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35歳サラリーマンの異世界マネジメント~魔王討伐もプロジェクト管理で解決します~  作者: 凪塩 未来


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第11話:進捗報告会

お読みいただきありがとうございます!


第11話は、定期的に行われるチームの「進捗報告会(振り返り)」のエピソードです。

ただ戦うだけでなく、お互いの課題と成長を可視化する修平流の「KPTフレームワーク」が、仲間たちの絆をさらに強固にします!

拠点として定着した廃村のミーティングルーム(元・村長の家)

手作りの木製テーブルの上には、葵が淹れてくれた香ばしい野草茶と、源さんが焼いた素朴な乾燥パンが並んでいた。


「よし、今週の『KPTケーピーティー振り返り会議』を始める」


修平がホワイトボード代わりに設置した平らな石板に、炭で大きく三つの文字を書き込んだ。


「けーぴーてぃー……? 西岡さん、それは何ですか?」

加入したばかりの葵が首を傾げる。


「ビジネスでよく使われる分析手法ですよ」

修平は炭をクルリと指で回しながら説明した。


「KはKeep(良かったこと・今後も継続すること)

PはProblem(問題点・課題)

TはTry(次に向けて挑戦すること)

感情論で反省するのではなく、事実ベースで現状を可視化し、次の改善につなげるための会議です」


「ほう……単なる反省会とは違うのだな」

瑞穂が興味深そうに身を乗り出す。


「では、まずKeepから。今週は葵さんの加入により、パーティの負傷リスクがゼロになりました。また、源さんの拠点補強により生活水準が大幅に向上。レン君の火魔法のコントロールも精度が上がっています」


「へへっ、ボク、火加減の調節ができるようになったんだよ!」

レンが誇らしげに胸を張る。


「次にProblem――課題です。瑞穂さん、前線の感触はどうですか?」


「うむ……」瑞穂は顎に手を当て、真剣な表情になった。

「魔王軍の幹部を退けたとはいえ、敵の数は圧倒的だ。私の長剣一本では、多対一の混戦になった際の抑止力が足りない」


「なるほど。源さんは?」

「俺の体力は問題ねぇが、今の資材じゃあ防具の強度が足りねぇ。瑞穂ちゃんやレン坊を守る盾や鎧の鋳造ちゅうぞう技術が欲しいところだな」


「貴重な意見をありがとうございます」

修平は石板の「Problem」の欄に素早くメモを書き留めていく。


「最後にTry――今後の具体的なアクションプランです。

第一に、瑞穂さんの負担を減らすため、源さんと協力して『簡易防壁バリケード』を可働式にし、集団戦の地形をこちらでコントロールする。

第二に、葵さんのMP消費を抑えるため、現地で手に入る薬草の調合知識をデータ化する。

第三に――魔王城への進撃ルート開拓のため、前人未到の危険地帯『暗黒の森』の事前調査に入ります」


明確な課題の抽出と、それに対する具体的で無理のない解決策。

自分たちの成長が数字と事実で可視化され、仲間たちの表情に確固たる自信と笑顔が戻っていく。


「……すごいです、西岡さん」

葵が感銘を受けたように目を輝かせた。

「私、前の病院では『もっと要領よくやれ』って怒られてばかりで……

でも、こうして課題を具体的に示してもらえると、自分が何をすればいいのかすごく分かります!」


「チームの失敗は個人の責任ではなく、『仕組み(工程)』の責任ですから。個人を責めても生産性は上がりません」


修平は温かいお茶を一口飲み、満足そうに頷いた。


「皆さんが日々成長してくれているおかげで、プロジェクトは予定以上の進捗(進み具合)を見せています。この調子で、一つずつ課題をクリアしていきましょう」


「「「おおっ!!」」」


ただ突撃するだけの冒険者集団ではない。

失敗を学びに変え、常に組織として進化し続ける「最強のプロジェクトチーム」が、ここに完成しつつあった。

第11話をお読みいただきありがとうございました!


ビジネスの手法「KPT」を取り入れ、チームの結束と成長をさらに確実なものとした修平たち。

次回、第12話は【魔王城へのルート開拓】をお届けします!


前人未到と言われる極悪な難所「暗黒の森」。

危険に満ちた樹海を前に、修平の「徹底的なリスク管理(事前調査)」が冴え渡る……!

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