帰還してすぐに呼び出され
魔物討伐を終えて、俺達は今、屋敷への帰路についていた。もっとも、兄アダムは先に自分の部隊を連れて帰ってしまったけどな。
とりあえず今回の討伐は成功したし、良しとしたいが、結構騎士団のみんなは疲れているな。
人によっては前回の出撃からそれほど間を置かずに出ているし、アダムはほとんど自分で魔物を倒す癖に大軍を指揮している事を示すために多く兵を動員したがるからな。
「ジュン様、勝手にアダム様の指揮下を離れた事で咎を与えられるかもしれないと心配でしょうが、我らがジュン様に咎がが及ばぬよう尽力いたしますので」
「メイル、そういえばそんな事を言っていたが、何をするつもりなんだ?」
「窮地に陥っていた我々を救援した事実、そして我らが守っていた村をも救った事をゴリオン様にお伝えしておきます」
「兄上は結果論でしかないとその発言を切り捨てていたな、父上もどこまで聞き入れて下さるか……」
実際俺はメイル達を救い、村も守り切る事に成功した。これは俺が救援に向かわなければ多分実現しなかった事だろう。それでも結果論と切り捨てたんだよな。
「ジュン様、きっとゴリオン様ならばご理解してくださるかと、だからお伝えしておきます」
「分かった、だけどメイル達だけに任せるわけにはいかない。俺の正当性は俺自身で訴えないと」
「ジュン様、そうですね、それでこそラオール家のご子息で次期騎士団長です」
ラオール家は領主の家として何代にもわたってこの地を任されて守り続けてきており、王国領主の家でも随一の武力を保持しているからな。
兄は次期当主かもしれないが、今回の件は俺が明らかにラオール家の矜持を示したと自負している。兄上、弟だからって甘くしない姿勢は分かるけど、今回の行動は俺に明らかに正当性があった。それを見せてやるぞ。
「ジュン様もうすぐお屋敷です、もしかしたらもう戦果をアダム様が報告して……」
「俺の命令違反も報告しているわけだな、だけど俺はしっかりと正当性を訴えるつもりだ」
「はい、我らも尽力いたします」
遂に屋敷が見えてきた、すると屋敷の兵が俺達に近づき、声をかけてきた。
「お帰りなさいませ、ジュン様、あのゴリオン様が執務室まで来ていただきたいとおしゃっております」
「そうか……分かった、すぐに向かおう」
「もうアダム様はジュン様の事を報告していたのですね、ジュン様私も参ります」
「ああ……兄上、父上にどのように報告したか分からないが、今回はおとなしく処分を受け入れるつもりはないぞ」
父よりの呼び出しがあり、俺達は執務室へと向かった。




