とある忘れ去られた神話
すべての始まりは二人の神。
姿を持たない二人はそのうち、自分たちの作った人の姿を持つことにした。
黒い髪の年若い娘の姿をした夜と夜明けを司る神。
人と獣、二つの姿を持つ昼と黄昏をつかさどる神。
夜明けは時間に干渉し、黄昏は空間に干渉する。
二人は対の女神だった。
神が作った人という存在は、すべてがすべて神の子供。
なればその身体には神の血が流れている。しかし二人の神はその血の力を封印した。
強大な神の力は人には重すぎる。と。
それでも時折、神の血を覚醒させた人もいた。
神はそんな人を集めて一族とし、夜明けの神の血を覚醒させた子は世界の存在を支える柱という役割を持ち、黄昏の神の血を覚醒させた子は歪む世界を直す役割を与えられた。
ゆえに“夜明けの子供達”と“調律師”
共通点は女神と同じ黄金色の目。神の力に反応するとても美しい神の瞳。
人の欲望と概念。そして神の持つ強大な力から、神という存在は絶対的に強大で、残酷なまでに平等。世界に干渉することは好まない。世界に生きるものなど取るに足らない。ゆえに、干渉しない。
そんな存在でなければならなかった。
ならばと、黄昏は神というものをやめ、世界に干渉した。
彼女は人を間近で見守ってやりたかった。
神と呼ばれなくなった彼女はそのうち“統括者”と呼ばれた。
夜明けは自らが最初に姿を得た世界の神として、様々な世界をつなぐ世界樹の傍に、世界樹に宿る騎士とともに存在した。
彼女は神が唯一干渉の許されたその世界で人を見守り、干渉した。
神と統括者と神の子供達は、世界をつなぐ樹を通じて世界を渡り歩く……・・・。




