表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/17

第9話

勢いで家を飛び出してきてしまった。

空は綺麗な夕暮れで、夜が近い事を示していた。


心配性な母の事だ。

暗くなる前に帰らないと、私を追いかけて外に飛び出してしまうだろう。

いくら元悪役令嬢(推測)とはいえ、元令嬢に変わりはないのだ。


そう思う気持ちと、煮え切らない母の態度に帰る必要は無い。と叫ぶ自分が居る。

今帰った所で、何も変わらない。母はこれからも、聖魔法について隠し続けるだろう。


でも、本当にいつか教えてくれるかもよ?

いつって、いつ?


まるで、心が二つに別れた様だ。

どうしたら良いか解らないまま、太陽がただただ沈んでいく。



「どうしました?」


家と町の間をうろうろしていると、そう声をかけられた。



ーーー



「広くはないですが、外よりはましでしょう。ソフィ様には、こちらから連絡をしておきます」

「は、はい……」


私は声をかけられたままに、町の隅にある小さな家へと案内された。

前世でいう所のワンルームと呼ばれる造りで、確かに広くはない。


私に声をかけた主、アルバ・フィドゥーチャは窓を開けると、何かを呟いた。

すると、窓の外に小さな小鳥が現れたではないか。


「東の魔女の薬屋まで、サラ様を保護したことを伝えて下さい」


アルバがそう言うや否や、鳥はチチッと小さく鳴いて飛びだつ。

恐らく、伝言系の魔法だろう。


「あの……」

「あぁ、どうしてここに居るのかですよね」


アルバは人の好さそうな顔で二コリと微笑む。しかし、私は知っている。

このアルバも、双子の兄であるノッテも、腹黒であるという事を。

攻略対象になる前から、主であるフレドのルートに進めば、2人でチクチク精神攻撃を行い、王子に見合う相手か品定めをしてくるのだ。


そう思うと、フレドルートってあまりに敵が多すぎやしないか……?



「フレド様より、ソフィ様とサラ様の護衛を承りまして、ノッテと交代で担当をしております」


そうサラッと言いながら、アルバは温かいミルクをどうぞ。と差し出してくる。

受け取ろうとした手が思わず止まる。


「……え?」

「はい」


私が驚き動揺している事に気が付いた上で、アルバは笑顔を続けている。


「ミルク、このままじゃこぼれますよ」


そういわれて、慌ててアルバからミルクを受け取った。

いや、ミルクはアルバが持っていたのだから、こぼれるときは意図的にアルバがこぼした時では?と気が付いたのは、受け取った後だった。


「しかし、親子喧嘩ですか」


ミルクをこくっと飲んだところで、アルバがそう呟くので、今度は吹き出しそうになる。

なんで知っているんだ。ついさっき我が家で起きた出来事を。


「おや、図星でしたか」


わざとらしくアルバは驚いて見せた。

そこで気が付く。アルバに遊ばれているという事に。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