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第6話 討伐


そして、晩。

只今俺は、橘先輩が部屋に来るのを待っている。


「おせぇ……」

『そうだなぁ』

「つーか、一人の時はいいけど、勝手に喋んなよ」

『分かってる』

「また……」


その時、ドアをノックされた。


「やっとか……」

「ごめんよー、少し遅れちゃった」


ドアを開けると、橘先輩と凛花が立っていた。


「いやぁ、凛花ちゃんの準備に時間がね」

「準備?」

「うん、準備。彼女の力は物がないといけないからね。それを集めてたのさ」

「ごめん、時間かかっちゃって。でも、いいの?私達の仲間になるって」

「あ、あぁ。まぁ、理由はまた話す」

「分かった」

「じゃ、早速行こうか」


こうして、俺達は昨日の廃工場に行くことになった。

その道中、俺は今日の仕事の基本を教わった。


「まず、僕が雑魚を呼び出すから、陸君と凛花ちゃんで中にいる母体を叩く」

「はい」

「わかりました。けど、先輩一人で大丈夫なんですか?」

「大丈夫だよ。あの程度の奴らに後れを取るなんてことは無いから」

「すごい自信ですね……」

《ま、それだけ強いんだろ》

「うーん、そうかもな」

「神也、どうしたの?」

「いや」


まぁ、実際に着いたら分かることだ。

そうこうしている内に、廃工場に着いた。


《着くの、早くね?》

(大人の事情だ)


そんな馬鹿な事をしてると、先輩が一歩前に出た。


「さ、打ち合わせ通りやるよ」

「はい」

「了解っす」


先輩は腕をまくり上げた。


「カテーナ!!」


先輩がそう言うと、腕に刺青が現れた。


「さぁ、行ってきなさい」


先輩の足元から鎖が大量に、廃工場に向かって伸びて行った。

しばらくすると、トイフェル達が出て来た。


「さ、二人は今のうちに」


そう言っている間にも、先輩の鎖は次々にトイフェル達を貫いて行っている。


「つ、つえぇ」

「神也、行くよ!!」

「お、おう!!」


廃工場の中は、ほこりっぽく薄暗かった。


「どこにいる?」

「……わかんない」

《あそこだ》

「どこだ?」

《あっちの柱の向こう側だ》

「よし、行くぞ」

「え?」

「こっちだ」


俺は凛花の手を引いて、ゼンの言う通りに動いた。

そこには、今までのトイフェルとはまったく違う風貌をした奴がいた。


「う、鱗か?」

「なんだか、アルマジロみたい……」

「ウ、ウゥゥゥ、ウガァァァァ!!」


俺達の存在に気が付いたのか、ソイツは咆哮を上げた。


「とりあえず、やるぞ!!」

「うん!!」


凛花は腰のポーチから、五寸釘を取り出し槍に変えて構えた。


「お前のその力って何?」

「棒状の物なら、なんでも槍に変えれる力だよ」

「限定的な力だな」

「そうでもないよ。使い勝手はいいから、気に入ってるよ」


そう言ってる間にも、アルマジロはこちらに向かってにじり寄って来ている。


「俺も……」

《強く念じろ。今のお前には、刀しか出せない。刀をイメージするんだ》

「……頼む、来てくれ……」


目を閉じ、一度出した刀をイメージする。

すると、手に重みを感じた。


「よし!!」

《まずは、正眼に構えろ》


俺は言われた通り、刀を構えた。

凛花が槍を投擲した。それが開幕の合図だった。

凛花が投擲した槍は、アルマジロの顔に正確に飛んで行った。

だが、突き刺さることなく、弾かれた。


「固い!!」

「ウガァァァァア!!」


それで逆上したアルマジロは、ダッシュして突っ込んできた。


「くっそ!!」


俺は凛花を突き飛ばし、アルマジロを避けた。

だが、アルマジロが激突した衝撃で、凛花を突き飛ばした方向で、何かが崩れる音がした。


「凛花!!」

「大丈夫!!でも、瓦礫のせいで、そっちに行けない!!」

《ここは、オレと神也でなんとかするしかない》

「凛花は、そこで待ってろ!!すぐ片づけるから」


俺は、再び刀を正眼に構えた。


《いいか、神也。お前は素人だ。幸い、相手の動きは鈍い。一撃必殺だ。それを狙え》

「わかった」

《チャンスは一度だ。関節を狙え》


その瞬間、アルマジロは俺に向かって突進してきた。


「ウガァァァァァア!!」

「く!?」


ギリギリで避けることができ、アルマジロの首の関節に刀を振り下ろした。


「でりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「グギャァァァァ!?」


手ごたえはあった。これで……


《まだだ、バカヤロウ!!》

「え?」

「ギャァァァア!!」


ブンッ!!


「ぐはっ!?」


俺はアルマジロの腕に吹き飛ばされた。

そして、壁に打ち付けられてしまった。


「く……そ」

《おい!!大丈夫か!?》

「マジ……かよ」


俺の目には、アルマジロが突進してきてるのが映った。


「な、んか……デジャブ……」

《おい!!》


そして、俺の意識は闇に沈んで行った。


『おいおい、またかよ!!』


オレは咄嗟に右に転がった。

すると、オレがさっきまでいた場所にアルマジロが突っ込んだ。


『はぁ、面倒くさいな』

「グゥゥゥゥ!!」

『δςθγξ』

「ギャウゥゥ!?」


オレは久々に呪文を唱え、アルマジロを魔力の縄で拘束した。


『さぁて、さっさと死んでくれよ?……εκλνη』

「ギャァァァァァ!!」


魔力の縄を燃やし、アルマジロを劫火に包んだ。


「陸君!!凛花ちゃん!!大丈夫かい!?」

『あぁ、橘か』

「陸君……かい?」

『コイツは、もう死ぬから。後は、任せ、る……』


 ドサッ!!


「陸君!?」

「橘先輩!!何があったんです!?」

「あ、あぁ。後で話すよ。とりあえず、帰ろう」


――《オレも外に出れる時間を長くしねぇとな……神也は特訓すれば何とかなるはずだ……》



魔術の呪文には、ギリシャ文字を使いました。

それらしく見えるのでw

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