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天使の反乱~地上編~  作者: ますっす
目覚めの章
11/12

護衛と監視

想造祭四日目。

想造祭の最終日である。

四日目となると、地元の人々は祭りにも飽き始め、旅行者だらけになってきている。


SOEF本部八階、情報管制室。

そこでは、真理の想造力により街全体の監視が行える。

複数のモニターが置かれ、街中の情報が映し出されている。

集めた情報をモニターに映し出すことで、脳に流れる情報を少なくできるのだそうだ。

想造力で集めた、脳では処理しきれない程の情報を機械に渡すことで、処理している。

覚醒者を探すだけならば、街中に仕掛けられたセンサーだけで事足りるそうだ。

センサーだけならば、脳だけで処理ができる。

だが、映像も映し出して監視しているのは理由があった。

そう、波崎(なみざき)(あめ)の発見である。

姿を現そうものなら、直々に相手をしに行くと母が意気込んでいた。

街中の映像を映すほどの監視はエネルギーの消費が激しいらしく、ポテチとコーラを片手に監視していた。

何も知らない人から見たら、休日に映画を見てダラダラと過ごしているおばさんである。

おばさんという、年齢でも見た目でもないか。

崖っぷちギリギリで「おねえさん」の称号にしがみついている。

こんなことを本人に言ったら、怒るでもしかるでもなく、悲しむだろう。


「美容には高校の時からずっと気を遣って…ぴちぴちのお肌を永続させようって…思って…ぐすっ…」


みたいな感じで泣き出してしまいそうだ。

私は鬼ではないのでそんなことは言わない。


で、私は何をしているのかというと。

私は護衛をしていた。

護衛と言っても、守るというよりは監視に近い。

それは、リリスとエルの護衛もとい監視。

さらに正確に言えば、エルの監視と、その他の人間の護衛である。

リリスの家はすぐに分かった。

国家権力の力である。

それはとんでもない大きさの屋敷であった。

場所は神明町の南。

神明川沿いで、昨日リリスと会った場所から下流、西に行った場所であった。

ちなみに、リリスの両親には連絡済みである。

リリスの両親はどちらも大企業のお偉いさんらしい。

二人とも自分の会社を複数持っており、一年の半分以上を海外で過ごしているらしい。

ほとんど家には帰ってこれないほど忙しいそうだ。

今日も二人は海外にいる。

両親には警察に坂元家への放火予告が届いたので、家の周りに警察を配置すると伝えてある。

実際に、警察消防も数名出動し家の周りを見張っている。

帰っては来れなかったが、リリスの両親にリリスに対する愛情がないということはなく、リリスの身を案じて自費で警備員を数十名雇ったそうだ。

本当はリリスをホテルへ避難させるつもりだったようだが、「坂元家の人間を燃やす」と予告に書かれていたので返って四日目。

想造祭の最終日である。

四日目となると、地元の人々は祭りにも飽き始め、旅行者だらけになってきている。


SOEF本部八階、情報管制室。

そこでは、真理の想造力により街全体の監視が行える。

複数のモニターが置かれ、街中の情報が映し出されている。

集めた情報をモニターに映し出すことで、脳に流れる情報を少なくできるのだそうだ。

想造力で集めた、脳では処理しきれない程の情報を機械に渡すことで、処理している。

覚醒者を探すだけならば、街中に仕掛けられたセンサーだけで事足りるそうだ。

センサーだけならば、脳だけで処理ができる。

だが、映像も映し出して監視しているのは理由があった。

そう、波崎(なみざき)(あめ)の発見である。

姿を現そうものなら、直々に相手をしに行くと母が意気込んでいた。

街中の映像を映すほどの監視はエネルギーの消費が激しいらしく、ポテチとコーラを片手に監視していた。

何も知らない人から見たら、休日に映画を見てダラダラと過ごしているおばさんである。

おばさんという、年齢でも見た目でもないか。

崖っぷちギリギリで「おねえさん」の称号にしがみついている。

こんなことを本人に言ったら、怒るでもしかるでもなく、悲しむだろう。


「美容には高校の時からずっと気を遣って…ぴちぴちのお肌を永続させようって…思って…ぐすっ…」


みたいな感じで泣き出してしまいそうだ。

私は鬼ではないのでそんなことは言わない。


で、私は何をしているのかというと。

私は護衛をしていた。

護衛と言っても、守るというよりは監視に近い。

それは、リリスとエルの護衛もとい監視。

さらに正確に言えば、エルの監視と、その他の人間の護衛である。

リリスの家はすぐに分かった。

国家権力の力である。

それはとんでもない大きさの屋敷であった。

場所は神明町の南。

神明川沿いで、昨日リリスと会った場所から下流、西に行った場所であった。

ちなみに、リリスの両親には連絡済みである。

リリスの両親はどちらも大企業のお偉いさんらしい。

二人とも自分の会社を複数持っており、一年の半分以上を海外で過ごしているらしい。

ほとんど家には帰ってこれないほど忙しいそうだ。

今日も二人は海外にいる。

両親には警察に坂元家への放火予告が届いたので、家の周りに警察を配置すると伝えてある。

実際に、警察消防も数名出動し家の周りを見張っている。

帰っては来れなかったが、リリスの両親にリリスに対する愛情がないということはなく、リリスの身を案じて自費で警備員を数十名雇ったそうだ。

本当はリリスをホテルへ避難させるつもりだったようだが、「坂元家の人間を燃やす」と予告に書かれていたので却って危険だ、と説得し自宅で護衛をすることになった。

私は、リリスの一番傍で護衛をすることになった。

どうやって周りを説得したのかと疑問に思われるかもしれないが、


「SOEF所属の下級隊員、鹿島天菜です。本日は真理隊長より、坂元リリス様の警護を任されました。」


