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長編は書くのも読むのも大変なので詩を書くことにした。  作者: ゆくかわ天然水


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0024.欲しいものはなんですか #02

扉の向こうは春の風 

まだ肌寒さは残るけど 暖かい日の光に草木の匂い


来月はきみの誕生日 今年こそはなにか贈りたい と思ってはいるけれど

女の子へのプレゼントというものは 男にとってはいつだって大問題

しかもぼくにとっては初体験 まったく感覚がつかめない


映画や小説で見るような ありきたりかもしれないけれど

そんなものが無難でいいのだろうか? だけどそれだと手抜きと思われる?


誕生日になにが欲しいのか 本人に直接聞いてみる? 

だけどこれは初めての贈りもの そこはやっぱりサプライズにしたい

ただ言われたものを買って渡すなんて まるでお使いしているだけじゃないか

それとは気づかれないように きみの欲しいものを探りたいのが


あれこれ悩んで3ヶ月 冬が春になってしまった もうそろそろ決めないと

一人で考えてもわからないのなら やっぱりそれとなく本人に 直接聞いてみようか



最寄り駅までの通学路 広い公園を抜けていく

待ち合わせをしているわけでもないけれど いつもここできみと一緒になる

着ている上着が春っぽくなって 手袋ももういらない

いつものように きみの隣に並んで歩く


たとえばの話として 

誰かに誕生日の贈り物をするとしたら この時期だったらなにがいいだろう

なんとなくそんな話を 切り出してみる


誰かって誰よときみが聞くので 同い年の女の子を想定していることにして

遠回しにきみの好みとか趣味とかを 他の人のことのように話していく


いぶかしげに聞くきみは 月並みの提案しかできないよ なんて言う

きみが欲しいものを率直に 言ってくれたらそれでいいんだけど


それでその子はぼくの何なのかと 直球で聞かれてしまって

それは正直には言えないので もにょもにょごまかしては見たけれど

さすがにこれはばれてしまったかもしれない それならそれで別にいいけどね



早咲きの桜がもうすでに色づいて 青い空を背景に濃いピンク色の花びらが鮮やかに映えている 

幼なじみのきみと一緒に 毎年これを見ながら歩くのが楽しみなのだけど

なんてことを きみに言ったらどんな顔をするだろう


だけどきみはなぜか 不機嫌になっているようにも見えるのだが

はっきり言ってはいないけれど これはきみへの贈り物の話 

それなのに 別に欲しくないのだろうか 渡して拒否されたらどうしよう


そんな不安はきっと 気にしなくていいはずだと

きみのちょっと拗ねたような横顔を 見て思う

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