帰還の時
兄アダムが先に魔物の巣に向かった為、俺は兄の本隊と合流すべく村にメイル達を残して進軍してどうにか合流を果たすが、既に魔物討伐は成功しており、帰還中であったのだ。
討伐を終えた兄はそのまま屋敷へと向かっていき、俺にはメイルの部隊を拾うよう指示した。いろいろ思う事はあるがまずはメイル達を拾わないとな。動けない兵士は抱えながらでもゆっくり連れて行くしかないよな。
再度俺は進路を魔物に襲われた村へと変更し、メイル達を迎えに行った。
そこまで移動していなかった為、村にはすぐに到着し、外に兵を残し、少数でメイルを迎えに行った。
「確かこのあたりだったかな、お、いたいた!おーいメイル!」
「ジュン様⁉いかがされましたか?巣の魔物は?それにアダム様はいかがされたのですか?」
「落ち着けよ、実は……」
さすがに俺が予想以上に早く帰ってきた為、メイルは驚いているが、俺は兄と合流してからの事を順を追って話した。
「そうですか……アダム様は一足先に戻られたのですね」
「ああ、俺達が救う事に成功したから村の様子を確認する必要はないと言ってな」
「魔物を討伐したとなると我らもこれ以上この村にとどまる理由はありません、我々も戻りましょう」
「そうだな、それじゃあまだ動けない兵士は……」
とりあえず動けない兵士に関しては馬の後ろに乗ってもらったり、両脇から抱えて支えながら歩いてもらう方式で動いてもらうか。戦闘中は無防備になってしまうが、ひとまずの安全は確保できたし、これで行くか。
「それじゃあみんな屋敷に向けて出発だ!」
「おおおーーーー!」
村人も救ってもらった恩があったのか、俺達を見送りに来てくれた。
「ありがとうございます、ジュン様!騎士団の皆様!皆様が来てくれなかったら今頃私達は全滅していたでしょう」
「民を守るのが我らラオール家と騎士団の役目だからな、巣は滅したし当分魔物の襲撃におびえずに過ごせるはずだ」
「ええ、これで街に野菜や工芸品などを売りに行けます、ジュン様も道中お気をつけて」
村人の感謝は嬉しいが、もし俺が素直にアダムの命に従っていたらこの人達は今頃……。
俺がラオール家の当主を継げないのはもう仕方ないものと思っている。だけどやっぱりこのまま本当にアダムに継がせていいのか?
多少の犠牲に目をつむるとかそんなレベルじゃなく、明らかに魔物を滅する事にしか頭がなかったからな、とはいえ俺が反対意見を言ったところで覆るとは思えないし、行動に多少問題はあれど、今のところラオール家に大きな損失は及ぼしていないからな。




