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それゆけ、孫堅クン! 改 ~ちょい悪オヤジの三国志改変譚~  作者: 青雲あゆむ
第3章 中華分裂編

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幕間: 劉備クンは惚れこんだ

 おっす、おいらは劉備りゅうび 玄徳げんとく

 幽州生まれの無頼者だ。


 恐れ多くも劉姓を名乗っちゃいるが、その素性はけっこうあいまいだ。

 なにしろ俺んちなんて、ワラジとかムシロを編んで生活してるんだぜ。

 まあ、祖父じいさんや叔父さんとか、一族として見れば、けっこう裕福なんだけどな。


 おかげで盧植ろしょくさまのところへ、勉強に出してもらったことがある。

 その時に公孫瓚の兄貴とは、親しくなったんだ。

 その縁を頼って、兄貴の下で世話になってたら、なんと洛陽に行くというじゃないか。


 俺は恥も外聞もなく、連れていってくれと泣きついたね。

 ”連れてってくんなきゃ、盗賊になるう” って脅したら、ようやく折れてくれたよ。

 ケヘヘ、だって仕方ないじゃん。

 洛陽に行きたかったんだもん。

 この機会を逃したら、もう行けねえかもしんねえからな。


 そうして洛陽に着いたんだが、いきなり凄いお人に出会った。


「おっと、そちらはどなたさんで?」

「ああ、彼が荊州牧の孫堅どのだ。”白馬義従”を見にきたのだよ」

「ほえ~、あんたが孫堅さまか~。俺は劉備 玄徳ってもんです」

「孫堅 文台だ。よろしく頼む」


 おいおい、孫堅さまといえば、今をときめく有名人じゃねえか。

 その出自こそ高貴ならざるも、腕一本で荊州牧にまで成り上がったという、すげえお方だ。

 く~~、いいね、男はそうでなくちゃ。


 その後も孫堅さまは、ちょくちょく兄貴に会いにきて、俺たちともよく顔を合わせていた。

 なんか俺や関さん、張飛のことを気に入ってくれたらしくて、わりと親しくさせてもらう。


 そんなある日、呂布と王允が董卓さまを襲って、政権を奪取しやがった。

 俺たちも武装解除されて不安に思ってたら、そこへ孫堅さまが駆けつけてくれたんだよな。

 そしてあれよあれよという間に、洛陽を奪還しちまったんだ。

 なんかいざという時のために、いろいろ仕込みをしてたらしいぜ。


 すげえすげえとは思ってたけど、そこまでとはな。

 腕っぷしだけじゃなくて、頭もいいとは大したもんだ。


 しかし洛陽は奪還したものの、事態はそれだけで収まらなかった。

 なんと洛陽から逃げだした名士たちが結託して、中原の大半を乗っ取っちまったんだ。

 そして俺たちのことを、皇帝を傀儡かいらいにして操る、奸臣だって言うんだぜ。


 まったく、どの口が言うんだって話だ。

 こちとら必死に漢朝を支えようとしてんのに、てめえらがメチャクチャにしてんじゃねえか。

 とはいえ、中原の大部分を乗っ取られ、益州も独立を宣言している状況じゃ、文句を言ってもはじまらねえ。


 そこで反乱軍の討伐に動いたんだが、その中心になったのはやはり孫堅さまだ。

 最初は荊州で反乱が起きただけじゃなく、配下に殺されそうにもなったらしいが、短期間でそれを収めちまった。

 そして董卓閥の連中も従えて、討伐の先頭に立ったんだな。

 まあ、総大将は皇甫将軍だったけど。


 もちろん俺らも公孫瓚さまの軍に入って、活躍したぜ。

 バッタバッタと敵をなぎ倒して、兄貴の戦功に貢献したんだ。

 しかしここで、皇甫将軍の軍が敗退してしまう。


 なんか、味方から裏切りが出たんだって。

 名士って、こええな。

 おかげで俺たちも撤退して、守りに入らなきゃいけなくなった。


 だけど、やっぱりここで粘りを見せたのが、孫堅さまだ。

 皇甫将軍に代わって官軍の動揺を抑え、しかも反乱軍の攻勢をしのいで見せた。

 か~っ、かっこいいな。

 俺もいつか、あんなふうになれっかな~?


