水の矢
ダンテ達が巣の魔物を引き付けてくれている間に俺とメイルは巣の最深部に突入してそこでヘルバウンドという犬のような魔物と遭遇する。奴は身体に炎を纏い、爪と牙には強力な毒が仕込まれているので間合いに注意して戦わないといかない。
「メイル、出し惜しみはできない、早速エレメントオーラを使う!」
「はい!ですがジュン様、ここは巣の中生き埋めにならないようお願いします」
「大丈夫だ、しっかりと考えている、ただこの技を使うには確実に奴を捉えなくちゃいけない。そこで……」
「まさかジュン様⁉」
俺は奴を一撃で倒せる技を使用できる。だが1発で仕留めなければ手痛い反撃を喰らうだろうからな、だから少し危険だが……。
「俺が囮になって奴を引き付ける!みんなは少し離れてくれ」
「ジュン様、それではジュン様が危険にさらされます、我らが奴を引き付けますのでその隙にその技をお使いください」
「メイル、メイルなら分かるだろうけど、俺は弓の扱いは得意じゃない、そんな俺が確実に当てるには奴を俺に引き付ける必要があるんだ」
「ジュン様、弓ですか……ジュン様のお考えは分かりました、お任せします!ですがジュン様ご自身が危険と判断すれば我々は命がけでお守りします」
まあメイルならそう言うと思ったけど、俺はこの技で奴を倒してみせるぞ。
「ああ、頼んだぞ!おいヘルバウンド、これでもくらえ!」
そう言って俺は気功スキルの気弾をヘルバウンドに放った。もちろんこの一撃では倒せるとは思っていない、あくまで牽制目的だ。
「グルルルル」
「悔しいか?それなら俺のところに来いよ」
「グルウウウウ!」
俺の挑発にまんまと乗ってくれたか、いくら軍略を考えているとはいえ、直接攻撃されたならばそいつへの仕返しを考えてもおかしくはないな。
さあ来やがれ、お前の弱点を突きながらお前を一撃で倒し、かつ周囲への被害を考慮した結果、お前を倒す技はこれだ!
「ウォーターアーチ!」
「グル⁉」
ヘルバウンドの奴、突然俺が水の弓を具現化させてびっくりしてるな、何もないところから別の武器が出た事、そして奴が苦手な属性での攻撃って事だ、おっといまさらビビって逃げようとしてもムダだぞ、矢も同時に実体化させて一気に放ったからな。
水属性を付加しているだけで、普通の弓を引く要領でないと矢が放てないから少し苦手だったが、この距離ならば十分だぜ!
「ギャアアア!」
俺の放った水の矢は見事ヘルバウンドの身体を貫いた。そして、奴は苦手な属性の矢に身体を射抜かれそのまま絶命した。




