再開と記憶
見られた。人間に見られた、この姿をこの行為を。なら、殺さなければならない。あの時いなかった人間だろう。俺は剣を向けた。「尚くん...尚くんだよね!?高橋尚治君だよね!?...よかった...あい...」「黙れ...!その名で呼ぶな!」「よかった...本当に会いたかった...」「うるさい!お前もあっち側だろ!!今裁きを下し俺の復讐を終わらせる...!!」「復讐...そっか...私のせいだね...」彼女は俺が剣を向けているにもかかわらず俺に近づいてくる。「来るな...!」「私が...あのときもっと強く出れていれば...!」「今さら遅い!し...」俺が剣を振るうより早く彼女は泣きながら抱きついてきた。「私がもっと強ければ!私に勇気があれば君を救えたのに!誰よりも大好きな君を...!なのに私は同情されたときに言い返せなかった...!!なんて私は弱いんだろう...大切な人を救えないなんて...君を救えたのは私だけだった!もっと早く気付けば...!君が全部真実を話してくれたのに...!本当にごめんね...いくら謝っても足りないけど...ごめんね...ごめん...!」
そうか、彼女だけは僕を助けようとしてくれたのか。彼女は僕にとっても大切な人。僕もきっと誰よりも好きだったんだろう。この姿になってから嫌だった人間時代の記憶しか出てこなかった。ただ...彼女との思い出だけは良かったと思えた。再開して分かった。彼女は僕が忘れられない...忘れられなかった大事な人。忘れられなかったその名前を僕は呼んだ。
「...未来...ありがとう」僕らは強く抱きしめ合った。これが幸せと思えた唯一のことだった。
しかしーーーーー
非情にもーーーーー
自分の意思と関係なく呪いの刃は彼女を貫いた。




