11月10日:狂像炎讐⑦
まずは一発
「ッ、銅壁!」
カキンッ
弾かれたのを確認し、アエスに近づく
壁が邪魔だ、飛び越えよう
「鉄段」
段差を作って壁を飛び越え、銃を下に構える……見えた
「上かッ!」
「炎燈」
「目潰しッ……」
次は2発
パパン!
「グッ……!」
左耳命中、左肩にカス当たり
まだアエスの左腕は動いている
「……ッテェんだよ!短銅!」
アエスが右手から短剣を作り出し投擲する
何も付けないあたりトークルのような魔法の導線じゃないらしい
「鉄板」
短剣を板で弾きながらアエスに近づく
キンッ!
短剣が空を舞う、今の距離は2m……
右手を振りかぶる、狙うは左腕……!
「歯ァ食いしばれ……鉄腕」
「銅盾ッ!」
鉄と銅がぶつかり爆音が響く
お互いの腕に振動による反動が回る
「ッ……コラテラルか」
「ッテェェェ!!!!!クソッ!クソォ!全部燃えろ……!」
詠唱を追加してイメージを強くしたか
なら纏めて明後日の方向に……
「灰炎!」
「鉄……」
先にアエスから……普通の炎が溢れだす
「!?ッ集!」
漏斗の形を作り炎を収束させて逃がす
だがなんだ!?ヤツは緑の炎の異能を使っていたはず……
「……ヴェール……?」
どうやらアエスも想定外だったようで顔で己から放たれたただの炎の残り香を呆然と見つめている
「ヴェ……ヴェール……どこだよ……なぁ……」
「……なんだか分からんがもういい、今なら」
……
銃を頭に向ける
今なら確実にコイツを殺せる
コイツが何を言っているか、コイツがどういう状況なのかは分からないがそれでも……俺の家族を焼いた犯人に最も近い
「…………」
引き金を引く指が動かない
ここでコイツを殺したらどうなる?
俺の一時の快楽の為に今後の情報を全部捨てる気か?
クルスの弟やこの街の被害者たちの情報を?
「……」
少し震える手で銃を構え直す、銃に残ってる2発で足と腕を片方ずつ使えなくして捕縛する
「……お前には聞くことが山ほどある」
頭を狙いそうになる感情を押さえ込みながら
引き金を引いた
パァン!
ダンテはアエスが平静を取り戻す前にしっかり足を狙い撃った
弾は間違いなく足に向かって……
「土盾」
「……は?」
アエスから出力された土魔法が、弾を止める
「何やッてんだよアエスゥ……任務ンときャ暴れんなッて口すッぱくいッたろうがよォ……」
「……!ヴェ、ヴェールゥ!!!」
狂気が、更なる狂いを産む




