9話 婆さん、回復魔法を覚える
前回までのあらすじ
神光国レンポルトに辿り着いた宇蔵と鈴は、シスターのルナ、裏通りに住むワニーノ達と共に暴走した人々とタイガーフレイムを捕らえることに成功したのだった。
9話 婆さん、回復魔法を覚える
「鈴さん、本当に大丈夫ですか…?」
「おぅ!痛みも火傷もありゃせんわい!それより…」
婆さんは心配するルナの耳元で
「爺ちゃんにかけてた魔法をわしにも教えてくれんかのぅ?」
と言った。
「え、私の魔法ですか?そう簡単に出来るものじゃないですけど…」
ルナは少し考えた後
「やるだけやってみましょうか!」
そう言って、鈴とルナは練習を始めた。
婆さんの好奇心はいつでも凄いものだな。俺がそう考えていると
「宇蔵さん、彼らはいったい?」
ポンタがワニーノ達を見ながらそう話した。
「あいつらは裏通りの…たしかワニーノ。あとはその仲間だろうな」
「ワニーノ、と言っていたな」
ワニーノのは俺の言葉にビクッと体を震わせた。
「なんだよ…また文句でも言いにきたのか」
下を向いてそう言うワニーノ。
「この前の言葉は…悪かった。すまない」
そう言って俺は頭を下げる。
「ど、どうしたんだよ!いきなり!顔をあげてくれ!」
ワニーノは慌てた様子だった。そして
「実はさ、あんたに感謝してるんだ。あんたの言葉で目が覚めたって言うか…真面目に生きていこう!って気持ちになれたんだ!」
と話してくれた。
「仕事を紹介してくれそうなルナさんを探してたら悲鳴が聞こえて」
「悲鳴が聞こえた場所に着いたら、あなた達がいて驚きましたよ…。まぁでも皆無事で良かった」
ワニーノの傍にいた2人。ボイルとレンジもそう話した。
「兄貴、ルナが心配で顔面蒼白っしたもんね!」
「ばかっ!!それは言うんじゃねぇ!」
「照れてる…」
ワニーノ、ボイル、レンジはとても仲が良さそうで見ていて心が温かくなった。
「なんと…」
ポンタが呟き、
「なんと素晴らしい男たちだろうか!」
感動していた。
「皆さん、ぜひうちの店で働きませんか!私はあなた達のような気持ちのいい人材を探していたのです!」
「俺たちで、いいんですか…?」
「えぇ!勿論ですとも!」
「やった…!やったぞお前ら!!」
「うおおおお!!」
「嬉しいっす!」
ワニーノ達の職場がポンタキッチンに決まった。
全く縁とは不思議なものだ。
俺はそう思ったのだった。
「出来た!!」
「嘘!?本当にできてる!」
その頃、婆さんは数分で回復魔法ヒールを覚えていた。ルナが言うには回復魔法ヒールを数分で覚える人は見たことがないと言う。
「これで肩こりを癒すんじゃ〜!」
婆さんの言葉が俺の印象に残った。




