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名門貴族の変嬢  作者: 双葉小鳥
第三章 伯爵家末娘となった変嬢
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第四話 その後の事。

 その後。

 お姉様は珍しく謹慎をお守りになったそうよ。

 なんだか良くわからないけれど、嫌な予感がしたんですって。

 ゼグロさんが『急に顔色無くして震えだした』って笑っていたわ。

 お姉様は『感じたことのない恐怖を感じましたの……』って目をそらしながらで、本当に訳が分からなかった。

 さて。

 今日の(ゼグロさんの目を盗んで訪れておられた)お姉様は迎えにいらっしゃった(額に青筋が浮かべながら、ピリピリとした魔力を発していた)ゼグロさんと一緒に(見張られながら)真面目(ではなく強制的)にお仕事をしておられることでしょう。

 なんでも依頼が詰まっているそうよ。

 それと、ミフィは学校。

 我が家にはあちらで休み、意識だけを人形に飛ばしたミリーがテノールたちと騒いでいます。

 数分前に何かが割れる音がしたような気がするけれど、気のせいね。

 ミリーが何か割ったのでしょう。

 あの子はすこし落ち着きが足りませんもの……。

 え?

 私も落ち着きがない?

 …………ま、まぁ。否定はしませんけど……肯定もしませんよ?

 はぁ。

 それにしても、暇だわ……。

 ミリーは傍に居てくれないし……皆忙しそうだし…………何より私のような、いい年したのが寂しいなんて、困らせちゃうだけよね……。

 皆、最近は輪をかけて忙しそうなんだもの……。

 困らせてはいけないわね……。

 それに。

 『術の研究をするなとは言わん。だが、一人でするな』って。

 お姉様が所属しているギルドの長。

 つまり赤い髪の怖い男性ね。

 なんでも『ギルド長』って呼ばれているらしいの。

 良くわからないのだけどね。

 まぁ。

 その男性はベットに入ったまま、上体を起こしもせず、顔を怖くして言ったのだけど…………。

 とっても顔色が悪くて、酷く申し訳なかったわ……。

 でもね。

 作ったお姉様を削除しようにも、ルシオとゼシオ、テノールに料理長、バリトン。

 皆そろって顔をひきつらせて、『無理』って言うの。

 私も、頑張って削除しようとしたのよ?

 だけど一向に消えなくて、頼みのお姉様は『楽しいからこれで良いわ』ですって……。

 もう諦めたわ…………。

 ついでにお姉様が二人になってすぐ。

 この国の重鎮の方が胃の病気を患ったり、過労で倒れたり。

 大勢の官吏が栄養剤を買い求め、『栄養剤が飛ぶように売れた』ってゼグロさんが空笑しながら言っていたの。

 後。

 数名の官吏が過労死したそうなの…………。

 赤髪の――……もうギルド長で良いわ。

 で、そのギルド長もとうとう過労で倒れて、死にかけていたところを傍に居たゼグロさんが慌てて治療したそうよ。

 だからベット上からのお叱りだったの。

 もう申し訳なくて、ただただ頭を下げたわ……。

 そのせいで私、暇なのよ……。

 こんな時に依頼の一つでもあれば、違うのでしょうけど…………今日の予定には無いのよね……。

 そう思い、『暇をつぶせるものを』と首を巡らせる。

 大きな掃出し窓の向こう。

 美しい蒼に浮かぶ小さな羊の様な雲がふわふわ。

 あら?

 その隣には大きな羊だわ!

 あ、向こうには亀かしら?

 ふふ。

 あ、あれは――――

「やぁ。紅薔薇さえかすんでしまう程可憐な君が、この屋敷の主人かな?」

 ………………。

 ………………………嫌だわ。

 私、とうとう寂しすぎて幻聴が聞こえ始めたのかしら……?

 …………そんな、まさか……。

 そう、そうよ!

 きっと私の耳は大丈夫だわ。

 だからこの声が聞こえた方に顔を向ければきっと誰かいるはずよ!

「おぉ。可憐な君よ。そんなに勢いよく振り向くと、君の細く美しい首が折れてしまうよ」

「…………良かった。幻聴じゃなかった……っ」

「ん? どうしたのかな?」

 そう不思議そうになさっているのは、肩より少し上な金のふわふわの髪に青の瞳の…………なんと例えれば良いのでしょう?

 …………絵本に出てくるような、絵に書いたような『王子様』? 

 が、居ました。

次回の投稿は予定では日曜日です。

でも、諸事情で無理かもしれません。

そうなったら来週の『いつの日か』です。

私自身分かりません。

『出来れば日曜の夜に…』と考えています。

が。

次回予定の文が、まだ11行しか書いてないというのに躓きました。

今日はもう諦めました……。


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