21-07 挙国会議(1)――告発開始、暴かれ始める矛盾
フォルミオン第四皇子視点
挙国会議の当日。
帝室側は今上皇帝、皇太子、第三皇子が臨席していた。
元より陛下にこの会議に出席しないという選択肢は無かった。
それでも最後まで出席を渋っていたが、宮から出て来た時は、そんな素振りは全く見せなかった。
社交であればともかく、政治の場には妃達は表に出てこない。
代々の帝室は、妃や皇女達を政治の場から遠ざけているためだ。
全貴族総会側は、(宮廷爵位除く)爵位持ち全貴族の九割が出席。
遠方であったり、隣国との小競り合いで離れられない者達を除いては全員が出席している。
政府側も法務大臣と総務大臣、財務大臣が出席している。
宇宙軍も、統合本部長ガールス元帥、内務参謀長クララット大将が出席。
その後ろには、クーロイ占拠に関わった第七突撃部隊の前司令であるマグナス准将、現司令のヌジャーヒン准将と、他にも統合本部付きの幕僚が多く控えている。
全貴族総会側の代表として、ミツォタキス侯爵が立ち上がる。
「ここに、第一回挙国会議の開催を宣言する」
侯爵は、開催宣言の後、口上を続ける。
「本挙国会議の主旨は、帝国法の定めるところを超えて私的な活動を拡大し、それによって臣民へ多大な危害を加え続ける現帝室に対する弾劾である!
だが、我々は内乱を起こしたいわけではない。
そのために我等帝国貴族は、あくまで”帝国法の認める範疇”の中で意見を結集し、この挙国会議を動議するに至った」
私がこっそり視線を向けると、陛下は不機嫌そうに、皇太子殿下と第三皇子殿下は冷ややかにミツォタキス侯爵を見ていた。
「一つ。帝室はクーロイ星系を統治していたカルロス侯爵と、カルロス候を監査していたイデア=ラズロー中将を不当に罪に問い、拘束し、あまつさえ法を超えて帝室によるクーロイ星系の直接統治を目論んだこと」
これは、第七突撃部隊を組織してクーロイ星系を襲撃し、カルロス候とラズロー中将を拘束。
そして第四皇子……つまり私にクーロイ領主の地位を与えようとした事だ。
全貴族総会にて私は既に罷免されているが、私が更なる弾劾を受けても仕方のない事だろう。
「一つ。現帝室が法の定めるところを超えて私兵を抱え込み、その私兵により臣民に多大な危害を加えていること」
”クロップス宙賊団”の事を指しているのだろう。
宙賊団はかつて、スパニダス星系やクラターロ星系など、幾つもの星系に大きな被害を与えていた。
そして最近ではクセナキス星系や、商都の帝国第一放送を襲撃した。
「まずこの二点において、我々は現行帝国法を蔑ろにする帝室を弾劾する。
現帝室の所業についてはこれより詳らかにしていく」
「弾劾とは聞き捨てならん」
ここで、陛下が声を上げた。
「わざわざこのような”挙国会議”なる大層なものを開き、御臨席をと請われたから出てはみた。
だが帝室を弾劾する根拠などない」
「根拠はこれより、詳らかにしていく。
陛下はじめ帝室の方々だけでなく、帝国政府、宇宙軍統合本部の方々にもご確認頂こう。
まずは、カルロス候」
ミツォタキス侯爵の呼びかけに応じ、車椅子を従者に押されて一人の貴族が彼の側にやってくる。
あれは、カルロス侯爵だ。
「エミール・アレッサンドロ・カルロスである。
私は数か月前、クーロイ星系の3区コロニー……十七年前の天体衝突で犠牲になった者達の追悼式典に出席していた。
その最中に第七突撃部隊の襲撃を受け、3区コロニー下のデルタ採掘場から、戦略物資リオライトを横流しした罪に問われ拘束された」
その横に、貴族達の中からカルロス候の横に歩み寄る者が……あれは、ラズロー中将だ。
二人は、やはり貴族達によって救出されたのだ。
彼を目の敵にしていた私だが……。