 その後は態勢を整えた官軍が、再び攻勢に出た。

 俺たちも兄貴と一緒に、バリバリ戦ったぜ~。

 主に并州を平定してまわって、大きな戦果を上げてやった。

 やがてぎょうの周辺で決戦という段になって、俺たちにお誘いが掛かったんだ。


「劉備。孫堅どのが、お前たちに働いてほしいと言ってきているぞ」

「ええっ、マジっすか?」


 孫堅さまから届いた書状に、鄴の攻略を支援してほしいとあったんだ。

 しかもその隊長には、俺を指名してあった。

 どうやら俺たちは、思った以上に買われていたらしい。

 こうなったら、やるっきゃねえ。


「それならやってやりますよ。ここで尻込みしたら、男がすたるってもんだ」

「そうか。あまり気負いすぎて、無茶をするなよ」

「大丈夫だって、公孫瓚さま。おい、関さん、張飛。さっそく準備だ」

「おう、腕がなるのう」

「へへへッ、楽しくなってきたぜ」


 その後は大急ぎで準備を整えると、俺たちは鄴へ向けて出発した。

 それは騎兵だけで編成された、俊足の部隊だ。

 できるだけ反乱軍に察知されないよう、事前に指示された進路を駆け抜ける。

 そうして俺たちは、反乱軍の背後を臨む位置にたどり着いたんだ。


「うひょ~、見ろよ、関さん、張飛。孫堅さまの予想どおりだぜ」

「うむ、見事な読みであるな」

「ああ、暴れがいがありそうだぜ」

「よ~し、敵に気づかれないうちに、一発かましてやろうぜ」

「「おうっ」」


 それから俺たちは一丸となって、敵の右翼後方にカチコミをかけた。

 といっても、ダーッと押しかけて、矢を浴びせるだけだけどな。

 しかしそれだけでも、敵は大騒ぎよ。


 後方が混乱したことによって、反乱軍全体が浮足立った。

 当然、孫堅さまも黙って見てないだろう。

 ほ~ら来た、主力が動きだしたぞ。

 こうなったら、俺もやってやるぜ。


「野郎ども、突撃だ~っ!」

「「「おお~~~っ!」」」


 俺たちは一丸となって、今度は突撃を敢行した。

 しかし敵はすでに逃げ腰だから、おもしろいぐらいに戦果が挙がる。

 ヒャッハー、ご機嫌だぜ~!


 結局、敵は壊走をはじめ、城にこもるか、逃げだすかしちまった。

 そして俺たちは鄴の城を囲んだんだが……


「放てっ!」


 なにやら見慣れない機械から、とんでもない大きさの石が飛んでいく。

 それが敵城に落下して、盛大に轟音と土煙を巻き上げていた。


 うへぇ、マジかよ。

 きっと城内は、大混乱だろうな。

 あれが噂の新兵器ってやつか。


「うひゃ~、凄いですね、孫堅さま。噂以上ですよ。あんな兵器、どうやって作ったんすか?」

「ん? まあ、俺の部下には優秀なヤツが多いからな」

「なるほど~……やっぱり孫堅さまには、逆らわない方がよさそうだ。これからもよろしくお願いしやすぜ」

「ああ、劉備の功績も大きかったからな。こちらこそ、よろしく頼むよ」

「そいつは嬉しいですね」


 いや、マジでこの人には、逆らわない方がよさそうだ。

 孫堅さまは気さくに接してくれるし、手柄もちゃんと認めてくれるからな。

 たぶん今回の戦勝後も、褒美を期待できるだろう。


 ひょっとして、俺も将軍になれちゃう?

 いっちょお願いしやすよ、孫堅さま。

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前作の”それゆけ、孫策クン! 改”はこちらから。

それゆけ、孫策クン! 改

孫策が暗殺を回避して、新たな歴史を作ります。

劉備ファンの方は、こちらもどうぞ。

逆行の劉備 ~徐州からやりなおす季漢帝国~

白帝城で果てた劉備が蘇り、新たな歴史を作るお話です。

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