表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

第10話

『ソフィとサラが……?』


「えぇ」


『そうか……わかった、教えてくれてありがとう』


「あ、こちらに来られなくて大丈夫ですよ」


『え?』


「世間一般ではよくある、反抗期だと思いますので」


結局、アルバのお家に泊まる事となった、その夜。

そんな会話が聞こえて、眠っていた意識が浮上する。


恐らく、アルバがフレドに報告をしているのだろう。

疑ってはいなかったが、その様子からして、護衛というのは本当の様だ。


というか、フレドは止めなければ来ようとしたのか。

次期王って暇なんだろうか……?そう思わずにはいられなかった。



2人の会話が、私が寝ている事を考慮してだろう、小さな声で話しているものだから、一度浮上した意識はまたもや、暗闇へと沈んでいった。



ーーー



チュンチュン

鳥のさえずりで目を覚ます。


今は何時ごろだろうか。

眠たい眼をこすり、起き上がれば、部屋には誰も居なかった。


あれ?アルバは?なんて思いながら部屋を少し歩けば、机の上に置手紙がある事に気が付いた。


『東の魔女の薬屋に行っています。 アルバ』


簡素にそう書かれた置手紙は、文字が少し荒々しかった。

これは、男性らしい字といえばそれまでだが、アルバのイメージとは少し違う気がした。


胸がドクドクと高鳴る。

なんだか嫌な予感がした。



私は慌てて、家を飛び出した。


それから、両足を一生懸命使って走る。


町の人たちは驚いた様子で私を見る。

そんなのを気にしている場合では無いと、頭の奥で誰かが叫ぶ。



そうやってたどり着いた《東の魔女の薬屋》。

いつも通り客足は少なく、静かだ。


気のせいであって欲しい。

ただ、アルバの字がギャップ萌えを狙って少し汚いだけ。

それを起因に勝手に、一人で盛り上がっただけ。


そうであってほしい。


私は店の扉を開いた。

カランカランと来客を知らせる鐘が鳴る。



「サラ様ッ」


最初に視界に入ったのは、アルバの慌てた顔。

そして次に視界に入ったのは、そのアルバに抱えられる様にして横たわる青白い顔をした母親。


「お母さん!!」

「さ、ら……」


慌てて駆けよれば、まだ息をしている様だった。

頭でグルグルと考える。どうしたらよいのか。


『その力で、人を内側から治癒したりするんだよ』


ふと、ゲームのワンシーンを思い出した。

《聖魔法》について、フレドと主人公が話しているシーンを。


ひとつの仮説を立ててみる。

そんな、夢みたいな事は無いと思う。


けれど、試さず後悔するよりは、試して後悔したい。


あぁ、思い出せ。

あの本に書いてあった詠唱を。


私は母の両手を握る。

それから、ゆっくりと唱え始める。


「″人の力を超えて「駄目ッ」」


唱え始めるや否や、母親は私の両手を振り払った。

そこで確信に変わる。


私は《聖魔法》が使えるのだと。


もう一度試そうと、母の両手をつかもうとすると、今度はアルバがやんわりと阻止をしてきた。

アルバを睨めば、とても冷静な眼差しで見つめ返された。


感情的な私と、冷静なアルバ。どちらが優勢かなんて一目瞭然だろう。


「薬棚、右の上から、2番目……」


にらめっこをしていると、母がか細く言った。

その言葉に、慌てて言われた場所から、魔法薬を取り出す。


そして、それを母に手渡せば、母は「ありがとう」と言ってから、魔法薬を口に含む。

そうして、飲み込むや否や、意識を手放したが、アルバが「眠っただけです」といった事で、安心をする。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