えた。

 リスリーは


「練習台……」


 そう俺の言葉を復唱する。

 練習台……


 いや、何様だよ?

 相手ヒトなんだぞ?


 だから俺は慌てて


「ゴメン、ちょっと言葉選び間違えた。適当な言葉が思いつかなくてさ」


 言い訳を口にする。

 練習台のもうちょっとまともな言い方……


 それを思案した。

 だが、その答えが出る前に


「いえ、仰りたいことは伝わりますし、マサヤ様が徒に他人を軽んじるようなことは仰らないのは理解してます」


 彼女がそう言ったので。

 俺はそこで、言い直すことはやめにした。




(昨日は色々あり過ぎたな)


 そして次の日。

 俺は昼になったのでまたあの日本料理屋に向かった。


 フリースタイルのノーザリア語会話は上達のために欠かせないだろ。

 拳法修行で言えば、対人仕合みたいなもんだ。


 型にはまらない会話を乗り切ることで、外国語の会話能力が身に着く。

 俺はそう思うので、これは避けて通れないよ。


(……しかし)


 昨日、妙な夢を見た。

 リスリーと共同生活してる夢だ。


 夢の中でリスリーは俺の恋人で。

 主人と従者じゃ無くて、俺のパートナーとして振舞ってて。


 マサヤさん、って呼んでくれた。

 彼女は俺に愛情深く接してくれて……


 夢の中で俺は、とても幸せだなと思った。

 ソウジとトオルの奴が俺たちを祝福してくれてて……


 そこで目が覚めた。


 覚醒してから


(キモ)


 自分で自分がキモくなった。

 勝手にリスリーを恋人扱いして。

 お嫁さんの振る舞いを頭の中でさせて喜んでる俺……


 いや、キモいだろ。


 彼女は人形じゃないんだから。


 色々女子を人形扱いする奴らの話は聞いてて。

 俺はそいつらとは違うとか思ってたけどさ。


 本当は一緒だったなんて、それはちょっと嫌過ぎる……



 そんなことを思いつつ



 俺はあの店のドアを開けた。

 店に入ると


「オレー!」(いらっしゃいませ)


 キャサリーンさんが笑顔で俺を迎えてくれた。


 俺は会釈を返した後、最近の定位置になってるカウンター席に腰を下ろす。

 するとかなりすぐに、キャサリーンさんが注文を取りに来てくれる。


 俺はキャサリーンさんの言葉を待たずに


「チキンカレー、イジールプ」(チキンカレーください)


 チキンカレーを注文する。


「イルニアトレック」(かしこまりました)


 そしてキャサリーンさんがメモをして


 厨房に引っ込もうとしたとき。


 バン、と。

 この店の入り口ドアが開いた。


 その音があまりに大きかったので俺がそちらに目を向けると……


「えっ」


 思わず声が出た、


 何故ってそこには……



 リスリーが居たからだ。

 とても厳しい表情を浮かべて。

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