帝室の欺瞞に気づいた今、彼を目にしても、不思議と以前のような敵意は湧き上がらない。
「私は、ヘンドリック・イデア=ラズローだ。
陛下から帝国軍特務中将に任じられ、カルロス候を内偵監査していた。
容疑はリオライトの横流しということだったが、調べてみても証拠は何一つ挙がらなかった。
だが、それをもって私も第七突撃部隊によって拘束された」
ラズロー中将は、淡々と語る。
「証拠隠滅とカルロス候との共謀という容疑だったが、証拠は何もない。
当然だ。カルロス候も私も、容疑にあるようなことなど何一つしていないのだからな」
二人が出てきて証言する様子を陛下は見つめながら、僅かに口元を歪ませた。
……グロスター、カエサリスの両宮廷伯が貴族達によって拘束されているのを、ようやく実感したのだろう。
「カルロス候。クーロイ星系の領主職を引き受けた理由は?」
「元々クーロイ星系は、宇宙軍の管理する資源採掘星系だった。当時は最低限の技術者が滞在するコロニーが三つ、採掘場の真上にあっただけだ。
だがその採掘場の一つ、デルタでリオライトが枯渇したのだ。理由は、宇宙軍の開示では”当初想定埋蔵量の算出間違い”だそうだ。
そしてその採掘場枯渇によって、宇宙軍が管理縮小したいと申し出た」
カルロス侯爵は、陛下を見据えながら語る。
「それを受けてクーロイに一般市民を入植させることが二十年前に決まった。
私の家が統治する星系クラターロ星系は、”クロップス宙賊団”の襲撃で大きく被害を受け、復興のための資金を必要としていた。
そのため、帝国政府からの復興資金援助を条件に打診されたのだ」
ミツォタキス侯爵の質問に、カルロス侯爵が答える。
クラターロ星系は、スパニダス星系に次いで宙賊団の被害額が大きかった。
しかも、後継者だったカルロス候の嫡男、および次男も亡くなったと聞く。
「イデア=ラズロー閣下。内偵の指示は誰から?」
「陛下から直接だ。カルロス候に物資横領の疑いがあると告げられ、調査を命じられた。
だがいくら調べても、カルロス候の横領の証拠どころか、不正な資金の流れも一切なかった。
証拠が一切挙がらなかったことを以て、共謀の疑いをかけられ拘束されたのだ」
今度はラズロー中将がミツォタキス侯爵の質問に答える。
ここで、ミツォタキス侯爵の視線がこちらを向く。
「フォルミオン殿下。
当時、第七突撃部隊を実質的に指揮していた殿下は、どうしてラズロー閣下とカルロス候を拘束したのですか」
私に質問が投げかけられると、陛下はこちらを睨んできた。
陛下の有利になるように答えろという無言の圧力だ。
だが、今の私には……それに無条件に応える理由は、もうない。
私は証言の為に、陛下の側を離れて議場に降りた。
「……証拠はあるからとにかく捕らえろと、当時私につけられていたグロスター宮廷伯を通じ陛下から指示があった」
――チッ、使えん奴め。
陛下の口から、そう小声が漏れるのが聞こえた。
「それは、確かに陛下からの指示でしたか」
「グロスターからはそう聞いたが、それを示す文書は無い。
私が直接その指示を聞いたわけでも無い」
ミツォタキス侯爵と私のやり取りを陛下は苦々しい顔で見ているが、何も口には出さなかった。
「ラズロー閣下とカルロス候を拘束して以降のことは」
「私自身は陛下によってクーロイの暫定領主に任じられたため、グロスターに任せていた。
だがそれからしばらくして、陛下の命で、二人はカエサリス宮廷伯に引き渡された。
宮廷伯の手によって、二人は帝都に移送されたと聞く。
その後は伯が二人をどこで拘束していたかは知らない」
私の答えに、ミツォタキス侯爵は頷いた。
「カエサリス宮廷伯にお二人の身柄が引き渡されて以降、我々は陛下に何度もお二人の解放を求めてきましたが、陛下は突っぱねましたな」
