第219話 様々な事後処理
こっちの世界に戻って来てから。
色々大変だった。
まず俺は復学が認められ、また高校に通うことになった。
これに関しては当然だと思う。
だって俺たち、無理矢理拉致されたんだし。
さすがに本来3年なのに2年という留年状態は避けられなかったけど。
あと、ほぼ丸1年くらい、学校に通っていなかったわけだから。
ブランクを取り戻すのが大変だった。
復学後最初の定期テストは結果が散々で、どうしようかと思ってしまった。
そういう、俺の日本での日常面の復帰も大変だったけど。
俺とリスリーは国に事情聴取で連れていかれた。
母さんが失踪者が戻って来たと警察に電話した後。
次の日パトカーが来て。
俺とリスリーは警察に連れていかれた。
で、約1年もどこにいたのかと詳しく聞かれた。
俺は正直に「異世界に魔法で召喚され、現地の悪党を倒して魔法で戻って来た」と言ったんだが。
最初は「こいつは一体何を言ってるんだ?」と思われた。
でもさ。
一緒に連れて来られたリスリーも同じことを言い。
そこで確認のためと別々に引き離され。
しばらく別室で質問攻めになった後。
いきなりだ。
警察の偉い人っぽい男性が俺の取調室に入って来て
「君たちの話を信じることにする」
そう言ってきたんだ。
男性曰く。
どーもリスリーが、世界宗教の有名な聖典の内容を茶化すような話で笑ったかららしい。
その他にも、異世界人でないとありえないようなリアクションをしたそうだ。
……まあ、日本人だとピンとこないけど。
聖典って宗教では絶対のもので。
焼き捨てたせいで大量殺戮が起きたりするわけで。
その内容を茶化しているのに、笑うなんて無いよな。
……でも、えげつないやり方で確認するよな。
他の宗教の聖典の内容を茶化すなんて。
警察……警察なのかな?
ひょっとしたら公安ってやつかもしれない。
あと。
これは重要なことだけど。
こっちの世界に来て、俺たちは魔法を使えなくなった。
俺に関してはスキルも消えた。
覚悟していたことだけど、そのせいでかなりはっきりした。
ソウジはこっちに帰って来るのは危ない。
死ぬ確率がかなり高いと思う。
そして。
警察での聞き取りが一通り終わり、かなり自由に動けるようになった後。
すぐに俺はリスリーと一緒に、ソウジの家に連絡を取って、親御さんに会いに行った。
ソウジの親御さんには辛いことを伝えなければいけないから。
ソウジの家は俺の家からそこそこ離れてて。
母さんがリスリーが妊婦だからと車で送ってくれて
「ソウジくんの御両親に失礼のないようにしなさい」
そう、車を降りるときに言われ。
俺は無言で頷いた。
去っていく俺の家の車を見送り。
振り返る。
ソウジの家は俺の家の数倍立派な家だった。
庭は俺の家の倍の広さがあるし、そこに小さいながらも池があり。
そこで、鯉を飼っている。
親父さん、腕利きの弁護士だもんな……。
俺はその事実をしみじみと噛み締め。
深呼吸をし。
意を決して門の『正井』の表札の下のインターホンのボタンを押した。




