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② 捜索隊
市場で事情を話すと、パン屋の主人が店先から出てきた。
野菜売りの女性も加わった。
暇そうにしていた荷運びの若者が二人、通りかかった警邏の男まで足を止めた。
「白い毛の猫で、青い目。赤いリボンをつけているそうです」
相棒が特徴を伝える。
「ミーちゃーん!」
皆で名前を呼びながら、市場の裏手へ進んだ。
樽の隙間を覗き、積まれた木箱の下を調べる。パン屋の主人は魚屋から干し魚を一尾借り、それを振りながら歩いていた。
通りを一本抜けたところで、痩せた灰色の猫が現れた。
首輪はない。濡れた毛に埃が絡み、尻尾の先まで薄汚れている。
猫は相棒の足元へ寄ると、靴に身体を擦りつけた。
「悪いが、おまえを構っている暇はない。猫を探しているんだ」
「みゃあ」
「おまえの仲間だ。白くて、ふわふわで、目が青いらしい」
「みゃあ」
猫は事情を理解したのか、そのまま捜索隊の後ろについてきた。
「協力してくれるみたいね」
「干し魚が目当てだろう」
パン屋の主人が干し魚を高く掲げた。
灰色の猫も足を速めた。
相棒の見立てが正しかったらしい。
捜索隊は水路へ向かった。
「ミーちゃーん!」
「みゃあ」
「返事があったぞ!」
荷運びの若者が走り出す。
全員が後を追った。
灰色の猫も追ってきた。
しかし、水路沿いに白い猫はいなかった。




