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異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第4章:襲撃して来るクラスメイトたち

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第53話 最後に来るもの

 俺はリスリーの傍まで移動する。

 複数回のステップで辿り着いて。

 彼女の隣に立った。


 そして


「助かった! ありがとう!」


「マサヤ様!」


 彼女はどうも、ゴワケにぶちかましを仕掛けたらしい。

 多分肩からぶつかったんじゃないだろうか?


 ゴワケは女としてはボディラインは最高でも、体格は普通レベルを出ないレベルしか無いから、リスリーにはぶっ飛ばされるしかなかったようだ。

 その際に狂戦士の斧を手放してしまったようで、顔を顰めている。


 リスリーは身長高めで、しかも明らかに鍛えてるしな。

 ぶちかましを仕掛けられたら勝負にはならんだろ。


 ゴワケは起き上がって一瞬で大切な狂戦士の斧を手放してしまったことに気づいたらしく、なりふり構わず慌てて飛び出し、奪い取るようにその「自分の生命線」であるそのダンジョンアイテムを回収する。


 そして


「ち、ちくしょう! お前、ただの召使いのくせにアタシにこんな真似をしてタダで済むと……!」


 ゴワケは狂戦士の斧を突きつけて目を剥いて威嚇するように叫ぶ。

 しかしリスリーは


「あなたがマサヤ様に暴力を振るわれるからです!」


 そんなゴワケに長剣の切っ先を向けて言い返した。

 ゴワケはそれが面白くなかったようだ。


 唾を飛ばして


「黙れ! ソイツはヒラだろ!? アタシらはずっと上の存在なんだ! お前如きがアタシらに無礼を働くなんて、許されないんだよ!」


 そう叫び。

 そして


「キモメンの〇〇〇奴隷の分際で生意気なんだよ!」


 あまりにも下劣な侮辱をリスリーに投げつける。

 リスリーは青褪めていた。


 ……コイツの口から、そんな言葉が出てくると想像もしてなかったのかもしれない。


 彼女はそれにただ一言。

 鋭い目を向けて


「……取り消して下さい。マサヤ様は素晴らしい方です」


 そう言って、剣を構えて。


「何がよ!? 黙れって言ったよね!? ドブスがッッ!」


 狂戦士の斧で斬り掛かって来るゴワケを迎え撃った。


「リスリー! その女、痛覚が無いしその斧は見た目通りの鋼鉄の斧だッ!」


 俺はそう短く、最低限伝えておかないとマズい情報を叫ぶ。

 リスリーは


「ありがとうございます!」


 同じように短くそう返し。


 そして俺の視界の外で、金属同士の打ち合わさる音とゴワケの怒号と雄叫び。

 リスリーの気合の声。


 二度、三度、四度……!


 リスリーがゴワケと戦ってくれている。



 ……だったら俺は、コバルとの戦いに集中しよう!



「どんな技を使いやがった……!? お前のスキルは単に身体能力を上げるだけの技だったはず……!」


 俺が退いたせいで動けるようになったコバルが、慌てて起き上がり引きつった顔で俺に怒鳴り声をあげた。


 確かトオルがそういう報告してるんだっけ。

 俺の得たスキルは自分の身体能力を跳ね上げるだけの単純なものだ、って。


 俺の正しい情報をコイツに渡しても俺に何の得も無い。


 だから


「……これが武術ってやつさ。素人さんには分からんよな」


 そう言って誤魔化す。

 コイツは真面目に格闘技なんてしてないだろうし。

 それで誤魔化せるかもしれない。


 しかし


「嘘吐くなカス! それで後ろから斧で斬り掛かられて死なないとか変だろッッ! テキトーなこと言ってんじゃねえ!」


 ……無理だったようだ。

 残念だ。


 でも俺は認めるわけにはいかないから。


「気功って奴を知らないのか?」


 俺は真顔で嘘を吐く。

 コバルは俺のその言葉を


「気功だとッッ!? そんなもんあるわけねえだろ!」


 頭ごなしに否定。

 まぁ、あまり期待していなかったが。


 そして俺に押さえ込まれた屈辱を晴らすためか、雷の槌を両手で握り


「死ねやああああっ!」


 その場で大きく振り下ろそうとする。


 ――きっと雷撃を飛ばして来る気だ!


 殴りかかる様子が無い以上、おそらくそうだ。


 避けなければ……!


 そう思い俺が、サイドステップして回避行動のために駆け出そうとしたとき。



「……何をしているの? お前たち」



 底冷えするような響きの、女子の声が降って来たんだ。

 俺はその声を知っていた。


 それは……


 俺は上を見た。


 そこに1人の少女がいた。


 宙に浮いた状態で。

 俺たちを見下ろしていた。


 少女は俺たちの学校の女子の制服であるセーラー服を着ていて。

 その上に、羽織るように豪奢なローブを身に着けている。


 その少女は小柄で。

 痩せっぽちで。


 天パのショートカットの少女。


 俺の記憶の中のその少女は、いつも周囲に怯えていた。

 傷つけられたくないという気持ちに溢れていた気がする。


 そのときは陰気で、卑屈に思えた彼女の瞳。

 それが今は、別人のような強さを備えている……!


 大谷さん……!



 今のコバルとゴワケの上にいる存在……!

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