戦力提供
兄アダムの補佐官であるパリアが俺達騎士団に出撃要請をしてきた。しかも今回は俺達騎士団のみでの出撃だそうだ。自分達だけで討伐できるかどうか不安のメイルになんとパリアは雇った兵を貸してくれる上に、別で屋敷を守る為の兵も雇うというのだ。
「パリア殿、本当によろしいのですか?そこまで取り計らっていただいて」
「役割は違えど、私も貴殿もラオール家の臣下、ならば領内を守る為、ラオール家をお守りする為に力を合わせるのは当然であろう」
「ありがとうございます、パリア殿が雇った兵を指揮下に組み込ませていただきます」
「そうか、それじゃあ私はその兵に動員をかける。明日中には屋敷に集結するであろう、では」
そう言ってパリアは俺達の前から姿を消していった。正直あいつにも兄上が今の状況をどう思っているのか聞いておきたかったけど、姉上から固く口を止められているしな。だから今はメイル達にも話していない。
「腰巾着オヤジにしては殊勝ですね団長、俺達の為に戦力を提供してもらうばかりか、俺達の代わりに屋敷を守る兵まで用意してくれるなんてな」
「ええ、だけど、何か変ね」
「変……ですか……?」
「パリア殿が騎士団の為に兵を用意するなんて事は今までなかったわ、いくらアダム様ご自身が出撃できないといっても」
パリアの戦力提供に対してメイルは少し不自然さを感じているようだな。今まではアダムに軍事が一任されていたが、父は前回の事もあり一部権利を取り上げているから伺いは立てているはずなんだけどな。
「だけどさすがに兄上の独断ではなく父上にお伺いを立てたうえでの戦力提供だし、兄上やあいつだけの意思じゃないと思うけどな」
「ええ……私の考えすぎかもしれません……とはいえ傭兵ばかりをあてにはできません、我らの力で魔物を討伐しなければ」
「ああ、それじゃあみんな早速兵を動員するぞ!」
「はっ!」
魔物討伐の為に俺達も兵の動員をかけ、そして翌日屋敷の庭に俺達騎士団は集結して、俺はある光景に驚いていた。
「いや、すごいな騎士団のみんなが兵を本気で動員すればこんなに集まるんだな」
「ええ、普通は騎士団も全員が出撃するわけではなく屋敷の守りも残すのですが、今回はパリア殿の兵が屋敷を守ってくれますからね」
俺とメイルがやり取りをしているとそこにパリアがやって来て俺達に声をかける。
「これが騎士団の本気というわけだな、いかがですかジュン様?」
「……そうだなこれだけの者を率いると思うと身がしまるな」
いよいよ騎士団全員での出撃だ。どんな魔物が待っているか。




