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不満と不信

 父ゴリオンは村の救出の援軍が少なかったのではないかと兄アダムに問いかけ、兄やパリアは答えに窮していた。そんな中、命令違反をした俺の行動にもその経緯を尋ねてきた。


 俺はメイルの危機を救うべきだと進言したがそれを聞き入られずやむなくメイルの救援に向かった事を告げた。多分父は俺の完全な味方というわけでもなさそうだな。


「そうか、ならば更に問おう、部隊全体の指揮官がたとえば私であっても私がそのように判断をくだせばお前は部隊を離れたのか?」

「え?い、いやそれは……」


 父上、なんだろう、ちょっとその質問は困るな。父が指揮官だとしても部隊を離脱したかと問われると難しいな。確かにアダムの判断が間違っていると感じたからそうしたけど、元々兄に対する兵の動かし方等の醜聞は聞いていて、それを目の当たりにして、怒りがふつふつしていたのもあるな。


「アダム、ジュン、お前達にはどうやら何かしらの諍いがあると見るがどうだ?」

「な、何をおっしゃいますか、仲睦まじいとは申しませんが、仮にもジュンは我が弟、諍いなどあるはずがございません」

「それならばアダムよ、お前はジュンがお前の指揮下を離れた事をどう思っている、無論判断に誤りがあったとする前提でな」

「……判断は誤っていた事はゆずらないのですね……、正直申せばジュンは私が後継者1位であることに不満を抱いているのではないかと思っております」


 ちょっと待って、俺がアダムに対して後継であることを不満に思っているだと?いや、それは全くの間違いではないんだけど、この言い方だとまるで以前から不満に思っているかのような言い草だな。


 正直言えば今回の出撃以前は仕事の一部をモニカに投げる事はあっても、ラオール家の領主らしく民衆を守る為に奔走していて自らの役目を全うしていると思っていたよ。


 だけど今回の出撃や、少し前のアダムに対する醜聞を聞いて、俺の考えも変わった。アダムはラオール家を継いではダメなのかもしれない。


 今回の出撃でよく分かったのは、アダムは自分の力の誇示がとんでもないという事と、多くの兵を率いているという力とは別のいわゆる威信も見せつけたいような人間である事を、そしてパリアに力を持たせて父の側近と諍いを起こさせているし、とんでもない事だと思うようになった。


「アダム、そう思った理由を申してみろ」

「ひとえに申せばジュンの才能です」

「才能か?それはつまり気功スキルを属性と合わせる事ができる。その技術であるな?」


 アダムは俺の気功スキルを見てどうしてそんな不満を抱いたと結び付けたんだ。

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