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精霊の森の白銀の姫  作者: ノラール
界渡り
4/7

精霊神シルヴェリア

 二人に連れられて向かった先には

色とりどりの植物に囲まれた

八角錐の屋根の白いガゼボが建っていた。


そこで紅茶を楽しんでいる少女を見て

健太は息を飲んだ。

その少女は自分と似た色合いの

白銀の髪を持ち透明感のある白い肌が

見えたからだ。


白いデイドレスを着た少女のとなりには

ヴィクトリア風のメイド服を着た

金色に輝く髪の少女が健太を見たあと。

礼儀正しく礼をしてきた。


直後にこの領域の主人であろう

少女が健太を見つけ、彼女もまた

薄紫のアメジストのような瞳を向けて

驚いていた。


健太が驚いたのは美しさだけではない。

しの少女の周りには沢山の光が楽しそうに

漂っていた。


するとルドルグが肩から健太を降ろし

地面に立たせた。


すると白銀の少女が口を開く

『ようこそ。私の名はシルヴェリア。

歓迎します。少しお話をしましょう。

ここに客人は滅多にこないもので

退屈なのです。』

と言いつつ微笑んだ。


健太もすかさず挨拶を行う。

『始めまして。森城健太と申します。

気づいたらあちらの雑木林で寝てました。

色々わからないことばかりで混乱してます。

よろしくお願いします。』

と言って頭下げた。

そしてそのまま地面に倒れてしまった。


するとシルヴェリアの隣のメイドが

口を開く

『シルヴェリア様の前で頭が高いと

思っていましたが、中々礼をわかっているではないですか。ちょっとだけ好感度が上がりましたよ。』といって微笑んだ。


クララがすかさず

『やっば、少年うけるんですけどー。

そしてアリス、本気か冗談かよくわからん。

アハハハハ』


ルドルグは相変わらずクククと

笑うだけだった。


『ルドルグ拘束を解いてあげて。

それだけ精霊に好かれている彼が

悪い人だとは思えないわ。フフ』


『かしこまりましたシルヴェリア様』

そう言ってルドルグは健太の拘束を解いた。


『さて、森城様。

本来ならお客様をテーブルに誘うべき

なのでしょうが、

訳あって男性が少し苦手なので

この距離で失礼させてください。』

そう言って、シルヴェリアは頭を下げる。


健太もすぐ正座で姿勢を正し

『こちらこそ突然迷い込んですみません』

頭を下げた

『そこまでかしこまらなくていいですよ。

それでは、

あなたのここに来るまでの状況を

教えて貰えますか?

何かわかるかもしれません』


『はい、僕は地球という星に住んでいた人間です。住んでいたと言っても幼いころから

ついさっきまでずっと病室で寝たきりだったのですけど…。それで向こうで高熱で具合が悪くなってとにかく寝ようとしたんですが、気づいたら

こちらにきていました。』


この場にいた全員が真剣に聞いている。


『これってよくある異世界転移かなぁ

って思ってたのですが、向こうの世界に帰る方法とかありますか?今頃病院も大騒ぎしてるでしょうし。両親も心配してると思うのです。』


それを聞いてこの場の全員がなんとも言えない

雰囲気を醸し出した。

シルヴェリアが口を開く


『森城様、まず我々は地球という星を

存じ上げません。

他の神なら知ってる方も

いるかもしれませんが今のところ

はっきりと帰れるとは言えません。


そして、ここからが大事なことなのですが

取り乱さないようにしてお聞き下さい。


まず、森城様の今のお身体ですが、

肉体がないことはわかっておられますか?

いま、ここにあるのは森城様の

魂だけの状態です。


つまり、森城さまの肉体は

地球にそのまま残っているのではと

思うのです。』


『え?そうなんですか?身体を触った感覚はあるのですが…

それで肉体と魂が離れた状態だと

ダメなんですか?』


『ええ、そうですね。よい状態とは言えません。

森城様、失礼を承知でお聞きしますが、

あちらの世界で亡くなられてるのではありませんか??』


健太は衝撃を受けた。


『僕はもう死んでいる??』


『はい、亡くなった上で魂だけが

界渡りをしてこちらに来たのが

森城様ではないかと思うのです。』


健太は思考する。

(ふむ、あり得るのか?…あり得るな。

こちらに来る前は今までの比ではないくらい

目眩とかやばかったしな…あのままポックリ

って感じか…あり得るわ)


『なるほど、わかりました。

心当たりはありすぎます。

両親にお別れを言えなかったことが

残念ですけど。どうにもなりませんもんね。

それで相談なのですが、これから僕は

どうしたらいいのでしょうか?』


『行く所がないのでしたら

ここに残ればいいのではないですか?

