10話 水魔法使いユキさん
前回までのあらすじ
神光国レンポルトで荒ぶる民を抑えた宇蔵と鈴。
ここで得られる手掛かりはもう無いだろうと考えた2人は息子の情報を求めて、新たな旅に出発しようとしていた。
10話 水魔法使いユキさん
「宇蔵さん、鈴さん!どうかお元気で!」
ルナが見送りに来てくれていた。
他にもポンタやワニーノ。
街で出会った皆が俺たちの出発を聞きつけて集まってくれていた。
「武雪さんはこの国を旅立った後。水の都「ウォーターシティ」に向かったとされています。そこに行けば何か見つかるかもしれません」
ポンタはそう話しながら、小包を渡してくれた。
「これは?」
「私の店のテイクアウトです。ウォーターシティまでは歩きだと少しかかります。ぜひ食べてください」
「わしは味にはうるさいからのぅ!」
「ば、婆さん…」
ワハハハハ!
俺たちのやりとりを見て、皆が笑った。
「へへっ、それじゃあ…行ってくる!」
俺と鈴は皆に手を振りながら、神光国レンポルトを出発したのだった。
「神光国レンポルト」→→「ポンプ平原」New!
神光国レンポルトを出た。
今俺たちが歩いているのはポンプ平原と言うらしい。
平原にはレンガで作られた道が敷かれていて、俺たち年寄りには、とてもありがたかった。
人通りも割と多く、数十分に一度人とすれ違った。
「爺ちゃん、ウォーターシティ…ってのはどんなとこなんじゃろうか」
「そりゃあ水がたくさんあるんじゃろう」
「なんだか旅行みたいで楽しいのぅ!」
婆さんはそう言って笑った。
「そうだな」
俺も少し笑ってそう言った。
そして歩いて2時間ほど経った頃だろうか。
俺たちは道の傍で横たわっている人を見つけた。
俺たちは急いで駆け寄って
「大丈夫か!?」
と体をさすった。
「あ…」
よく見ると、俺と同じくらいのお爺さんだった。
「あ、あ…」
言葉もろくに話せていない。
これは一大事か、と思ったその時
「あ、足腰が…」
と声が聞こえたのだった。
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婆さんにヒールをかけてもらいながら倒れていたお爺さんは話した。
「ありがとう、もう大丈夫」
そう言ってスッと立ち上がり
「ワシは水魔法使いユキ!助けてくれてありがとう!感謝の印としてワシの究極奥義を見せてやろう!」
「究極奥義!!じゃと!?」
「ふっ…」
水魔法使いユキは小さく笑った後、懐から杖を取り出した。
「水よ来たれ…水よ来たれ…これが我1分の力」
段々と空気が震えていく。
「ウォータースフィア!」
小さな水の球体が、俺たちの目の前に現れた。
「どうだい、この…究極…奥義…」
バタッ!
力を使い果たしたのだろうか。
ユキさんは倒れた。
「えー…」
俺と鈴の声が空にこぼれ落ちた。




