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異世界にクラス転移で召喚された男子高校生、目の前で親友を殺されたため召喚者国家に反逆す  作者: XX
第7章:連鎖呪法

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第117話 ゴワケとコバルは

「でやああああっ!」


 ゴワケは火炎を使わなかった。

 俺には一瞬それが理解できなかったが


(ひょっとして、コバルが巻き添えになることを恐れてるのか……?)


 自分はコバルに雑魚扱いされていないかもしれないから、火炎を撒く指輪の力を使えばコバルが巻き添えになる可能性がある。

 だから使えない。

 そういうことなんだろうか……?


 火炎の指輪の火炎放射ナシでのゴワケの攻撃。

 幸いそれは、モノが狂戦士の斧であるので無視はできなかった。

 ゴワケの一撃を受けた豆一族の男たちは緊張感の伴った顔でそれから逃げる。


 ゴワケの筋力はただの女子レベルのものだけど、狂戦士の斧は馬鹿でかく、受け止めようとすると防御ごと潰されてしまうからな。


 ゴワケの狂戦士の斧の薙ぎ払いを避けて豆一族たちが散っていった。

 散りながら、ゴワケに向けて矢や火炎の雨を降らせる。


 それをその身に浴びながら


「そんなもん効かないんだよカス共ッ!」


 ゴワケは吠える。

 そこに嘲りは無くて。


 ただ、怒りだけがあるように思えた。


 飛んで来て身体に突き刺さった矢を引き抜き、直撃した魔法の炎で燃え上がる身体もそのままに。

 ゴワケは麻痺毒で動けないコバルを庇う位置から動かない。


「リ、リン子ッ」


 苦し気なコバルの声に


「トウジ、心配無いからッ!」


 ゴワケが返した声には


 迷いが一切無かったんだ。


「アンタに貰ったものに守られてるからッ!」


 アンタに貰ったもの……


 コバルとの間に出来た子供の命か。

 言ってることは外道そのもの。


 ……だけど。



 そのとき俺は


 こいつらを「外道」と断じることに何故か躊躇いを感じた。


 ゴワケのスキルは無限に有効なわけじゃない。

 吸収した受精卵の命が枯渇したらその時点で終了だ。


 だけどゴワケは一切動こうとしなかった。

 コバルを庇うことを止めなかったんだ。



 その光景を見て俺は。


 一瞬、こう思った。



 ――こいつら、ろくでなしだけど。

 互いを大切に思う気持ちだけは嘘が無いのか。



(助けなければ)



 俺は今、こいつらと同じミッションを与えられて、クリアを要求されてる。

 だからこの状況は、放置しておいていい問題じゃない。


 こいつらは嫌いだが、それとこれとは話は別だ。


 だけど……


(そこまで大切な誰かがいるなら、どうして他人にもっと優しく振る舞えないんだッ!)


 俺は2人を攻撃する豆一族を倒すべく飛び出しながら心で叫んだ。

 そのときだった。


 突然大きな声が轟いた。


天からの怒り(ゴッドレイジブラスト)!」



 同時に突如、激しい閃光と轟音が響き渡り。


 少し離れた山の斜面に大爆発が起きたんだ。


 その爆発で、その場に居る全員の動きが停止した。

 爆発で吹っ飛んだ山の土が周囲に降り注ぐ。


 そして数瞬後。

 誰かが空を見上げる。



 そこには……



「……降伏なさい。勝ち目は無いわ」


 冷たい目をして豪奢なローブを羽織った小柄なセーラー服少女……大谷さんが宙に浮いていて。



 降伏勧告。


 そしてそのまま


 高らかに。


「焼き尽くせ! 神の雷!」


「降臨せよ太陽の炎! 灼熱の戦車!」


 そして大きな金属音と共にエコーの掛かった声で。

 大谷さんの周りに浮かび上がる無数の魔法陣。

 風が巻き起こり、はためくローブ。


 ――極大魔法の魔法詠唱。


 それが意味することは



 詠唱が終わるまでに降伏しないと皆殺しにする。



 その意図はすぐに伝わったらしい。



「わ、分かったッ! やめてくれッ!」



 豆一族の1人……ひげ面で、一番体格が立派な男が武器を捨ててその場に手をついて頭を下げたんだ。

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