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心からネコを信じなさい〜眠る前の優しい物語〜  作者: 地野千塩


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天に宝をたくわえなさい

 11月11日は、ヘアドネーションの日だ。ヘアドネーションとは、直訳すると髪の毛の寄付。病気などで髪の毛を失った人へ寄付をする事で、取り組んでいる美容院も多い。


 1がいっぱい並ぶこの日は、髪の毛にも見えるという事で記念日になったという。だからというわけでは無いが、野中翔太は二年ぶりに髪の毛をこの日に切りにいった。


 小学四年生から髪の毛を伸ばし、かなり長くなった。


 翔太はクリスチャンで、牧師から「天に宝をたくわえなさい」という話を効いた。お金や自分のためではなく、神様や隣人のために何かする事だ。翔太はこの話に感動し、祈った後、ヘアドネーションの事を知り、即実行した。ヘアドネーションをやっている子供も多くいるようで刺激を受ける。子供でも出来る事で、誰かの役に立てるのが嬉しい。


「正直、今の姿はホラー女優みたいねえ。髪の毛は天使みたいに綺麗だけど……」


 美容師に長い髪の毛をちょっと怖がられた。学校では悪口を言われたり、クリスチャンである事も馬鹿にされたが、今日で長い髪の毛ともお別れだ。それはちょっと寂しかったりもする。


 聖書で髪の毛は、神様が一本残らず数えているという話もある。そう思うと、余計寂しくなるが。


「はあ、さっぱりした……」


 短い髪の毛は、やっぱりスッキリし、首のあたりがスースーする。


 今のところ、こんな事をしても誰も褒めて貰っていない。家族にもシャンプーやリンスが減ると怒られたし、牧師にも何も言われていない。クラスメイトからは悪口を言われる。美容師にも引かれた。


 それでも神様に褒めて貰えればそれでOKなのだ。翔太は誇らしげに美容院を後にしていた。


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