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前編第終章 再会する三人 3(パトリック視点)

三人の影が一瞬にぶつかり合いその衝突の所を通過したと同時に三人それぞれに切り傷がついた。が、三人はそれに気にせず次の動きに移った。瞬きもできなかった。一瞬でも目を閉じったら三人の動きを見失うほどだった。一対一対一という複雑な戦いで、瞬時の判断で時には一人で二人を相手し、時には二人がかりで一人を攻め懸けるなどしていた。


コンランは王国では珍しい剣で見たこともない、微妙でどこか芸が入ったような型の技を打っていた。彼の技は単純な斬撃や突撃だけではなく鞘をも利用し陽動の動きで相手を混乱させる技や何かの仕掛けで剣技とは思えない手品みたいな技を使う全く読めない。




「くだらない。ならば全てをたたき切ればいい」




ローカンはそれらを力強い剣筋で切り払った。カロル流が使う諸刃の剣はどの方面にも斬ることができ全ての剣の動きが斬撃となる。それを両手で握り力任せ同然で振ることで進む道を切り開く。それがカロル流の剣道。ローカンはその流儀を誠実に自分の剣技に乗せた。もし僕がその一撃を受かったら剣もろとも斬られるだろう。




「何でもかんでもねじ伏せていいものじゃない。力だけがこの道の通り方ではない」




リアムは王国騎士流にセイバーを片手で素早く攻撃を受け流し攻め返す。その動きは奇麗でムダもない。何年もかけて型を身体に染み付けてきた証拠。自分も同じ型を学んでいたから分かった。しかし初見の人にはおそらく初動が小さくて素早いその剣筋に反応するのも難しかったはず。




「真面目ちゃんも大概にしねーとすぐ見切れるぞ」




三者三様の戦い方で戦闘が繰り広げた。時間が経つほどだんだん激しくなり僕の目では追いつけなくなってきた。自分ではこの戦いに立ち入ることができないと悟った。ここで応援を呼ぶべきだと頭でわかっていた。だが、足は動かなかった。目の前の戦いに、打ち合いに、そしてどこか話し合いにも見える繰り広げられた光景から目をそらせなかった。




「リアム…たのしそうです」


「エームル…」


「街を一緒に歩いて町人たちと笑いながら話しているところは何度も見ました。でも、あんなに夢中になるのは初めて見ました…」


「奇遇ですね。私もコンランのあんなワクワクしている顔、長い付き合いでも滅多に見ることはなかった。なんだか癪だね…なんて、なんで今呑気にこんなこと考えてるでしょう私たち」


「どんな状況だろうと強い相手と戦うのは剣士の喜びだとお父上は言っていました。あの時も苦しいはずだったのにどこかでローカンとお父上は戦いに夢中にしていました。私結局あの時と変わらなかった。戦いを止めることができなかった...」




彼女たちは戦っている彼らを見て間に入って止める無謀さ、野暮さを悟った。まず物流的に止めるのは不可能だった。身を出しても彼らの動きの速さでは斬られるリスクの方が高い。いや、彼らはよく周りを見て動いている。今でも僕たちが余計なうごきをしていないか、イーアン・ケインがまだ目の届く場所にいさせるのにその度の視線を感じていた。夢中なだけにその視線が鋭くて敏感に感じられた。


そして、彼らは自分の意志で、自分の信念を通すために戦っている。それなりの覚悟が持っていないとこちらの言葉を聞くまい。今彼らを止めらるのは最早人ではなく、それこそ台風や地震のような大自然の力が必要ではないでしょうか?と僕は心なしに考えていた。まさか本当に天災、いや、正確にはそれと同等な災いが来るとは思わなかった。

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