「……彼等を捕らえるべき罪状があり証拠がある、とグロスターやカエサリスが申し立てていたからな」
陛下は伝聞のように話す。あの二人に罪を被せるつもりか。
――陛下自身が弾劾されるのを避けるなら、それしかないだろう。
「捕らえられていたこのお二人を我々が救出したのは、帝都の北にある”保護森林”に隠された隔離施設だった。
そこで、グロスターとカエサリス、陛下の側近中の側近二人を捕らえている。
その施設についても、陛下は知らないと?」
「私の側近が、そのような不正な手段で二人を拘束していたとは、嘆かわしい。
二人にそのような跋扈を許した、私の不徳の部分もあるかも知れない」
ミツォタキス侯爵の言葉に、陛下は答える。
あくまで『自分は知らなかった』で通して、二人を切り捨てるつもりのようだ。
「陛下が関わっていないかどうかは、実際に二人に訊いてみよう」
ミツォタキス侯爵の合図で、腕を後ろに拘束された者が二人、近衛兵に連れられてくる。
グロスターとカエサリス、陛下の最側近の二人だ。
「まず、グロスター卿に問う。
クーロイに赴いた監察官に、イデア=ラズロー中将とカルロス侯爵の拘束を指示したのは貴兄との証言があったが、間違いないか」
「……事実だ」
ミツォタキス侯爵の質問に、グロスターは私に指示したことは認めた。
「第四皇子殿下は、それが陛下からの指示と貴兄から聞いたと証言しているが、事実か」
「事前に収集した証拠から、カルロス候の横流しとラズロー中将との結託は事実と判断し陛下に奏上した。
直接証拠ではないが、状況証拠としては十分だった。
それを以て、殿下に拘束を依頼したのは事実だ」
事前に収集?
「事前に収集した証拠とは、何だ」
「デルタ採掘場から、たびたび隕石型の物体が打ち上げられる様子が確認された。
クーロイ3区コロニーは十七年前の事故以来無人であり、デルタ採掘場も閉鎖されている。
そこから隕石型の物体で何かを運ぶとすれば、かつて採掘されていた戦略物資、リオライト以外に何がある」
その証拠を、カルロス侯爵を捕らえる根拠にしたのは確かだ。
……後付けでしかなかったが。
「隕石型コンテナを打ち上げる仕組みなど、関知していない。
となれば、それを成し得るのはカルロス侯爵以外あり得ない。
事実、第七突撃部隊がその物体を接収した際に、中にリオライトが格納されていたことも確認している」
グロスターの主張は、私が全貴族総会の場で話した主張と変わらない。
「ならばその主張を通すだけの証拠を、全貴族総会やその後も提出しなかったのは何故か」
「殿下と合わせて、副監査官に任じられた私の方で裏付け捜査を進めていたからだ。
殿下はクーロイ暫定領主の否決に合わせて陛下から監査官の解任があったが、私はまだ副監査官を解任されておらんからな」
グロスターは淡々と答える。
ミツォタキス侯爵は、今度はカエサリス宮廷伯の方を向く。
「カエサリス卿に問う。
イデア=ラズロー中将とカルロス侯爵をクーロイから護送後、監禁するよう指示したのは誰だ」
「……グロスター宮廷伯の管理する施設への収容を依頼したのは、私だ。
副監査官として調査中なのだから、当然だろう」
やはり、彼等は陛下を庇うか。
彼らを罪に問うことはできても、これだけでは、明確には陛下を糾弾できない。
それは、ミツォタキス侯爵の方もわかっているようだ。
「今の卿らの言い分は、記録しておく。
糾弾すべきことはまだ他にもあるから、今のところは置いておこう。
次は、つい先日……昨年末に『帝国年末歌謡祭』の放送中の帝都第一放送を襲撃した一団の件だ」
歌謡祭の終了間際に、建物を突き破って突入して来た一団か。
放送を見ていたが……映っていたのは、マクベス大佐の姿だった。
「あの時、首都星ダイダロスの外縁から突入してくる船団に対し、手出しするなと指令を発したのは、カエサリス卿であろう。
