事実を明かし
兄が過剰に俺に重い処分を望んだ理由、それは俺がエレメントオーラを駆使する事で強大な戦闘力を持ち、俺を担ぐ者が現れるのではと危惧しての事だった。……はっきり言わしてもらえばそれは俺に対しての考えであって、モニカに仕事を投げたり、過剰に多くの兵を連れて行きながら、自らの力のみで魔物を討伐している理由付けにはなっていない。しかし父はどうもあの時という言葉を発し、俺はそれが気になっていた。
「ジュン、模擬戦で訓練所の床を破壊したのはお前だけの責任ではないのであろう?」
「え?いえ、というか何故今そのお話を⁉」
「ジュンよ、私が気付いていないとでも思ったか、あの時のお前、そしてメイルやダンテを始めとした騎士団の者達の挙動の不自然さに」
「え?だ、だけどまぎれもなく床の破壊の責は私にあります」
ちょっと待ってくれ、もしかして父上、俺達のウソに気付いたのか?いや、まったくのウソではないんだよな。俺が床を破壊したのは事実だし。まあ、発端はダンテが俺に模擬戦を挑んできたことなんだけどな。
「お前の言葉が真であれば、更に厳しい処分を下していたかもしれん、だがどうにも腑に落ちん点があまりにも多くてな、ここでの重い処分は騎士団の信を失いかねんと思い、あの処分にとどめた」
「そ、そうだったのですね……」
「ジュンよいい機会だ、あの時本当は何があったかを話してくれ」
「ゴリオン様、それは私から説明させていただきます。実は……」
父はあの時の俺達の不自然さに気付いており、その事もあって俺をあの時、騎士団入りを遅らせるという処分にとどめたのだ。そして更に父より問われて俺に代わり、メイルが返答をしてくれた。そこでダンテから模擬戦を挑んだ事、それがきっかけで俺も本気を出し、その結果床や訓練所がめちゃくちゃになった事を説明してくれた。
「何だと⁉メイル、貴殿がついていながらその体たらくはどうした事か!」
「申し訳ありません!ダンテ副団長に一言相談をしていなかった私の責です」
「父上、メイルの申すことが真ならばダンテを許してはならないでしょう、継承権最下位とはいえ、領主の実子への侮辱にあたりますぞ!」
「待て、ジュン、お前があの時申し出たのはメイルやダンテの処分を望まなかったから、それに相違ないな?」
話があの時の俺が床を破壊した事に戻っているが、ここでの問いも重要なのかもしれない。
「はい」
「では何故処分を望まなかった。メイルの申すことが事実であるならばダンテの処分を望んでもおかしくなさそうではあるが」
そんな事、もちろん決まっている。




