表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/36

過去1

ここから愛奈の高校生時代の話に入ります。

大分暗くなってしまうのでご注意ください。





「───愛奈!今年も同じクラスだ~!よろしくね!!」


クラス分けの表を見ていると、後ろから抱きつかれた。



「わあっ!びっくりしたぁ…!!」



エヘヘと、笑みを浮かべるのは私の親友、大倉みのり。


2年生の教室へと移動しながら、自然と会話が弾む。







「あ、そういえば聞いた!?」


今日一番のハイテンションでみのりが尋ねてくる。





「何を?」


「私たちのクラス、あの王子がいるんだって!!

超幸せなんだけど~♪♪」









「…王子?」






私がそう尋ねると、みのりは一気に真顔になる。


「…あー、そういえば愛奈はこういうの疎かったよね?

学校で一番のイケメン!王子こと木崎蓮斗くん!!」



「名前は聞いたことあるかも!」



私の反応に、みのりは頭をベシッと叩く。



「ちょっ、痛いじゃん!!」




「何か知らなすぎてイラッとしたから。」


「酷くないですか!?」


「イライラするー!!!もっとまわりに興味持ちなよ!!」



そう言って、私の肩をドンと押す。


思ったよりも力が強く、私はよろける。





「───おっと!?」



そのまま、私は後ろの人にぶつかった。



「あ、ごめんなさいっ!!怪我とかしてないですか!?」



「大丈夫だよ。君こそ怪我ない?」


「私は大丈夫です!本当に失礼しました。」



「他に言うことは?」



「…え?」



目の前の男の人は、にっこりと笑顔を浮かべている。



気がつけば、まわりはザワザワと騒がしくなっていた。






「あれ?いつもの女の子の反応が来ないんだけど?」




訳の分からない展開に私はついて行けない。



「…あの…?」



「王子!!本当にごめんなさい!!



この子、ちょっと疎い子なので…!!」



私が困っていると、後ろからみのりが声を出した。






…王子?





え、待って。この人が、あの王子?




そう思って目の前を見ると、王子は私を見てニヤリと笑う。




「…ふーん?俺もまだまだみたいだね。



僕は木崎蓮斗。よろしくね。」



「あ、えっと…お願いします。」



差し出された手を握ると、まわりから悲鳴があがった。






その後、教室に入ると、案の定王子がいた。


王子も驚いていたが、それからというもの私の所に来ることが多くなった。



王子…いや、蓮斗くんは話してみると案外楽しく、私も楽しい日々を過ごしていた。



最初の内は、みのりも一緒に過ごしていたのだが、最近は蓮斗くんと二人でいることの方が増えた。




そして、そんなある日のこと。
















「…え?」











私は体育館裏に呼び出されていた。







目の前には、蓮斗くん。










「…自分から好きになるなんて初めてで、正直戸惑ってる。

 





でも、迷惑じゃなかったら俺と付き合ってほしい。」






私は固まることしか出来ない。




正直、蓮斗くんは私の中で良い友達で、恋愛対象として見ることは無かった。





「…ごめんなさい。私、蓮斗くんは良い友達だと思ってる。


だからそれ以上には見れない。」



私の言葉に、蓮斗くんは少し切なそうに笑った。





「ハハッ!さすが、愛奈だ。」




蓮斗くんは、私の方に手を伸ばすと頭をグシャグシャと撫でる。



「これだから諦められないんだよ。


絶対に好きにさせるから。」




「アハハッ!分かった!楽しみにしてるね♪」



私たちは、それからいつも通りに家に帰った。



そう、いつも通りに。
















翌朝。



下駄箱の所に、みのりがいた。



「あ、みのり!おはよう!!」




私の声にビクッとするみのり。




靴を脱ぎながら、みのりに話しかける。


「何か、こうやって二人で話すの久しぶりだね!」




そう言いながら、下駄箱を開ける。



「…え?」







私の目に飛び込んで来たのは、ズタズタに切り裂かれた

自分のシューズだった。





「…何これ…?」



みのりに助けを求めようと思って横を向くと、既にみのりはいなかった。



「…みのり…?」



とりあえず、そのシューズをそのままにしておき

職員室でシューズを借りた。





ガララララ───。


私が教室に入ると、次々と刺さる視線。



その瞳はひどく冷たかった。





何…?


もしかして、さっきのもクラスの誰かが…?




私は、席に座って宿題をしているみのりを見つけた。


私はすぐにそこに駆け寄る。



「みのり、置いていくなんて酷いよー!!あ、それ宿題?

私もやらな───」


















「───気安く話しかけないでよ。」













え……?







「…みの…り…?」




みのりは、私の方を見ることなくそう言うと教室を出て行ってしまった。



クスクスと笑い声が聞こえる。




『ハハッ!ざまぁみろ。』



『見た?あの顔(笑)』



皆の言葉が、視線が、グサグサと突き刺さる。






私は、とりあえず席に着くことにした。



荷物を机の中にいれようとすると、何かが手に当たった。



そこには、折り畳んだ紙が入っていた。



恐る恐る紙を開くと







『調子に乗んなよ。ブス。』








あぁ、そういうことか。



私が蓮斗くんと一緒にいるから。





いや、でもそれならもっと前からいじめられても良い筈。






私が蓮斗くんをフッたから?






誰かが見てた?



そんな事を考えていると





「おはよー!」




目の前で満面の笑みを浮かべる蓮斗くん。


その顔を見ると、そんな悩みなんてぶっ飛んだ。




先程までの雰囲気は無くなり、皆普通に過ごしている。



なるほどね。



蓮斗くんの前では下手な行動はしないんだ。





「愛奈?どうしたの?」


前に座る蓮斗くんが、私の顔を覗き込む。



「え?あ、ごめんごめん。考え事してた!」



「分かった!今日の小テストの事だろ?」


得意気にそう言われる。



「えええっ!?小テストあるの!?」



朝の出来事を忘れるには、蓮斗くんに頼るしかなかった。
















ここまでは、まだ良かったね?





私は、あなたは、どこで狂ったんだろう?














ごめんね。





全ては私がいるから悪いんだよ───。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