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プロローグ ① 珍しい依頼
「行方不明のペットを探してください」
珍しく依頼が来た。
正確には、依頼を受けたわけではない。
宿へ戻る道が分からなくなり、相棒と二人で同じ噴水の前を三度通ったところ、小さな女の子が駆け寄ってきたのだ。
「ミーちゃん見なかった?」
「ミーちゃん?」
「いなくなったの! 一緒に探して!」
女の子は今にも泣きそうだった。
私はしゃがんで目線を合わせた。
「ミーちゃんは、どんな子?」
「白くて、ふわふわで、目が青いの。赤いリボンもつけてる」
「猫?」
「猫に決まってるでしょ?」
怒られた。
隣で相棒が顔を背けた。笑ったらしい。
「いつからいないの?」
「さっき。おうちから逃げたの」
女の子は西の通りを指さした。
「私は向こうを探すから、お姉ちゃんたちはこっち!」
一方的に担当を決めると、返事も待たずに走っていく。
相棒がその背中を見送った。
「依頼ではないな」
「依頼人がいるから依頼よ」
「報酬は?」
「無事に見つかったときの笑顔」
「宿代は払えないぞ」
「では、追加で銅貨一枚くらいもらおう」
「子供から取るな」
私たちは宿探しを中断し、白くてふわふわしたミーちゃんを探すことになった。




