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12話 海中の虫

ここから先、この作品に今後も登場するキャラクター達の始まりを書いていきます。

ウォーターシティ

それは人間族、魚人族が手を取り合い暮らしている多種族共生国家だ。例外を除いては。

両種族は今からおよそ60年前から交流関係にあった。ウォーターシティでは、同じ海中の国に住まう仲間として怒り、笑い、喜びを分かち合い暮らしていた。

例外を除いては。

この例外に当たるのが、この作品もう一つの主人公。

名も無き「海中の虫」である。


12話 海中の虫


ウォーターシティには人間族、魚人族が主に暮らしているが、虫人族や獣人族も少数暮らしている。

虫人族と獣人族は例外に当たる。

ウォーターシティにおける例外への待遇は極めて悪かった。不当な賃金で働かされたり、理不尽な出来事は

日常的だった。



その中の1人、親も無く名前も無い虫人族の少年は、空腹に耐えながらよろよろと歩いていた。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「お腹が、空いたよ…。誰か食べ物を…」


僕は座り込み、街を見渡す。

幸せそうな魚人族の親子。楽しそうに遊ぶ人間族の子どもたち。賑やかな老夫婦。

その誰もが僕に見向きもせずに日常を謳歌していた。


「いたっ!」


座っているところを人間族の男に蹴られてしまった。


「ご、ごめんなさ…」


「チッ、靴が汚れた」


謝ろうとしたが、酷い言葉を浴びせられてしまった。泣きはしなかった。

いくら泣いても、誰も助けてくれない事は知っていたから。


「…帰ろ」


帰る家は無いが、僕は歩き始めた。


「あんた!ちょっと来て!」


人の声が聞こえた。

声の聞こえた方向を見ると、路地から手をクイックイッと手招きしているのが見えた。


今度は一体なんだろうか。

少年は手が見えている路地に向かう事にした。

路地に近づくと、体をガシッと掴まれて路地裏に引きずりこまれた。


手招きをしていたのは獣人族の女の子だった。

女の子は自分と同じく、服はぼろぼろで汚れていたが「綺麗だな」と思った。


「うちの顔に何かついてる?」


女の子は不思議そうに僕を覗き込んだ。

身長は彼女の方が高いようだ。


「綺麗だなって思って」


僕はそういった。


「な、な…」


女の子は少しずつ赤くなっていった。


「なにいってるにゃ!初対面の女の子にー!!」


僕は思いっきり殴られた。


「あ…」


「ごめーん!」


女の子は理性を取り戻し、僕に謝ってくれた。

それから僕たちは路地裏に座って話し始めた。


「うちヒデリ!貴方の名前は?」


「僕は名前が分からないんだ」


「そっか」


会話が途切れてしまった。僕は慌てて


「ヒデリちゃんは僕に何か用があったの?」


と質問した。


「あぁ!そうそう!」


ヒデリちゃんは目をキラキラさせて1枚の紙を取り出した。

「魚人族が王『リヴァイア・アーサー・スイドラゴン』の息子であり第3王子『リヴァイア・アクア・スイドラゴン』が虫獣街に現れる兆しあり。人質にせよ、手段は問わない」


紙にはそう書いてあり、


「捕まえた者には褒美が出るんだって!でも1人じゃ不安で…だから」


女の子は僕の手を握り、こう話した。


「うちと一緒に行かない!?第3王子狩り!!」

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