それだけ精霊達に愛されているのです。

この地は森城様に合ってるのだと

思いますよ?』


『確かにここに来てから身体の調子はいいですね。ていうかやっぱり、このフワフワ飛んでるのが精霊なんですね?初めてみました。

子供みたいでかわいいですね。』


『地球には精霊がいなかったのですか!?』


『え?精霊どころか魔法とかもありませんよ?

こちらでルドルグさんのを見てびっくりしましたから。』


『なるほど…それだけの霊子を精霊にも

渡さずに溜め込み続けたのですか…

それが原因で肉体が崩壊したのかも…

半神の一歩手前くらいでしょうか?

いや、でもしかし…』


シルヴェリアはブツブツと考え込んでいる


『森城様は霊子という言葉はご存知でしょうか?あと、魔力や魔素などは?』


『霊子は聞いたことありません。

魔力、魔素という言葉は聞いたことはありますが、実際に認識したことはありません。』


『なるほど、わかりました。

私は説明が上手ではないので

うまく伝わるかわかりませんがお聞き下さい。

魔力、魔素の言葉は解ると

おっしゃいましたね?

魔力や魔素には属性というものがあります。

火属性、水属性などですね。解りますか?』


『はい』


『魔力や魔素が属性に変換される前の

物質が霊子です。

霊子には属性がありません。

この霊子という物質は大変珍しい物質です。

この世界のすべての物質は属性が宿ります。

例外が霊子です。


その霊子が宿るだろうと言われているのが

私や、森城様などの白い子達です。

動物などにも極稀にいますよね。


霊子を持つものは神格化しやすいのではないかというのが私の持論です。

例が少なすぎてはっきりと言えないですが、

霊子を持つこと、不老になること、

あと何かしらの条件を満たすのだと思います。


あ、属性持ちでも神格化はしますよ?


えっと、属性魔力持ちの方は

魔力は温存すればどんどん貯まります。

わかりますか?』


『はい』


『それは私達の霊子も同じです。

使わなければどんどん増えます。

そして増えすぎて限界になれば、

体調不良も起きるでしょう。

発熱や、目眩などです。』


『なるほど、地球での僕ですね』


『そうです。しかし、

こちらの世界にいるかぎり

増えすぎによる体調不良はないのではないかと思います。』


『なぜですか?』


『精霊がいるからです。』


『精霊たちの食事は同じ属性の魔素です。

魔素は大気中に舞ってる物質です。

そして霊子もです。

霊子はデザートのようなものらしいです。

美味しいらしいです。

精霊は魔力は生成できますが、

霊子は生成できません。


そこで溜まりすぎる前に

精霊に霊子を提供する代わりに

魔法を提供してもらうのです。

それが精霊魔法です。』


『あ、説明の順番が悪かったです。

ごめんなさい。

まず私達霊子を持つものは、

属性を持ちませんので

属性魔法を行使できません。

火魔法や、水魔法ですね。

我々霊子持ちが魔法を行使したければ、

精霊魔法しかないという感じですね。』


『はい、凄くわかりやすかったです。

ありがとうございます先生。』


『せ、先生…?

…なかなかいい響きですね。

気に入りました。


折角、精霊界に来たのです。

この機会に精霊魔法を習得してみては

いかがですか?』


『是非、お願いしたいです。

向こうの世界にいるときから

ずっと魔法を使うことが夢だったんです。

燃えてきました。』


『フフフ。頑張って下さい。

今日はもうお疲れでしょう。

夜まで休憩なさってください。

今夜は歓迎の宴を開きましょう。


皆さん準備をおねがいします。』


『『『ハイ!』』』


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