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異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第8章:下剋上

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第131話 暴力無効の弱点

「一体どうしてって表情(カオ)してるよね?」


 ゴワケは唇の端を歪めながら言った。

 倒れたままピクリとも動けない大谷さんに。


 ゴワケは自分の左手の指を示す。

 そこに指輪が嵌っていた。


 あれはダンジョンアイテムの……火炎の指輪?

 そうじゃないのか……?


 分からなかった。

 この状況と火炎は結び付かない。


 そのとき


 俺の脳裏に、豆一族との戦いで、コバルが麻痺状態に追い込まれたときのことが過った。

 そう言えば……


 あそこで使われたのは指輪のダンジョンアイテムで。

 名前は『麻痺の指輪』




 ダンジョンアイテム名:麻痺の指輪

 効果:嵌めて念じることで1日に一定回数、射程圏内の任意の1点を中心に麻痺効果のあるガスを発生させられる指輪。


 指輪の効果について:麻痺効果、効果範囲、射程、回数は調整できる。

 通常では効果範囲は射程3メートル。効果範囲直径1メートル、回数1日5回。

 いずれかの数値を下げることで、麻痺効果、射程、効果範囲、回数を調整可能。




 ……確かこんな感じだった。


 まさかあれ、麻痺の指輪なのか……?

 ゴワケの指輪なんて興味無かったからちゃんと見ていなくて。

 気づかなかった……!


 自分の迂闊さに俺は後悔した。

 完全に無警戒で、侮っていた。


 そんな俺の前で


「ほーんと、調子くれやがってドブスの分際でッ」


 そう言いつつ、、ゴワケは倒れた大谷さんの頭に自分の足を乗せた。

 攻撃になるとスキル「暴力無効」の効果で弾かれるからか、ゆっくりだったが。


 でも、その足でぐりぐりと踏みにじる。

 そして本当に楽しそうに


「動けないでしょ? 声も出せないでしょ? ……当然だよね。麻痺の指輪の効果をフルブッパで使ったんだし!」


 クククッ、と含み笑いを交えつつ話す。

 自分たちがどう知恵を絞ったのか。


「あのブタ共の集落に攻め込んだとき、トウジが麻痺ったのがヒントだったのよ」


 あのときか……!

 俺の脳裏にコバルの奴が豆一族の男たちの反撃で、一時期窮地に陥った。

 あのときの様子が蘇った。


 あのときにこいつら……


「麻痺攻撃なら、トウジのスキルが役に立たない」


「そしてトウジのスキルもアンタのスキルも、根本部分が同じでしょ?」


「じゃあ……毒は有効なんじゃ無いかって」


 そこに気づいたのか!?

 大谷さんの暴力無効も同じように対象外かもしれないって。


 それで……行動を起こしたって言うのか……!


 ゴワケはサディスティックな笑みを浮かべつつ、言う。


「アンタが想定していたのは、食べ物に毒を入れられることだけで、こっちは想定してなかったよね!?」


 ……その通りだ。

 大谷さんは暗殺を恐れてはいたけど、恐れていたのは主に毒物を食べさせられること。

 毒ガスを浴びせられることは考えていなかった。


 ましてやこんな、戦場では無い状況じゃ……

 それは無防備だったと言っていいと思う。


 そんな盲点を突いた、恐ろしい一撃だった。


 ゴワケは笑み崩れた顔で叫ぶ。


「声を出せなきゃ魔法も使えまいッ! ざまあみろッ! ぶっ殺してやるッ!」


 ……ゴワケ。

 顔は綺麗なのに、なんて醜いんだ。


 そのときのゴワケの笑みは、見れたもんじゃなかった。

 化け物の笑みだった。


 そして叫び終えた後。

 ゴワケは自分のセーラー服のスカーフを外す。


 俺はそれが理解できなくて


(それでどうするつもりだ……?)


 そう思った。


 だけどその答えは


「今から、これでお前に首吊りをさせてやるから……!」


 すぐに明らかになった。


 首吊り……!


 それはおそらく、暴力無効の対象外……!

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