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虚無の地平線  作者: 白雪銀髪
一章-地平線の彼方から-力皇編
11/16

開幕 最強を冠するは、力皇

-序章終了-

-宮殿-

時間にして、ルカの合宿が決まった日の夜である


宮殿を囲む森で、蠢く影が、3つ

夜の闇に紛れて木々の影から影へと伝い、宮殿へと進む

ふと、動きが止まる


影は、平面から立体へ

人の形へと変わっていく


影魔法【影隠れ】


風と土と雷属性からなる、自分を影へ沈める魔法

影と影が繋がっていれば、好き移動ができる


影から湧き出た三人の男

賊、である


「...」


先頭の男が、手首を曲げ宮殿の頂上を指差す

二人の男は同意を表し頷く


「...行くぞ」


だが、声を出した事が災いを呼んだ


「...はっ、三人も賊の侵入を許すとは、鍛え方が足りなかったようだなぁ」


一番後ろの男が声のする方へ振り向く

一瞬、その男の頭が、陽炎のように揺らめき

...血と肉の塊になって、吹き飛ぶ

体は、立ったままの状態で

一つの人影が脇を通りすぎた後にただの肉塊となり飛び散る


その間、2秒

残りの二人は、仲間が惨殺されたのにも関わらず動揺せず

一人は魔法の発動準備

一人は闇から現れた人影へ加速魔法で接近している


仕事慣れしている事を伺える冷静な判断に、闇の中で不適に笑むその人影は、拳を突きだし


空気を揺らし、木々を揺らし

その拳の延長線上で急接近してくる男を粉々に吹き飛ばす

飛び散った血は偶然か、魔法を発動しようとしている男の目に入り

男は瞬きをしてしまう


男の体は刹那の時で放たれた【標的】の5発の拳撃で原型を崩し

その後に来る、【衝撃波】で完全に肉塊に成り代わる


残された頭で、その標的を認識した男は

少し遅い、絶望に包まれ

闇に溶け込むように血だけを残して消えた


其処に残ったのは、血と肉と闇と吹き抜ける風の音

その中央に立つは

賊の標的である、ユグドラの【王女】


そして、熟練の三人の賊をたった4秒で葬った力と

その引き締まった筋肉と、日に焼けた褐色の肌、揺らめき輝く金髪と豊満な胸から溢れる美しさは

その王女が最強に連なる【力皇】アルデバランである事を表している


「レオノール·アルデバラン王女様へ伝達!裏門に襲撃を行った賊は力皇騎士団総隊長シリウス·ヴァーレンハイト様により撃退されました!」


力皇は、宮殿方面から走ってきた力皇直属の騎士団の兵士から告げられた報告を聞くと、ため息を付きながら口を開く


「この程度の雑魚賊相手に撃退しか出来んのかあいつは...それにいつも言ってるだろう、私を王女と呼ぶな」


「申し訳ありません!」


兵士は勢い良く頭を下げ


「...総隊長と各部隊の隊長をいつもの会議室へ呼べ、賊に対する報告とお前らの不甲斐なさを叱ってやる」


「は、はっ!了解いたしましたぁ!」


と言って勢い良く頭を上げた


「あと、ここら一帯の掃除は任せた」


そう言い残し力皇は宮殿の最上階にある、自室へ

一つ跳躍する

さらに空中でもう一度【跳躍】


地面から宮殿の最上階までは50mを越えている

その異常な動きは、強化魔法や加速魔法等ではなく

力皇自身の筋力と、それを強化する天性の才能、神々の加護が成せる技だ


力皇が最強である理由として、虚無魔法【神々の加護】の力が1/3を占めている

力皇は生まれたときから、再生、筋力増大、筋肉強化、肉体硬化、勝利の運命、魔法無効etc

これだけでも1/10にも満たないほど、神々からの加護を受け持った、神々に愛された天才なのである

だが、その力も、使える肉体と技量が無ければ宝の持ち腐れである

力皇の最強の理由の2/3は、10年に至る鍛練と60年に渡る戦いの経験なのである


だが、今年で【80】歳になる力皇も人間である

肉体的限界は無きに等しくも、精神を回復する手段は限られてくる

力皇は趣味で、道場を開いている

日に日に強くなる弟子達の姿を見て力皇は、過去のまだ弱かった自分に重ね、過ぎ去った思い出を思い出している

最近、その弟子の一人が王都に来ているという報告があった

そして、その弟子から近日中に道場に来るという知らせを受けた

ついでに一人の客人付きだ


力皇は内心ワクワクしていた

今まで教えていた弟子の中で一番付き合いが長かった弟子だ

他の世界へ修行しに行ってから一度も連絡が無かった

どれだけ強くなっているか...少し楽しみだった


「...私も平和ボケしてきたようだな...酒でも買いに行くか」


その感情を隠すように独り言を呟く


力皇は、いつも通りの準備をして

窓から、跳ぶ

夜空に浮かぶ満月を背景に、空気を蹴り、目的の場所へと向かう

満月の光を反射して煌めく金髪は、空に金色の軌跡を残した


その頃、力皇に呼ばれた騎士団隊長達は、力皇が帰還するまで一睡もしなかった

というより、これ以上怒られたら何されるか、予想がついているため

無理にでも寝れなかった


ちなみに、その後力皇が会議室へ来ることは無かった

-一章開始-

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