光の祭壇
私を抱いたまま歩いていた勇者の足が止まった。勇者の胸から顔を離し、私は目を開ける。
「え?何?光?」
祭壇のような場所があり、そこに光が降り注いでいた。
「さっき、あの光の中から一角獣が顔を出したんだ。それで、俺の顔を見るとすぐに顔を引っ込めやがった」
「あの光から?」
あの光からなんて信じられない。本当にここは天国じゃないの?でも待って、この勇者が天国に行けるの?この人がよ?でも魔物討伐で徳は積んでるはずだから、天国に行けるのかも。
「やっぱり私達死んだんだわ」
思わず口に出してしまった。
「俺は死んでねえし、お前も生きてる。バカな事ばかり言ってないでしっかりしろ」
叱られた驚きで、思わず私は「ごめんなさい」と謝ってしまった。
「とりあえず行ってみよう」
そう言うと、勇者は光の降り注ぐ祭壇に向かい歩き出す。神秘的な美しい光。光のカーテンのようにも見える。勇者は私を抱いたまま、光の中へ手を伸ばす。
「ちょっと!下ろして!」
私は、勇者の腕の中でもがきながら言う。
「どうした?トイレか?」
「違うわよ!あなた、これから光の中に入るつもりでしょ?私、ここで見てるわ」
「またかよ。お前といなきゃ意味ないだろ」
そう言って勇者は私を抱く手に力を入れ、光の中へ入って行く。
「!!!!」
光の中に入ると、地面が逆さになったような感覚になる。落ちていっているのか上っているのかも分からない。私は勇者から離れないよう、必死に勇者にしがみついた。勇者も私を離さないよう、きつく抱きしめてくれる。
「珍しいね。人間じゃない」
突然声がした。




