ダンテの入団理由
兄アダムの補佐官であるパリアの雇った兵も加えて俺達はこれより魔物討伐に向かった。
「それじゃあジュン様、団長、先頭は俺が引っ張っていくんで、後からゆっくりとついて来てください」
「ああ、分かった、先頭の部隊は任せたぞ」
「頼むわよ、ダンテ副団長」
「じゃあ行ってまいります」
そう言ってダンテは先頭の部隊を率いて、進軍させていく。俺はメイルと一緒に進軍する為、メイルと一緒に自分達が進軍する順番を待っていた。
「ジュン様、そろそろ我々も動きましょう」
「ああ、そうだな、よしみんな進むぞ!」
「はっ!」
兵士に出撃の檄を飛ばすと俺達にまだ近くで見送りの為に来ていたパリアが声をかける。
「それでは見送りはここまでにしておこう」
「ありがとうございます、兵を提供してくださっただけでなくわざわざお見送りまで」
「なに、私もラオール家に仕える身として当然の事だ、ジュン様お気を付けを、メイル団長、ジュン様を頼むぞ」
「はい」
「分かった、兄上にも礼を言ってやってくれ、さすがにお前の一存で決められる事ではないだろうから」
直接兵を提供してくれたのはパリアだが、兄の命もあったと思い、俺はアダムに礼を言うよう伝えて、兵を進めていく。
「ジュン様、パリア殿のお貸しくださった兵はダンテに預けて指揮を任せる事にしました」
「それは構わないけど、確かパリアの兵は傭兵だったんだよな、上手く扱えるのか?」
「ご存じなかったのですか?ダンテは元々傭兵で、腕一つで我ら騎士団の副団長まで登りつめたのです」
「そうだったのか、そういえば最初に武功をいくつも上げてようやくみたいな事を言っていたな」
自分が苦労して掴んだ地位を突如領主の息子とはいえ、初陣で手柄をあげただけの俺がいきなり得てしまうのもそりゃあ気に入らないんだろうな。
「彼は今は引退しましたが私の先代の騎士団長が傭兵であったにも関わらずその腕をかって騎士団に推薦したんです」
「そうだったのか、父上もそれで認めてくれたんだな」
「ゴリオン様でもそう簡単にはいかずに騎士の家でもない者を騎士団に入団させるのは側近や他の団員の反対があり、そこで先代団長は思い切った手を取ったんです」
「思い切った手?」
メイルの先代の団長はダンテを騎士団に入団させるべく思い切った手を使ったようだが、その手を聞いて俺は驚きを隠せなかった。
「先代はダンテを養子として引き取り、騎士の家の者としたのです」
「本当に思い切ったな、まあそうまでして入団させたいほどの腕があるのは頷けるけどさ」
習慣にとらわれる人が多い中、この先代はかなり思い切ったことをしたんだな。




