15話 リヴァイア・アクア・スイドラゴン
これまでのあらすじ
名が無い虫人族の少年と獣人族のヒデリは、ウォーターシティの第3王子を捕らえようと目論んでいた。
しかし計画は失敗。
万事休すかと思われたその時、美しく飾られた神輿から声が聞こえたのであった…。
15話 リヴァイア・アクア・スイドラゴン
「この者らと話がしたい、席を外してくれまいか」
「し、しかしですね…!」
「余の命令が聞けないのか」
食い下がる兵士を、鋭い目付きと共に黙らせた。
「アクア様は頑固者、こうなった以上は…好きなだけやらせてあげましょう」
兵士の1人がそう言った。
「…感謝する」
「しかしこれは余の我儘。余、自らがこの者らと場所を変えるとしよう」
「お好きに」
先ほどの兵士がそう話す。
他の兵士も頭をかいたり、どうしようかと考えている様だが止めるつもりは無さそうだった。
第3王子は僕とヒデリの耳元で
「行くぞ、提案がある」
と囁いた。
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「ここまで来れば大丈夫だろうか」
第3王子、アクアが辺りを見渡しながらそう話した。
「あんた、何のつもり…」
ヒデリがそう言うと
「先程は部下がすまない、これを」
アクアは1つの薬品のような物をヒデリに渡した。
「ハイポーションだ、飲めば傷が癒えるだろう」
ヒデリは受け取った薬品を怪しそうに眺めてから、一気に飲み干した。
「うむ、これで次第に良くなるだろう」
アクアはそう微笑んだ。
「僕たちに回復薬を渡して大丈夫なの?第3王子なのに…」
僕は尋ねた。すると
「大丈夫、では無いだろうな」
アクアはそう言った。
「故に…提案がある…余と」
「いや、俺と…」
僕とヒデリは提案の内容を予想していた。
「俺の奴隷になれ」とか「見せしめにしてやる」だの酷い事を言われるものとばかり思っていた。
だからアクアの発する言葉に驚いた。
「この国を抜け出さないか」
リヴァイア・アクア・スイドラゴンは
一世一代の賭けを2人に投げかけた。




