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35歳サラリーマンの異世界マネジメント~魔王討伐もプロジェクト管理で解決します~  作者: 凪塩 未来


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第12話:魔王城へのルート開拓

お読みいただきありがとうございます!


第12話は、魔王城へと続く最大の難所「暗黒の森」の攻略エピソードです。

前人未到と言われる危険地帯に対し、修平が徹底的な「リスク管理(事前調査)」で挑みます!

魔王城へと続く最短ルート。

そこに立ちはだかるのは、足を踏み入れた者は二度と戻れないと恐れられる不気味な樹海――『暗黒の森』だった。


うっそうと茂る漆黒の木々、立ち込める有毒な霧、そしてどこからともなく響く魔物の唸り声。


「……ここを突っ切るのか? 正気じゃないぞ、西岡殿」

瑞穂が長剣の柄に手をかけたまま、険しい表情で息をのむ。


「無謀な突撃なら正気ではありませんが、『綿密な計画に基づく進軍』なら話は別です」


修平は事もなげに言うと、手作りの測量ツールとメモ帳を取り出した。


「いいですか皆さん。未知の新規市場(危険地帯)に参入する際、最もやってはいけないのは『現場を見ずに飛び込むこと』です。まずは徹底的なリスク評価リスクヘッジを行います」


「りすくへっじ……?」

源さんが首をかしげる。


「発生しうる危険を事前に予測し、回避策を用意しておくことです。葵さん、市場で買い付けた『解毒草』と『視界確保用の発光石』の在庫は?」


「はい! 各自三日分、余裕をもってパッキング完了しています!」


「素晴らしい。レン君、上空の風向きは?」


「風は北東から南西に吹いてます! 霧の薄い『風上』から進めば、有毒ガスの影響を最小限に抑えられます!」


「完璧です」


修平はメモ帳に書き込んだ地形予測図を全員に見せた。


「我々が目指すのは『安全な最短ルートの開拓』です。一日に進む距離は上限十キロと定め、無理な強行軍は行いません。さらに、百メートルごとに源さんに『目印マーカー』を設置してもらい、迷った際の撤退ルートを常時確保します」


「おうよ! 大工の目印付けなら任せときな!」


徹底的な事前調査と、万全の二重三重のリスク対策。

恐怖に満ちていた「死の樹海」は、修平のマネジメントによって、単なる「工程表通りにこなす作業現場」へと姿を変えていた。


有毒な霧が濃くなれば風上へ迂回し、強力な魔物の気配を感知すれば瑞穂のスカウティングで安全にスルーする。

見地味だが、一切の無駄も被害もない驚異的な行軍スピードだった。


「……すごいな」

瑞穂が感嘆の声を漏らす。


「冒険者の伝承では、この森は数多くの英雄を呑み込んできたと聞く。だが、我々は傷一つ負わずに半分以上を突破している……」


「英雄たちは『力量』で突破しようとしたのでしょう。ですが、我々は『仕組み』で突破している。そこが違いです」


修平はネクタイの位置を直すと、メガネの奥の瞳を光らせた。


「無謀な精神論ではなく、論理的な工程管理。それこそが、最も安全で確実な攻略法ビジネスなのです」


暗い樹海の先に、ついに見えてきた魔王城の外郭。

社畜のリスク管理術が、前人未到の難所を見事に攻略してみせたのだった。

第12話をお読みいただきありがとうございました!


徹底的な事前調査とリスク管理で、難所「暗黒の森」を難なく突破した修平たち。

次回、第13話は【中ボス戦:管理職の鏡】をお届けします!


ついに姿を現す魔王軍の中ボス・参謀タイプ!

理詰めで攻めてくる強敵に対し、修平の「現場の泥臭い根回し」が激突する……!第2章のクライマックスです!

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