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覚悟
「───心結。お前さ、本当に愛奈ちゃんが好きなの?」
突然琥珀にそう尋ねられた。
「琥珀。それ、どういう意味だ?」
俺は、琥珀を睨み付ける。そんな俺に全く怯えること無く琥珀は続ける。
「どういう意味って言葉の通りだよ。お前は、愛奈ちゃんの事が本当に好きなの?」
「そんなの───」
「───また前の子たちみたいに、波奈ちゃんを重ねすぎてるんじゃねぇの?」
「…!?」
その言葉に俺は固まった。
「…愛奈ちゃんは、前の子たちとは違って本気でお前のこと想ってる。でも、今までの中で一番波奈ちゃんに似てる。
俺からすれば、それがずっと不安だったよ。
愛奈ちゃんは、中途半端な気持ちで付き合っちゃいけない子だ。
心結にもそれなりの覚悟がいると思う。」
琥珀は俺の目を真っ直ぐ見つめ、真剣に話をする。
「…覚悟って…何?」
「お前が一番分かってるんだろ?
───波奈ちゃんを切り捨てる覚悟だよ。」
ベッドに座り、写真をボーッと見つめる。
そこには、俺と波奈のツーショット。
写真の中の波奈は、とびきりの笑顔で笑っている。
波奈を切り捨てる…。
俺に、そんなことが出来るのか───?
次の話から、心結の高校生時代の話に入っていきます。




