番外編①
完結してから
書こうかどうか悩んでいましたが
番外編を書くことにしました!
卒業後の愛奈たちを描いています。
何話か続くので、良かったら読んでみてください♪
「───愛奈。結婚しよう。」
うそ…。
今、何って言った…?
心結の言葉を確かめようと私は尋ねる。
「ね、ねえ…もう一度言って…?」
「ハハハッ!…あと一回しか言わないよ?愛奈───
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ
パチリと目が開く。
「…へ?」
目を開ければ見慣れた天井。
カーテンの間からは、薄く光が差している。
「…夢かぁ…。」
冷たくなった鼻先を擦りながら、重たい体を起こす。
「寒いよぉ…。」
手探りでリモコンを探し、暖房をつける。
私の名前は寺岡愛奈。
大学は2年前に卒業し、今は24歳。
一般企業に勤めている。
大学を卒業した後も、地元に戻るという選択はせず
通っていた大学の近くに新しく家を借りて、一人暮らしを続けている。
心結。柳田心結はどうしているかというと
大学院に行っている。
心理カウンセラーになりたいという夢を持った心結は
一生懸命勉学に励んでいる。
そんな私たちは、お互い忙しいという理由で
電話をする回数も会う回数も少しずつ減っていた。
このまま、自然消滅っていう事もあるのかな?
何となくそんな予感もしていた。
部屋も少し暖かくなった頃、着信音が鳴り響いた。
私は電話に飛びつく。
「…あれ?文香?」
久々の連絡に不思議に思いながら、通話ボタンを押す。
「もしもーし?久しぶりだね。」
『あ、愛奈~!!アンタ元気だった!?』
久しぶりに聞いた文香の声は、元気そうで安心した。
「元気だったよ!こんな朝からどうしたの?」
『いや、久々に琥珀の家に行こうと思っててね、その前にアンタの顔でも見とこうかな?って思ったのよ。』
「あ、永瀬くん!?まだ続いてたんだね!?」
『それ、失礼だから(笑)』
「ごめんごめん!!」
久しぶりの名前の連続に、私の口角は自然と上がっていく。
そっかー。
二人、まだ付き合ってたんだ!!
『とりあえず、今から愛奈の家行っても良い?』
「今から!?私、起きたばっかりだよ!?」
思わずベッドから、立ち上がる。
『アタシたちの仲じゃない!スッピンなんて関係ないわよー!!部屋汚くても気にしないし。』
「部屋は綺麗にはしてるけど…。まあ良いか!」
『じゃあ、ドア開けてー!』
「…はい?」
その言葉に、私は恐る恐る玄関へと向かう。
そして、穴から外を見る。
『今、覗き穴から見てるんでしょ?早く開けてよ。』
「えええええええっ!?」
私は驚きの声を上げて、素早く文香を招き入れた。
「───ねえ?そろそろクリスマスじゃない?」
文香は部屋に入るなり、キラキラした目でそう言った。
「あー、そういえば、そうだったね。」
私の反応が面白くなかったのか、顔をしかめる文香。
「アンタいつからそんなに冷たい人間になったの?」
「え?文香の影響じゃないかな?(笑)」
私が冗談でそう言うと、頭をベシッと叩かれてしまった。
「ねえ、もしかしてだけどさ…柳田と別れたの?」
「…え?」
痛いところをつかれてしまい、私は苦笑いをするしかない。
「…別れたって訳じゃないけど…何かこのまま自然消滅しそうなんだよね。」
私はそう言ってため息をつく。
「はあ?何それ、どういうこと?」
キッと睨まれ、私は萎縮してしまう。
久しぶりの説教モード突入かな…?
「何ヵ月か前まではね、必ず週末にはどちらかの家に行ってたんだ。
でも、お互いに忙しくなってきて、だんだんと連絡をする回数も会う事も少なくなってきたの。
最近本当に連絡取ってないから、このまま自然消滅しちゃうのかもなぁって思ってね。」
私が、遠くを見ながらしみじみと話していると
「はあ?信じられない。」
不機嫌な文香の声が響いた。
「なら、さっさと別れなさいよ。もう連絡も取らないくらいなんだから、どうでも良いんでしょ?」
文香は、そう言うと荷物を持って立ち上がった。
「ちょ、もう帰るの!?」
「当たり前でしょ?これ以上話してても時間の無駄。」
そう言って、玄関に向かって歩き始める。
私は慌てて文香を追いかけた。
「待って待って!!文香の話は聞いてないよ!!」
私の言葉にピタリと足を止める文香。
「…文香何かあるの?」
「…プロポーズされたのよ。」
「…へっ!?」
「アタシ、今日返事出して琥珀と結婚しようと思ってる。」
ボソボソと呟いた文香に私は思いきり抱きついた。
「ちょっ…!?」
「おめでとうっ!!!!」
私の言葉に、文香も腕を背中にまわしてくれた。
「…ありがとう。愛奈。
だからね、アンタたちも幸せになって欲しいのよ。」
「…文香…。」
「今日連絡しなさいよ?分かった?」
「…うん。ありがとう。文香。
それと、本当におめでとうっ!!」
友達の結婚報告は本当に嬉しいものだ。
とりあえず、心結に連絡してみようかな…。




