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異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第2章:無限の減速

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第28話 俺がやったことの詳細と、魔法

「マサヤ様! 素敵でした! 震えました! 素晴らしいです!」


 興奮したリスリーが俺を褒めちぎってくれる。

 それは正直嬉しかった。


 会心の結果を出したときに、女の子に褒めて貰えるのが嬉しく無いはずがない。

 だけどさ


「……悪い。リスリー、キミは確か回復魔法が使えるんだよね……? 骨折治せる?」


 石の床の上にへたり込んだまま、それをお願いした。

 右腕はもちろんだけど、左手の拳の骨もイってる気がする。

 痛くてたまらない。

 早急に治して貰わないと正直辛すぎる。



 ……リスリーは魔法が使える。


 彼女はレフィカル付きの護衛騎士をしていたときに、魔物の脳を食べる機会を与えられたそうだ。

 その際「熱の精霊フレイア」と「生命の精霊ライブラ」の2つの精霊由来の魔法を使えるようになったらしい。


 あのとき、王都を出て最初に人攫いと戦ったときに。

 リスリーは火炎魔法を使っていたけど。

 そんなことが出来たのは、魔物の脳を食べて熱の精霊フレイアの声を聞くことが出来るようになったからだ。


 俺のそんな要求に、彼女は床に跪き


「分かりました。でも、ちょっと教えてくださいますか?」


 回復魔法を使うために俺の負傷箇所を確認しながら


「何故、最後の拳であの男の脛を砕けたんですか?」


 そう、訊いて来た。


 まぁ、当然の疑問だよな。

 気になるよな。


 普通あり得ないし。


 俺は俺の骨折を治すために集中をはじめたリスリー相手に


 教えた。


「拳のインパクトの瞬間に、スキルを使って鉄の塊になったんだよ」


 ……拳を突き刺すために要求されるのは、拳が食い込む時間を極限まで減らすこと。

 食い込む時間を減らすというのは、加速した拳の速度がゼロになるまでの時間を短くするってことだろ。


 だから閃いたんだ。


 拳が命中した瞬間にスキルを使えば、俺は一瞬で鉄の像と同じものに変化する。

 見た目は変わらないけど、重さと硬度が鉄になるんだ。


 すると当然だけど、突然拳の速度がゼロになる。

 これはつまり、突きの極意を最大級の達成度でやることにならないか?


 それに俺の身体が鉄になるということは、拳の硬さと重さも鉄になるってことだ。


 ……やれるんじゃないかと思った。

 ものすごいレベルで、最高の突きを。


 その結果が、あれだ。


「生命の精霊ライブラよ、その命の祝福賜らば我その癒しの力、勇者を奮い立たせる力とせん」


 俺の説明を聞きながら、リスリーが目を閉じてそんな言葉を口にする。

 ……言葉が何か中二病臭いなぁ……

 思えば日本語なのもイミフだし……


 でも、リスリーは別にそういう女の子じゃないし、何か意味があるんだろう。


 リスリーのその、詠唱? が終わると。

 俺の身体が光に包まれ、折れた右腕、砕けた左手拳の骨が修復されていく実感があった。


「おお……」


 みるみる痛みが引いていく。

 すごいな。


「魔法、すごいな」


 俺が治った手をグーパーしつつそう呟くと

 リスリーはニッコリ微笑み


「ええ。色々ありますけどね」


 立ち上がって俺に手を差し出して来る。

 別にそこまで消耗してないけどさ、気遣いは無駄にしたくないから


「さっきの詠唱、唱えないといけないの?」


 その手を借りて、俺は立ち上がりつつそう訊ねる。

 リスリーは頷いて


「効果を上げるために必要なんですよ……精霊のテンションを上げるために」


 テンションって……

 そういうもんなの? 魔法って。


 気になったからそこを訊ねた。

 すると


「精霊は言葉を発する意思を汲み取って命令を理解するので、ノーザリアの言葉でも日本語でも通じます」


「日本語を使うのは、使う魔法の内容を誰でもが分からないようにするためです」


「精霊はその魔法を使うことに精霊自身が乗り気になれることを好みます。詠唱はその一つですね。精霊をやる気に導くためにするんです」


「やる気になった精霊は、全力で仕事に取り組んでくれますし、代償で徴収する精神力も軽減してくれます。なので、強力な魔法を使用する際は詠唱が必須です」


 ……こんな説明が返って来た。

 なるほど……


 筋が通ってるような気がするな。


 逆に言えば……




 無詠唱でソウジを焼いたあの男は……レフィカルは……

 とんでもない魔法使いだってことでもあるのか。

 何も言わなくてもあんな真似を精霊にさせられるってことだろ?


 俺はそれを思い、敵の強大さを再認識した。

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