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異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第6章:リスリーの気持ち

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第81話 異世界カレー

 そのウエイトレスさんは所謂メイドさんの衣装を身に着けていた。

 典型的なやつ。


 深い夜の色のような、濃い紺色のワンピース。

 あまり装飾が無いロング丈デザイン。

 その上に白のエプロンが重ねられている。

 で、頭に布で出来た白いカチューシャみたいなものを被ってる。


 そんな典型的衣装を身に着けているのは金髪の女性で。

 年齢は俺より少し年上。


 元の世界だったら女子大生くらいに見えた。

 髪が長く、背中につくくらい伸ばしてる。


 俺はさっきの言葉が聞き取れたので少し嬉しくなった。

 このウエイトレスさんの言葉……


 ヤムイアエカトウオーダレドロ? (ご注文をお願いしていいですか?)


 ……をだ。

 リスリーの言葉は聞き慣れて、だいぶ正解を引けるようになってきたけど、それ以外の人に関してはまだまだ全然で。


 今日だって、リスリーの知り合い女性のノーザリア語はほぼ聞き取れて無かった。


 実用性考えるなら、リスリー以外のノーザリア語もいけないと駄目だよな。


「ポークカレー、イジールプ」(ポークカレー下さい)


「イアリウエヴァエトエマスイジールプ」(私も同じものを)


 注文を訊かれたわけだから。

 俺とリスリーがポークカレーを注文すると


「イルニアトレック」(かしこまりました)


 注文をメモし、ウエイトレスさんが一礼。

 そして奥の厨房に引っ込んでいく。


 ……わりとあのウエイトレスさん、綺麗めだと思う。

 歩き方もしっかりしてるし、元気あるし。


 明るい感じだし。


 ……多分、所謂「看板娘」ってやつなんじゃないのかな。


 十数分後、2人分のポークカレーの皿が運ばれて来た。


 早速食べる。


 ちなみにスプーンだ。木製だったけど。

 こういうところも日本式らしいな。



 ただ……


 ちょっと米がぱさぱさしていた。

 リスリーの実家で食べた米はしっとりしてたんだけど。


 どうも米の品種が違うようだ。


 でもまあ……

 カレーのライスに使うなら、全然致命的では無いけどな。


 米の問題を除けば普通に美味しかった。


「カレーライスって本場はどのようなものなんでしょうか?」


 目の前でスプーンでカレーを美味しそうにパクついているリスリー。

 俺は自分の分を口に運びながら見ていたが


 突如そんなことを言われたので


「ん、本場は手で食べるんだ」


 一応本当のことを言った。

 するとえらく驚かれた。


「えっ、カレーって熱いですよね? それを手で食べるんですか?」


 そんな質問が来る。

 俺はどうしたもんかなと思いつつ


「……話すと長くなるんだが、日本のカレーの食べ方は本来の食べ方とは違うんだよ」


 そう前置きして。

 カレーは日本のものじゃなく、外から来て家庭料理で定着したものだとか。

 本場は手で米をカレールーに混ぜて食べたり、パンみたいなもので掬って食べるんだということを話した。


「なるほど……でも、何で手で食べるんですか?」


 リスリーは不思議そうにそう訊いてくる。

 この国だと、手で食べるのはあくまでイレギュラーなのかな。

 日本同様に。


 で、俺は


「聞いた話だけど……自分の手であれば衛生的にどうかなのは自分が一番知っているから、という理由らしい」


 聞きかじりのうろ覚え知識だけど。

 知ってる知識を披露した。


「そうなんですね……」


 リスリーは頷きながら聞いてくれる。

 そこで俺は少し


 楽しいと思った。



 楽しい昼食が終わって。

 2人で店を出た。



 ……この店。


 美味しいし。

 ノーザリア語の修行にもなるだろうし。



 また来るか……


 そんなことを、店の看板を振り返りながら思った。

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