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それゆけ、孫堅クン! 改 ~ちょい悪オヤジの三国志改変譚~  作者: 青雲あゆむ
第4章 呉王朝創設編

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幕間: 潰えた野望

 儂の名は劉焉りゅうえん 君郎くんろう

 漢の皇族 魯恭王ろきょうおう 劉余りゅうよの末裔よ。

 若い頃から学問に励み、名声を博してきた。

 やがて洛陽の県令を経て、重職を歴任するようになる。


 そして中平5年(188年)になると、州牧の設置を天子に進言し、儂は益州牧に収まった。

 最初は交州への赴任を希望したが、ある者が ”益州に天子の気がある” と言ったのでな。

 そちらの方が、おもしろそうだと思って決めた。


 益州に入ると、まず綿竹めんちくを拠点として、民心の慰撫いぶに努める。

 そしてその陰で、ひそかに独立の機会をうかがっていたのだ。

 やがて五斗米道ごとべいどうの連中とツテができたため、奴らに関中への道を断たせ、音信不通を装う。

 そうこうするうちに、劉宏りゅうこう陛下が崩御なされ、劉弁りゅうべん陛下が即位された。


 しかしいくらも経たぬうちに大将軍の何進が殺され、代わりに董卓が洛陽を牛耳って、劉協りゅうきょう陛下を擁立したのだ。

 あの時は何が起こっておるかと、いろいろと気を揉んだものよ。

 やがて反董卓連合なるものが蜂起し、儂もそれに呼応しようとした。


 ところがいくらもしない内に、圧倒的だったはずの連合が瓦解してしまったのだ。

 なにやら孫堅という男が董卓に味方し、反乱鎮圧に貢献したらしい。

 儂は蜂起したことを隠し、再び機会をうかがった。


 それから2年ほどすると、今度は呂布と王允が董卓を失脚させた。

 奴らはそのまま実権を握ろうとしたらしいが、またもや孫堅がしゃしゃり出て、洛陽を解放したという。

 おかげで混乱に乗じて独立する機会を、またもや失ってしまった。

 おのれ孫堅、邪魔ばかりしおって。


 しかし天は、儂を見捨てておらなんだ。

 なんと関東士人が大挙して反乱を起こし、中原のほとんどを占拠したのだ。

 儂はこれ幸いと益州の独立を宣言し、関東士人への協力を申し出る。


 ちなみにこの時、宮廷に出仕していた3人の息子どもも、洛陽を脱出して帰ってきた。

 ちょうど益州を治めるのに人が足りなかったので、儂には都合がよい。

 ククク、望む方へ風が吹いておるな。

 このまま中原が混乱しているうちに、支配体制を固めねば。




 しかし反乱軍の躍進は続かなかった。

 一時は皇甫嵩を撃退し、河南尹東部を攻め取りはしたものの、状況は膠着してしまう。

 それどころか、今度は孫堅が総大将となって反撃に出たのだ。


 反乱軍にその攻勢を退ける力はなく、儂に出兵を求めてくる始末だ。

 こちらにも、そんなに余裕があるわけではないというのに。

 最初は適当にいなしていたが、いよいよやばくなってきたらしい。


 やむを得ず、益州からも出兵することにした。

 漢中から漢水を下って、南陽を奇襲する計画だ。

 苦労して5千人ほどの軍を編成し、いよいよ侵攻させる。

 せいぜい南陽を脅かして、官軍の足を止めてくれよ。




 なんたることだ!

 自信を持って送りだした軍勢が、南陽で撃退されてしまったのだ。

 敵は我らの動向に気づいていて、万全の態勢で待ち受けていたという。


 うぬう、小癪な。

 新たな皇帝となる儂の邪魔をするとは。


 しかしこれで反乱軍への義理は果たした。

 後はせいぜい、自分たちの力でなんとかするのだな。

 儂は守りを固めるとするか。




 なんだと?

 冀州に集結していた反乱軍が、敗北した?

 馬鹿な、袁隗えんかいらは20万以上の兵を集めていたはずだぞ。


 それがほんの1ヶ月ほどで敗退し、ぎょうの城まで落とされたというのか?

 一体、何が起こったのだ。

 いや、それどころではないぞ。


 中原が平定されてしまえば、次は儂の番ではないか。

 こうしてはおれん、すぐにでも徴兵を始めよう。

 漢中と江州に兵を配置して、敵を迎撃するのだ。


 なあに、この益州は天然の要害に囲まれた、難攻の地よ。

 そう簡単に落ちはせんわ。

 その間に力を蓄え、手出しできぬようにしてやろう。

 ククク、見ておれよ。




 ば、馬鹿な!

 たった1万ほどの官軍に、味方が蹴散らされているだと?

 しかも城にこもっても、火のような攻勢によって、短期間で落とされてしまう。


 それでは儂もヤバイではないか。

 ぐぬぬ、どうすればよいか……

 とりあえずこの綿竹に兵を集めて、抵抗するしかないな。

 急げ、戦の準備をするのだ。




 駄目だ、敵が強すぎる。

 まったく相手になっておらんではないか。

 官軍がこれほど精強だとは、聞いておらんぞ。


 しかも敵の主将は、孫堅配下の無名の男だそうではないか。

 なんとふがいない。

 このまま城にこもっても、はたしてどれだけもつか?


 ば、馬鹿な!

 味方から裏切りが出ただと?

 不届き者が内側から門を開いたため、敵の侵入を許してしまった。


 くそっ、ここまでか。

 せっかく皇帝になれると思ったのに、どこで間違ったのやら。

 せめて命だけは、助けてほしいものだが。

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それゆけ、孫策クン! 改

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