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異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第2章:無限の減速

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第29話 そして魔王領へ

「まさか勝つとはねぇ」


 そしてこの地下闘技場での血塗られた催しが終了し。

 運営から配当金を受け取って来た闇業者が


 頭をぼりぼり掻きながら俺たちの前にやって来た。

 そして俺に目を向け


「まぁ、おめでとう。……キミのオッズさ、最終的に200倍近くなってね」


 なんとなくバツが悪そうな表情で


「なんとなく気まぐれで、キミへの弔い代わりに300ドログを賭けたもんだから……まあ、平たく言うとメチャクチャ儲かった」


 ……そんなことを言って来た。


 まあ、運営的には大番狂わせだろうな。

 本来は素人が達人と戦わされて、泣き喚きながら絶望の中命を失う。

 それを皆でニヤニヤしながら愉しむだけのイベントで。

 客が儲けるためにする試合じゃないはずなんだものな。

 賭け金はそのショーの見物料のはずなんだ。


 なのにその試合でまさか達人を倒してしまう奴が出るなんて。

 想定してなかっただろうさ。


「そいつは良かったな」


 こっちもコイツにはムカついていたから、ぶっきらぼうにそう返す。

 闇業者は


「まぁ、あまり怒らないでくれよ。私だってちょっとは悪かったなと思ってるんだからさぁ」


 口元に笑みを浮かべて、白々しくそう言ってくる。


「約束は守れよ?」


 俺は一番の懸念事項を口にする。

 約束なんて知らないよ、なんて言われたらこっちは困るなんてもんじゃないし。


 だが幸い俺のそんな懸念は


「守るよそりゃ。私の仕事は信用が第一なんだから」


 ハハと笑みを浮かべたままそう言う闇業者の態度で、杞憂に終わった。

 まあ約束を守ってくれるならそれでいい。


 コイツ自体はムカつくけどな。

 だけど


「……ああそうそう」


 魔王領への侵入に関する約束を交わした後。

 別れ際に闇業者が俺に言った。


「キミさ、ノーザリア語全然喋らないよね? ……ひょっとして日本からの転移者なのかい?」


 ……見抜かれた。

 誤魔化し切れるかと思ったけど。


 俺は黙った。

 返事を返さない。


 聞こえなかったフリをする。


 俺のそんな態度に


「……まあ、いいさ。こっちも後ろ暗いことをしてる身だからね。言いふらしたりはしないよ」


 闇業者は真顔でそう言う。

 客の情報は守るってか?


 まあ、場合にはよるんだろうけどな。

 例えば俺が重大な犯罪を犯してて、それが後から分かったら、俺を売ったりするのかもしれない。

 犯罪者の国外逃亡だけは手を貸さないとか言ってたし。


「それじゃ3日後に」


 闇業者はそう言って去って行った。





 3日後。


 闇業者との約束の場所に行き。

 そこで待機していた馬車に乗り。


 移動した先で、猟師っぽい姿の知らん男たち数人と合流。


 そのまま、山の中に分け入って


 数時間歩き。


 そして



「ドノイェブエレセイルエトノメッドスドロールイロティレット……ルエゥフカエルヌアネポアエラノース」


「ドーツレドヌ。クナットウオーイレヴフカム」


 案内人の男の1人とリスリーがノーザリア語で会話してる。

 ドーツレドヌ(訳:了解しました)って言ってるから、多分ここらへんでお別れってことなのか?


 リスリー、別れ際に最後の注意を受けてるのかね?


 会話が終わるとリスリーは男たちに頭を下げる。

 男たちはそれを見て何かを言い、リスリーに布の包みを手渡して


 去っていく。


 俺たちはその背中を見送った。


「さあ、行きましょうか」


 歩き出すリスリーに


「……なんて言われてたの?」


「この先の開けた場所に魔族の集落があって、そこの魔族が比較的平和的な部族だそうです」


 平和的な部族……


 まあ、ヤクザでもいい人はいるっていうし。

 感覚的にはそんな感じなのかもしれない。


「その包みは?」


「お菓子ですね。魔族は甘味や酒類に目が無いらしく、貢物として最適なのがこれなんだとか」


 ……なるほど。

 貨幣経済の無さそうな種族だし。


 そういうのが効果あるのはなんとなく納得できた。


 実際の魔族は、一体どんな種族なんだろうか?

 俺はこれから出会うであろう異種族に対して、不安と期待の両方の気持ちを抱いていた。

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