第2話 新しい日常
今日は、大上高校の入学式である。
ここ最近、俺がした事と言えば。
・凛花の部屋の掃除(定期的に)
・凛花の飯(三食)
・荷解き
・周辺の道を覚える(1人で)
ざっとこんなもの。
飯の時だけ凛花は俺の部屋に来るようになってしまった。
「よー、神也。朝ごはんを食べに来たぞー」
「声を大にして言える事じゃねぇぞ、それ」
「細かいことはいいんだよ」
現に、今朝も俺の部屋に来ていた。
「たまには自分で作れよ」
「むーりー」
「努力しろよ」
「えー」
「いつまでも俺に頼るな」
「ちょ、なにそれ!!私がダメ人間みたいじゃん」
「みたいじゃなくて、そうなんだよ」
「なん……だと……っ!!」
まぁ、文句言いながらも作ってやってる俺も、大概だが。
「さっさと食えよ。初日から遅刻はしたくねぇ」
「分かってるよ」
飯を食って終えた後、凛花は自分の部屋へ。
俺は後片付け&着替え。
数分後、俺達は一緒に大上高校に向かったのだった。
向かう道中、俺は前から気になっていた事を聞いた。
「あのアパートって、他に誰かいんの?」
「いるよ。けど、誰とも会わなかったでしょ」
「そうなんだよな」
何故か凛花以外の人とは、まったく会わなかった。
「夜型の人が多いのよ」
「夜型?」
「夜に仕事する人」
「なるほど」
なんとなく想像はつく。
ホストとか、ホステスとかかな?
「ま、よっぽどのことが無い限り、知り合うことは無いと思う」
「そうか」
「それより、もう着くよ」
「おお、見えてきた」
目に映ったのは、デカい校舎に柵。
さらに広いグラウンド。
「……なんか漫画の中の学校みたいだな」
「それは、私も思った」
俺の隣で凛花は苦笑している。
「ここが俺の学び舎か」
「俺の、じゃなくて皆のね」
「んな事、わかってる」
「さ、バカやってないでさっさと行こ」
そして、俺達は仰々しい校門を並んでくぐったのだった。
『えー、我が大上高校に入学してくださった、生徒の皆様。……』
校長らしき人が、ダラダラと喋ってる。
「ふぁぁぁぁ……」
自然とあくびが出てしまう。
「ふぁぁぁぁ……」
「豪快なあくびだな。少しは隠そうぜ?」
「ん?」
隣にいた男子生徒が話しかけてきた。
「わりぃが、隠す気はねぇよ。つまらんものはつまらんのだから」
「いいねぇ、そういうの。気に入った!!俺は春川純一だ」
「俺は陸神也だ」
「陸って、変わってんな」
「よく言われる」
「そこの2人、静かにしなさい」
「ちっ、叱られちまった」
「ま、後でまた話そうぜ」
「おう」
春川といつの間にか、仲良くなってしまった。
『……で、ありまして、えー……』
まだ、続いているのか。
「ふぁぁぁぁ……」
あくびが出るのは、自然の摂理である。
そう思おう。
ようやく、体育館から解放され、俺は自分のクラスである1-3に入ったのだった。
「おーい、陸!!」
突然後ろから声を掛けられた。
振り返ると、春川がいた。
「お、春川か」
「よかった、覚えててもらえたか」
「あったりまえだろ。お前、面白そうだし」
「喜んでいいのだろうか、その理由」
「で、どうした?」
「いや、終わった瞬間出て行ったから」
「だって、自由に出て行っていいって、言ってたから」
「そう言われて、さっさと出て行ったのって、陸だけだぞ」
「そうだったか?」
「あぁ」
俺達は自分の席に着いた。
そこで気が付いたんだが、俺達は隣同士。
五十音順にしたら、たまたまこんな奴と隣同士になってしまったのか。
「ちょ、なんか失礼な事考えなかったか?」
「いや、気のせいだ」
コイツ、できる……!!
そんなことをしてると、凛花がこちらに向かってきた。
「神也、昼は?」
「は?今日は午前だけだろ?」
「そうじゃなくて、昼のメニュー」
「あぁ、そっちね。炒飯かな」
「おっけー」
それだけを確認しに来たのか、コイツは。
ちなみに、凛花とは同じクラスである。
「なな、陸。誰、あの可愛い子」
「可愛い子?誰だソレ?」
その瞬間、俺の頬を何かが掠めて飛んで行った。
俺の頬からは血が軽く出ており、頬を伝っているのが分かる。
「……」
凛花の方を見ると、無言でこちらを睨んでいた。
ただし、目は語っていた。
『コロスゾ』
と。
「ふっ……」
「ど、どうした?」
「俺、下校したら親に手紙を送るんだ……」
「ちょ、何その死亡フラグっぽいもの!?」
「ま、気にするな」
「切り替え早いな」
「こうでもなきゃ、生きておれん」
「そ、そうか。で、さっきの子は?」
「俺の幼馴染」
「へぇー、可愛いじゃん」
「そうか?……そう、だな……」
俺の首辺りに殺気を感じたので、同意しておいた。
「俺に紹介してくれよ」
「やめとけよ、……苦労すんぜ?」
俺は声を潜めて、春川に言ってやった。
「……どうして?」
「理由は言えんが、とりあえずやめとけよ」
「何をやめとくのかな?」
「ん?それは、春川が凛花と友達になること」
「ちょ、陸!!横、横!!」
「ん?」
春川に言われた通り横を見ると、そこには凛花(鬼)が立っていた。
「り、凛花?」
「コ、ロ、ス……」
「ちょ、ま、待て、ミギャァァァァァァァァァァ!!」
俺の悲鳴は校内全域に聞こえ渡ったとか。
連続投稿!!
やはり、短くなってしまった……