あれは陛下の命か?」
「いかにも。観測データを見る限り、クセナキス星系を襲撃した”クロップス宙賊団”と思われる一団に酷似していた。
私は陛下に奏上し、第一艦隊や防空隊らに大きな被害が出ないよう指令を出した」
クセナキス星系の襲撃事件……。
私が監察官を解任され、帝都へ戻っている間にそのような事があったことは、ミルヌイから聞いた。
聞く限り、あれは……マクベス大佐達の事だろう。
確かな証拠は無いので、私の口からは言えないのだが。
「”クロップス宙賊団”といえば、二十年前の件以来……総力を挙げるべき第一級警戒対象のはずだが」
「宙域には、商都宇宙港へ入港待ちの艦船が多数待機していた。
下手に戦闘をして、巻き込まれてもいけないだろう。
クセナキス星系では、それなりに大きな被害が出たと聞いている」
ミツォタキス侯爵の質問に対するカエサリス宮廷伯の回答は、筋が通っていないことは無い。
仮にそれが本当だとして、対処として正しかったのかというのはあるが。
「そうだな……クセナキス星系では、民間人が一人、クロップス宙賊団に攫われている。
時に、グロスター卿。
イデア=ラズロー中将やカルロス侯爵を拘束していた保護森林内の施設。
……どうして、クセナキス星系で宙賊団に攫われた民間人が、あそこに監禁されていたのかね」
ミツォタキス侯爵のこの質問には……グロスターの顔色が、明らかに変わった。
しばらく待っても、グロスターは答えない。
マクベス大佐は結局、強引な手段で3区の会事務局長を確保したのか。
その彼女が、保護森林に捕らえられていたということは……。
マクベス大佐率いる”クロップス宙賊団”が、グロスター達と繋がっている証拠になる。
グロスターは、黙秘するしかないのだろう。
トッド侯爵が立ち上がる。
「クセナキス星系で攫われたその人物……ケイト・エインズフェロー女史は、第七突撃部隊がクーロイ星系での式典に突入した時、被害者家族団体の事務局長をしていた人物だ。
第七突撃部隊による式典突入の際に拘束され、違法な取り調べを受けていた所を近衛隊が保護した」
女史の取調べを指示したのは私だ。
3区の逃亡者の行方を知っている可能性のある、唯一の人物だったからだ。
私はあの逃亡者たちが、不法流民あるいは宙賊の可能性が高いとグロスターに聞いていた。
だが今思えば……グロスターがどうして逃亡者達の行方に拘っていたのか、不明確なままだ。
「その後クーロイから護送しようとした途端に謎の集団から襲撃を受けた。
幸いこの集団は、近衛隊によって拘束され、女史は無事だった」
これは、マクベス大佐が配下を率いて襲撃した件だ。
返り討ちに遭って、残っていた連隊の連中の大半が拘束された。
「その後、彼女がクセナキス星系にある実家に帰った時に、クロップス宙賊団を名乗る集団の襲撃を受け、攫われた。
その際に当家の者に送られた脅迫状が、これだ」
彼の合図で、議場の大スクリーンに脅迫状の内容が映し出される。
『使節団と共に、3区の逃亡者達がこの星系に来ているのは分かっている。
メグ(マーガレット)
グンター・シュナウザー
セイン・ラフォルシュ
ライト・ヤシマ
以上四名を、三日後に下記の場所へ連れてこい。
ケイト・エインズフェローの身柄は、彼等の身柄、そして彼らの船と交換だ。
土地勘が無い彼等の引率者は、一名のみ許可する。』
「”クロップス宙賊団”に攫われたエインズフェロー女史が、どうしてイデア=ラズロー中将やカルロス侯爵と同じ所に監禁されていたのかね。
宙賊団が、君達の回し者だという証拠ではないのか。
違うというなら、納得のいく説明をしてもらおうか」
「……黙秘する」
グロスターは、証言を拒んだ。
