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再び




「──愛奈、今日はいつも以上にボーッとしてるね?」



蓮斗に話し掛けられ、私はハッとする。



今は昼休み。



私たちは、二人でご飯を食べている。




「そうかな?寝てないからかもね。」



適当に話を合わせる。





「お昼ご飯も食べれてないし、心配なんだけど。」



不安げに私の顔を覗き込む蓮斗。










「…もしかして、また何かされてるの…?」











ゾクッ…!!!!


その一言に寒気がした。




「愛奈に何かするやつがいたら、ただじゃ済まさないから。

だから、ちゃんと言って?」



「私…何もされてないよ?今は、まわりの人に恵まれてるの。」



しばらく私の目を見つめ、ニコッと笑う。



「嘘じゃないみたいだね。良かった。」



そう言うと私をギュッと抱き締める。



「愛奈。どこにも行かないで。」









私がボーッとしているのは、寝不足だからじゃない。



後から、柳田くんにハンカチを返しに行くからだ。



最初の頃に戻ったように、会えると思うだけでドキドキが止まらない。






講義が終わり、永瀬くんと話をしている柳田くん。


「や、柳田くんっ…!!」


私の声に二人して振り返る。



二人とも、お。来たか。といった風な顔をしている。



「こ、これ…ハンカチありが───」


ガシッ。



ハンカチを渡そうとした手を思いきり掴まれる。



な、何っ!?


もしかして、汚れ落ちてない!?













「寺岡さん。俺に少しだけ時間をちょうだい?」












「…へ?」









そのまま、腕を引かれ私は教室の外へと連れ出される。

























「ちょっ、待って…!!柳田くんっ!!」





そういえば、前にもこんなことあった気がする。



あの時は、確か柳田くんを嘘つき呼ばわりしたんだっけ。



思い出すだけで、申し訳ない気持ちになる。











「寺岡さん。」










名前を呼ばれ顔をあげた私は固まってしまった。










目の前にある柳田くんの顔。










唇にある違和感。










え…?






キス…?









気づけば、柳田くんの顔は離れていた。






そして───
















「──これが俺の気持ち。…好きだよ。寺岡さん。」












「嘘っ…?」





その言葉に、柳田くんはニコリと笑みを浮かべる。






「波奈の代わりなんかじゃない。君が好きなんだ。






だから、側にいさせてください。」








私の頭は追い付かない。





私の事が…好き…?







「…私もっ…好きっ…!!」



涙で声が震える。



「知ってる。」




柳田くんが私の頬に手を伸ばす。


















「…でも、一緒にはいられない。」





私の言葉に、柳田くんの動きが止まった。













「…どうして?」







私は、黙り込む。








「…ずっと気になってた。フラれた意味。



でも、あんなに俺の事好きでいてくれた寺岡さんが突然俺の事嫌いになる筈が無いって、俺なりに思ってた。



だから、何かあるとしたら、それは









────木崎なんだろうって、ずっと思ってた。」







私は目を見開く。





柳田くんは、分かってて受け入れてくれてたの…?






「…俺は、寺岡さんの側にいたいよ?


側で支えたい。




だから、話してくれないかな?」




「柳田くん…。」





私はふぅと息を吐く。




「私の過去を話せば、長くなっちゃうよ?」



「構わないよ。」



「私の事嫌いになっちゃうかも…。」



「───寺岡さん。」




すると、再び頬に手が伸びてくる。



「…信じて?寺岡さん。」




真っ直ぐすぎる柳田くんの瞳に吸い込まれそうになる。









「…うん。」





私はそっと、柳田くんの手に自分の手を添えた。




次話から愛奈の高校生編に入ります。

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