表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/36

どうして?







「・・・・え?」



目の前には寺岡さん。





「…何回も言いたくない…。」




寺岡さんは、気まずそうに下を向き、そして───

















「───私と別れてください。」























ガバッ!!!!



気づけば、ベッドの上。



時計に目をやると、午前3時。



…夢か…。


そう思って寝ようとするが、全く眠れない。






違う。






夢なんかじゃない。














俺は昨日実際に





寺岡さんにフラれたんだ────。













「───柳田っ!!!!」



朝イチで、思いきり名前を叫ばれる。


「…あ、近藤さん。」



「ちょっと、どういうことなの!?」


近藤さんは、怒り狂っているようだ。


その声に、注目が集まる。


ヒソヒソと話し声が聞こえる。



「…近藤さん、ちょっと外出ようか。」



俺は、近藤さんの手を引き、外に出た。






「アンタ、愛奈に何したの?」


第一声がそれで、俺は酷く驚いた。



「何って…何もしてないけど…。」




「嘘でしょ!?何もしないのに愛奈がアンタと別れる訳が無いじゃない!!」




「───文香ちゃん!!ちょっと落ち着けって!!」


近藤さんの叫び声に、琥珀もやって来た。




「じゃあ、永瀬!!アンタが何かしたのね!?」


「はぁ!?何で俺になるんだよ!!!!」



琥珀はキッと近藤さんを睨み付ける。



「二人とも落ち着けって。」


「うるせぇ、黙ってろ。」


「逆にアンタは何で落ち着いていられるのよ!?」




「───落ち着いていられる訳ねぇだろうが!!!!」



俺が叫んだことで、二人は固まった。




「…俺が一番分かんねぇんだよ。…何でなんだよっ…?」


俺は頭を抱えて、その場に座り込む。



「フラれてこんなにも動揺すんの初めてだ…。」



力なく呟いた俺に、二人はそれ以上何も言わなかった。





[アイナside]




朝、大学に来てみると、いつもの3人がいた。


文香も、永瀬くんも思い詰めた顔をしており、柳田くんは座り込んでいた。



きっと、全ては私のあの言葉のせいだろう。



すると、永瀬くんと目が合った。


「…あ、愛奈ちゃ…。」



永瀬くんから逃げるように、私は教室に入った。



心臓の音がうるさい。



ああ、もうダメだ。




わたしたちは、壊れてしまったね。








一昨日の夜…



ピコン♪


その音に、私は何気なく携帯を開いた。



でも、それが間違っていた。




『愛奈。今から会える?』




蓮斗からの連絡だった。



私の手は一気に震え始める。




何で連絡先を知ってるの…!?


どこで手に入れた…!?




『大学前で良いかな?』



震える手で、返信すると私は荷物を持って外に出た。



ひんやりとした空気が私を包み込む。


階段を下り、一息ついたその時───




「───愛奈。」



私は、目を丸くした。


声なんて全く出なかった。



「夜道は危ないから迎えに来たよ。」



「…な、な…んで…!?」


絞り出した声は、掠れて震えていた。



「とりあえず、座ろうよ。立ち話もなんだしね。」



蓮斗に言われるがまま、近くの公園までやって来た。


座りなよ、と促されベンチに腰かける。


蓮斗も、隣に静かに座った。





「何か、こうやって二人で会うの懐かしいね。」



「…何で知ってるの?」



「愛奈、本当に前より綺麗になったよ。」



「誰から聞いたの?」



噛み合わない会話に、蓮斗は私の顔を掴み自分の方へ向かせた。


私は、キッと蓮斗を睨み付ける。






「愛奈。そんな態度で良いと思ってんの…?」




先程までの笑顔とはうって変わり、その瞳に光は無く恐怖を感じた。



「…俺の事だから、どうやってでも愛奈の事は知ろうとするって分かりきってただろ?今さら過ぎるよ。愛奈。」


私の目にじんわりと涙がたまっていく。



「泣かないでよ。泣かせるのは好きじゃない。」



そう言って、パッと手を離す。



やっと解放され、私は目をそらし下を向く。





「…彼氏…憎いなぁ。」



その言葉に、私はすぐに顔をあげた。



「絶対に俺の方が愛奈には合ってると思うんだけどね。」


笑顔でそう言い放つ蓮斗。



私は、恐怖と悔しさで唇を噛み締める。




蓮斗は立ち上がると、私の正面に来てしゃがんだ。



「ねぇ愛奈?前みたいにしちゃっても───」



「───止めて!!」



全てを言い終わる前に私は声をあげた。



蓮斗は、優しく私の手を握った。


その手から嫌というほど温もりが伝わってくる。




「じゃあ愛奈。君がやることは1つしかないよね?」




その言葉に絶望した。




ああ、もうダメだ。




わたしたちは、壊されてしまうね。











気づけば、蓮斗の顔がすぐそこにある。


唇が重なっていた。









「愛奈。愛してるよ───」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