彼には、それしか選択肢がないのだから。
するとトッド侯爵は、今度はカエサリスの方を向く。
「カエサリス卿。
イデア=ラズロー中将やカルロス侯爵の身柄を引き取るのと一緒に、クーロイで襲撃を行い拘束された犯罪者も帝都へ移送していったな」
「ああ。彼らの身柄は、今もって北極刑務所にあるが」
カエサリスの回答に、トッド侯爵は首を振る。
「確かに、拘束した時点で彼等に着けた犯罪者IDタグの位置情報は、北極刑務所にある。
だが……彼等に着けた”もう一つの追跡タグ”は、クセナキス星系を襲撃したその”クロップス宙賊団”の中にあった。
カエサリス卿。どうして卿が移送し刑務所に拘束されている筈の彼らが、宙賊団の中にいるのだね」
トッド侯爵の質問に、カエサリスの目が見開かれる。
「ばかな。別人の見間違いではないのか」
「そうか。では、こちらを見て頂こうか」
そうして、トッド侯爵の合図で大スクリーンに映像が映し出される。
あれは見覚えがある……マクベス大佐の副官だ。
「この対象者は、バラク・カイエンを名乗っていた。
犯罪者IDタグは首に、そして追跡タグ……こちらは内臓に埋め込んでいた。
そして次の映像が……クセナキス星系にて、近衛隊の駐屯地を襲撃した一団の画像。
先頭で指示をしているこの男……AI解析により、99%、バラク・カイエンと同一人物だった。
しかも、埋め込んだ追跡タグの信号も一致している」
あの副官含め、マクベス大佐が連れて行った集団は……クーロイで女史を攫う作戦に失敗し、拘束された。
その後、あの一団はカエサリスが連れ去ったあと、そのままマクベス大佐に引き渡されたか。
「なっ……なんだ、その追跡タグというのは!」
「近衛隊で開発した、埋め込み型の追跡チップです。
技術的詳細はまだ明かしませんがね。
通常の犯罪者IDタグと比べて、スキャナーで見つけにくいとだけ言っておきます」
ビゲン大佐が説明する。
あの連隊が拘束された時に、そんなものを埋め込まれていたのか。
であれば……グロスターとマクベス大佐のつながりは、じきに明らかにされるだろう。
だが彼らを追跡する別の手段を、近衛が持っていたとは。
……この会議自体、全て全貴族総会の掌の上にあるのではないかという気さえする。
あのマクベス大佐率いる荒くれ集団が、陛下の子飼いであることは、私は知っている。
それがあの”クロップス宙賊団”と同一かどうかは……。
そうだという直感はあるが、私にも確たる証拠はない。
「それで、なぜカエサリス卿が護送していった犯罪者たちが、このような集団にいるのだね?
先ほど、北極刑務所にいると卿は言ったがな」
「……黙秘する」
カエサリスも、証言を拒んだ。
説明できない矛盾を指摘され、カエサリスも証言を拒んだ。
「証言を拒まれたが、少なくとも二人の宮廷伯と、”クロップス宙賊団”を名乗る賊との関係は凡そ明らかになったとみていいだろう。
その北極刑務所は法務管轄であるから、一体その辺りがどうなっているのかは政府にも問い質したいが……」
「法務大臣として、経緯は必ず明らかにする」
帝国政府側にミツォタキス侯爵が目を向けると、法務大臣は調査を約束した。
「さて、ここでもう一人証人を呼びたい。
中将やカルロス侯爵を隔離していた施設で捕縛した、施設責任者と思われる人物だ」
ここで連行されてきたのは……初老といってもいい年代の、軍服を着た男。
「貴兄の名前、そして階級・職位は」
「……帝国宇宙軍第八情報部、クロイツ・ハーパーベルト准将だ」
あれは、グロスターの配下ではなかったか。
直接話したことは無いが、クーロイに居た時にグロスターが指示を出していたのを何度か見たことがある。
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