と言っただけですぐに通してもらえた。

すぐと言っても本当は、上に確認するとか言ってしばらく待たされたが。

警察でも上の人間はSOEFの存在を知っているのだろう。

流石に想造力などは知らないと思うが、軍の組織であることは知られているのだろう。

軍の存在自体は一般にも知られている。

想造力を持たない普通の人間も所属しているのだ。

想造力を持った人間は軍団に配属され、それ以外は陸海空軍に分けられる。

陸海空軍が日本の表向きの軍事力だ。


話がずれた。

そんなこんなで警備網の内側に入ることができた私は、リリスとお茶会をしている。

流石、お嬢様は客人のもてなし方が違う。

母もお嬢様口調ではあるのだが、どうもお嬢様とは思えない。

いや、長年一緒にいたから、イメージが崩壊しているだけかもしれないが。


リリスの家は豪邸という言葉がピッタリであった。

三階建てで中庭付き。

一階は宴会用の長いテーブルが置かれた洋風の部屋、そして大きなキッチンがあった。

他にも、応接間のような来客用の部屋が二つ。

一階は生活ともてなし用の階だろう。

二階は家族用の個人部屋があった。

部屋の数は五つだが、一つは空き部屋だそうだ。

二階は家族用の階だろう。

三階には坂元家に仕えるメイド、執事達の部屋であった。

東と西で壁で区切られ、男性は東、女性は西側に住んでいた。

東と西を行き来するには、二階を通るしかない仕組みである。

三階は使用人用の階だろう。


で、リリスの部屋は二階の真ん中の部屋であった。

にしても、この広い家の中心に一人ね…

メイドと執事は三人ずつ、料理人は五人ほどいるそうだが、それでもこの豪邸に住む人数としては少ない。

寂しいだろう。

今でも十分に。

この上、エルまでいなくなってしまったら、リリスは本当に一人になってしまう。

使用人たちもリリスを、寂しいだろうに可哀想、と同情はしているようだった。

だが、それだけだ。

所詮、雇われの身。

与えられた仕事、給料以上のことはしたくない。

面倒ごとには関わりたくない。

悲しいが、それが普通の人間の感情だろう。

そんな理由からも、リリスとエルを離させたくはない。


「鹿島さん。おやつはいかがかしら?」

「あっ、いただきます。」


おやつも高そうだ。

チョコレートだが、見たことのない印がついている。

ブランドチョコ、という奴だろう。

美味しい。


「あの、こんなことを聞いていいのか分からないのだけれど、あえて聞いておくわ。あなた一体何者なのかしら?ただの女子高生ではないでしょう?」

「えぇ、そうですね。何者か、と問われると難しいですが。」


リリスに正体がバレるのは構わないと考えている。

むしろ、エルを保護するためにはバレないといけない。

正体をバラす=リリスとエルを引き離す、ということになる。


「ところで、エルちゃんはどちらに?」

「ああ、あの子ならきっとまだ部屋で寝てますわ。会いに行きます?」

「そうですね。万が一火災になった時、エルちゃんだけ見逃すわけにはいきませんから。」


そういうと、私たちは立ち上がった。

と、その前に。

残ったチョコを急いで食べる。

こんな高価なチョコ、今後一生食べる機会はないからね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


エルの部屋は二階の隅っこにあった。

リリスの部屋と同じくらい、いやそれ以上に広い部屋だった。

雨でも、ここで走り回れるようにであろう。

床は柔らかいマット素材が敷かれていた。


「エル。起きてたの。ほら、いらっしゃい。」

「ワン!」


すぐにエルが寄ってくる。

試してみようか。

エルに弱い思考の”加速”を施す。

動きに変化はない。

想造力を持っていなければ、会話の速度が上がったり移動が速くなったりする。


「グルルルル…」


睨まれた。


「あら、どうしたのエル?そんな怖い声出して。」

「あはは、私、あまり動物に好かれない体質なんですよ。」


これは確定だな。

エルは想造力を持っている。

何ができるのかは分からないが。


「今日一日は外に出るなって言われてるのよ。お散歩には行けないわ。ごめんなさいね。」

「くうぅぅん…」

「リリスさんが謝ることじゃないですよ。」


そう。悪いのは犯人。

つまり、私だもの。


「うふふ。そうね。ありがとう、鹿島さん。」


いつ、エルの事について話すべきか。

リリスからは一生恨まれること間違いなし。

今のところ、エルは暴走しそうな気配はない。

もう少し様子を見よう。


「エルも護衛対象なんですよ。」

「あら?そうなの?」

「ええ、私の護衛対象はリリスさんとエルの二名です。」


そう言って、エルの頭を撫でる。

ふかふかだぁ。


「ああ、使用人は護衛対象として認定されていませんが、もちろん守りますよ。」

「使用人たちよりもエルのほうが護衛優先順位が高いのは、驚きだわ。」

「そうですよね。そこも色々あるんですよ。」


エルを連れてリリスの部屋に戻ろう。

エルの部屋の扉を閉め、廊下に出る。

相変わらず静かな廊下だ。

エルも大人しくついてきてくれている。

いやーかわいいなぁ。

普段は猫派だが、今だけ犬派になってしまいそうだ。

リリスの部屋の扉もエルが開けてくれた。


「ところで、鹿島さん?そろそろ、ここに来た本当の意味を教えてもらえるかしら。」


リリスは椅子に座るなり、そう聞いてきた。

エルが関わっているというのは、リリスもおかしいと感じたのだろう。

私も座ってリリスの問いに答えることにする。


「…分かりました。信じられる話ではないと思いますが、聞いていただけると幸いです。」


そう言うと、私は説明を開始した。

まずは想造力、エルのことについての説明を開始した。

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