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遺跡
勇者に手を繋がれたまま歩いていく。
見たことがない花も咲いているし、天国でなければ、ここはどこなんだろう。
「あっ、あれは?」
見ると木におおわれているが、神殿のような建物が見えた。
「古代遺跡かもな」
勇者が言う。
「あっ、あれ!」
ふと見ると、神殿の近くで一角獣が草を食べているが、私の叫びに気づくと、こちらを向き、逃げるように神殿の中に入って行った。
「行くぞ!」
勇者が私の手を引っ張り走り出す。そしてそのまま神殿の中へ入ろうとしたので、私は足を止める。
「どうした?行くぞ」
「私、ここで待ってるわ」
「はあ?」
「だって、こんな汚ない建物に入りたくないわ。虫とか動物がいたら怖いし、建物が崩れてくるかもしれないじゃないの」
「お前を一人にする方が心配なんだよ」
勇者はそう言うと、私を横抱きにして歩き出す。
「ちょっと!下ろして!」
「怖いんだろ?なら俺にしがみついてたら安心じゃねえか。背負った方が良かったか?」
「どっちも嫌!」
勇者は私の言葉を無視して歩き出す。
その時、何かが私の頭に当たる。
「きゃあ~!!!!!」
「落ち着け、木の枝だ」
そんなこと言われても落ち着けない、私は怖くて怖くて、ずっと勇者の首に手を回してしがみついていた。




